医療通訳養成講座 2027年度受講者募集
日本在住の外国人数も訪日外国人数も増加している現在、医療安全の観点から医療の現場におけるコミュニケーションの重要性はますます高まっています。日本在住の外国人は、日本人と同様にライフステージの変化に伴って医療機関で受診する診療科が多岐にわたり、疾患も急性期から慢性期まで様々です。日本の保険証を持たない訪日外国人については、旅行中に医療機関を受診する必要が生じたり、先進医療を受ける目的を持っていたりするため、受入れルールを日本在住の患者さんとは別に整備している医療機関もあります。医療の現場におけるコミュニケーションをサポートする医療通訳は、様々な診療科や疾患の知識を持っていること、日本の医療制度における医療機関の機能や考え方を理解していること、そして外国人患者の文化的背景を知っていることが期待されています。さらには、医療の現場におけるコミュニケーションで特に大事な場面では、環境、場の雰囲気、言葉の使い方などに配慮があり、時には予定とは違う対応を必要とされることもあるため、自動的な通訳やAIにはできない要素が多く含まれています。
この講座は、医療の現場で必要とされる専門知識と、外国語及びコミュニケーションの知識を、各々を専門とする東京科学大学(旧東京医科歯科大学)と東京外国語大学とが連携することで提供し、異なる言語と文化の間に立って医療従事者と受診者との的確なコミュニケーションを担うことのできるスペシャリストを養成することを目的としています。修了者は、日本在住の外国人の医療機関受診の場面でも、訪日外国人の医療機関受診にも対応し、チーム医療の一員として活躍することが期待されます。
「医療通訳養成講座」の特徴 〜命を支える医療通訳を目指して〜
★二大学の特色を活かしたカリキュラム
本講座は、厚生労働省が策定した「医療通訳育成カリキュラム基準」を参考にして設計しています。医療通訳に求められる知識・技術・倫理を、東京科学大学と東京外国語大学のそれぞれの特色を活かしたカリキュラムで学ぶことができます。
★ 実践的な医療通訳のトレーニング
東京科学大学提供の講義「医学概論Ⅰ・Ⅱ」による学びにくわえ、東京科学大学病院での実習(施設見学、ロールプレイング等)の機会を提供します。
★ 今年度は、英語、中国語、スペイン語、ロシア語の4言語を開講
医療の現場では、通訳言語の多様化が進んでいます。今年度は、日本の医療現場において通訳のニーズが特に高い英語と中国語、そして安定してニーズのあるスペイン語とロシア語を加えた4言語で開講します。
★ 通訳技法にとどまらない専門知識を獲得
医療通訳には、人体の構造や機能、疾患の病態や治療方法、さらには倫理的諸問題に関する知識など、幅広い医学知識が求められます。本講座では、このような幅広い医学知識に加え、医療の現場で求められる通訳技法や倫理のほか、多文化共生社会に関わる知識など、医療通訳に必要な背景知識を総合的に時間をかけてじっくりと学びます。
講座の概要・お申込方法
| 講座名 | 医療通訳養成講座 |
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開講期間 |
2027年4月~12月 |
| 開講日 |
【前期】 2027年4月24日~7月31日の毎週土曜日(7月31日は病院実習 ※) 【後期】 2027年9月4日~12月11日の毎週土曜日(12月11日は病院実習 ※) ※病院実習の日程は、病院の状況により変更となる場合があります。 |
| 開講形態 |
全講座オンライン講座を基本としますが、各学期1回の病院(東京科学大学湯島キャンパス)での実習があります。 |
| 開講科目 |
【前期】 医学概論Ⅰ 通訳概論 医療通訳Ⅰ 【後期】 医学概論Ⅱ 多文化共生基礎 医療通訳Ⅱ |
| 総時間数 |
上記6科目 合計135時間 |
| 開講言語 |
英語 中国語 スペイン語 ロシア語 |
| 受講資格 |
原則として大学を卒業していること。 日本語と、受講言語について、高度な語学力があること。 病院実習日に、東京科学大学湯島キャンパスでの実習に参加できること。 |
| 募集人数 |
4言語 計35名程度 |
| 選考 |
(一次審査)書類審査 一次審査の結果は、2027年1月末までにお知らせします。二次審査は2月上旬に行います。最終結果は2月末までにお知らせします。 |
| 受講料・検定料 |
受講料:年間 297,000円(予定) 検定料※:6,000円 ※検定料は二次審査対象者のみにかかります。 |
| 募集期間 |
2026年11月2日(月)~2026年12月14日(月) |
| 募集要項 | |
| 申込方法 |
募集要項で指定されたWebサイトへ、所定の履歴書および提出書類をアップロードしてください。 履歴書(様式) 履歴書(入力見本) |
カリキュラム
| 期間 |
1限 |
2限 14:00~15:30 |
3限 15:45~17:15 |
| 前期 | 医学概論Ⅰ※ | 通訳概論 | 医療通訳Ⅰ |
| 後期 | 医学概論Ⅱ※ | 多文化共生基礎 | 医療通訳Ⅱ |
※「医学概論Ⅰ」「医学概論Ⅱ」は、リアルタイム配信授業と東京科学大学提供によるオンデマンド配信授業を組み合わせた科目です。オンデマンド配信の日は期間内の都合の良い時間に受講できますが、リアルタイム配信の日は必ず指定された時間(1限 11:00~12:30)にアクセスして出席してください。
学修成果の認定(医療通訳養成講座修了証)
本講座は履修証明プログラムとして開講されており、すべての科目に合格した者には履修証明書を交付します。
更に、以下の2点を達成した者には履修証明書と併せて、医療通訳養成講座修了証を発行します。
1.すべての科目で12回以上授業へ出席(病院実習は必須)すること
2.「医学概論Ⅰ・Ⅱ」および「医療通訳Ⅰ・Ⅱ」の後期終了後の最終評価すべてにおいてA以上の成績評価を受けること
※「医学概論Ⅰ・Ⅱ」および「医療通訳Ⅰ・Ⅱ」においては、前期終了時にも成績を通知しますが、修了証の発行要件として用いるのは、後期終了時に通知する成績評価です。
科目概要・講師
シラバスは確定次第掲載します。
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医学概論ⅠⅡ 本講義では、医療通訳に必要となる医学・医療の基礎知識を体系的に習得することを目的とします。人体の構造・機能や解剖学的名称、日本の保険医療制度などの基本事項を押さえたうえで、各診療科の医師が代表的な疾患や検査・治療について詳しく解説します。さらに、看護師、薬剤師、放射線技師、栄養士、医療ソーシャルワーカーなど、院内の多職種による講義を通じて、外国人患者対応の実際を学び、医療現場への理解を深めます。 コーディネーター:岡田卓也 東京科学大学病院 国際医療部長。南米での国際医療協力の経験を活かし、国内の医療機関における外国人患者の診療支援、院内体制の整備、医療通訳教育・人材育成に携わる。 |
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通訳概論 本講義では通訳の概論を取り扱います。通訳の形態や技術、学習法などについて、理論を通して考察する他、国内外の通訳の歴史も振り返りこれまで通訳行為が行われてきた経緯や背景を見ていきます。また通訳者の倫理規定や専門性などにも焦点を当て、言語的な要素のほかに通訳者に求められるものにはどういうものがあるかを検討します。さらに通訳者のセルフケアについて専門家をゲストスピーカ―としてお招きし話を伺うほか、外国人患者を診察する医師または相談に対応するカウンセラーからも話を伺う予定です。講義の中では適宜グループでのディスカッションを行い、能動的な参加や考察を促しながら、通訳という営為を多角的に捉えていきます。 講師:岩田 久美 大阪外国語大学イスパニア語科卒業。愛知県立大学大学院コミュニティ通訳学コース(修士)修了。1992年よりフリーランス通訳。2011年東京外国語大学多言語・多文化教育研究センター「コミュニティ通訳コース」第2期終了後、専門家相談会、弁護士事務所での相談通訳を担当し、2017年からMICかながわ医療通訳として活動。 |
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多文化共生基礎 グローバル化の加速により、日本社会の多言語・多文化化が進行するなか、ホスト社会と在留外国人とのあいだで様々な問題が顕在化してくるようになり、全国各地で多文化共生の推進が急務となっています。本授業では、在留外国人を取り巻く動向や歴史的経緯、政策や制度などの基礎的知識を身につけるほか、様々な課題に最前線で取り組む方々を講師として招き、リレー形式で「多文化共生のいま」をテーマに講義を行います。 コーディネーター:小島祥美 東京外国語大学多言語多文化共生センター長/グローバル・イノベーション・デザイン・インスティテュート教授 |
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医療通訳Ⅰ・Ⅱ(英語) コミュニティ通訳の中で、人の最もプライベートな生活に「介入する」通訳の場面が医療です。医療サービスの提供者・患者間の力のアンバランスの中に立たされる通訳者は、倫理による支えを受けながら、いかに正確に通訳を行うことができるかが重要となります。本授業では、インターアクション・マネージメントのスキルを身につけながら、医療英語の基本に始まり、通訳に必要な言語能力を発展させていくことをねらいとします。 講師:Heather Glass (ヘザー・グラス) 東京外国語大学特設日本語学科卒業。西オーストラリア大学経営修士を修了。通訳・翻訳会社を創設し、外交・商業分野において通訳者・翻訳者として長年活躍。オーストラリア職業教育訓練部門における通訳・翻訳者養成コースの教員となり、2004年からその全国資格の開発に携わる。グリフィス大学教育・プロフェショナルスタディーズ学部の博士研究課程在籍。 講師:Leonie Stickland (リヨーニ・スティックランド) オーストラリア国立大学で日本語・中国語を専攻した後、兵庫県宝塚市教育委員会及び宝塚歌劇団に勤務。20年間に及ぶ日本生活の末、オーストラリアに帰国し、認定翻訳者の資格を取得。西オーストラリア州マードック大学の博士課程を卒業した後、日本語講師として教えながら社会学書籍の和英訳書を数多く手がける。2008年にオーストラリア職業教育訓練部門における通訳者養成課程を修了、芸術、文化、教育交流などの幅広い通訳の実績を積み上げる。2022年以来、医療通訳者としても活躍。 |
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医療通訳Ⅰ・Ⅱ(中国語) 医療通訳は、医療現場において医療者と患者あるいは患者家族との間で言葉の媒介者としてそのコミュニケーションを円滑にすることによって、患者の健康と福祉を守る専門職と言えます。本科目の中で、医療通訳倫理を理解し、医療通訳に必要な基本技能を具体的な練習を通して自分の中に落とし込み、他の科目で学んだ基礎知識を系統的に整理し、医療通訳の骨組みを把握することによって、講座が終わった後も自ら学習し続けられる力を身につけると同時に、臨床現場で逐次通訳ができることを目指します。 講師:三木 紅虹 北京大学口腔医学院卒、東京医科歯科大学大学院歯科研究科修了、歯学博士。 |
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医療通訳Ⅰ・Ⅱ(スペイン語) 日本語が不十分な在日外国人が最も困難を抱える場面は医療機関です。本科目では、スペイン語圏の国々の多様性を踏まえつつ、医療通訳に必要な基礎用語の習得と、それを患者に伝わる表現へと変換するスキルを、シナリオやシミュレーションを通して実践的に学びます。さらに、一時停止依頼や用語確認など正確性を確保するための場面管理技術を演習で身につけ、言語が不自由な利用者の医療アクセスを支援する能力を養います。 講師:HERRERA CADILLO LOURDES ROSARIO(エレーラ カディジョ ルルデス ロサリオ) 朝日大学看護学科准教授。ペルー助産師、広島大学で保健学博士取得。20年の医療通訳経験を持ち、自治体・民間で通訳養成講師を務め、旧大阪外大大学院で医療通訳入門を担当。 |
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医療通訳Ⅰ・Ⅱ(ロシア語) 医療の現場では時々予定していなかった検査などが行われるため、イレギュラーと思われるような場面での対応が求められることがあります。そのような場合でも適切な判断をするために必要な医療通訳の倫理を身につけること、そして、医療の現場でチームの一員として通訳ができるよう講座修了後も継続して学習ができることを目指して、ケーススタディをしながら医療通訳に必要な基本的な知識と通訳技術を学びます。 講師:山田紀子 東京外国語大学大学院総合国際学研究科博士前期課程修了。20年にわたり外国人患者のコーディネート及びロシア語医療通訳を行っている。一般社団法人国際メディカル・コーディネート事業者協会 代表理事。 講師:Вышегородцева Виктория(ヴィシェゴロツェワ・ヴィクトリア) モスクワ国立大学アジア・アフリカ諸国大学卒業。2012年より日本で活動する有資格医療通訳者。NHKラジオ『まいにちロシア語』にネイティブスピーカーとして出演。 |
注意事項
- 受講者の決定
- 一次審査として書類選考を行い、結果を全員の方に通知します。選考を通った方には二次審査を実施します。
- 受講料納入
- 受講料は前納制です。受講決定者に対し本学より送付する受講案内をご覧の上、期日までに指定口座に受講料を納入してください。口座振込に係る手数料はご本人負担でお願いします。一度納入された受講料は払い戻しできませんので、ご了承ください。
- 受講のキャンセルについて
- 受講決定後、やむを得ず受講を取り消される場合は、速やかに東京外国語大学多言語多文化共生センターまで電子メールでご連絡ください。
- 休講・補講
- 講師の都合および主催者側の通信・機器トラブル(※)により休講となった場合には、原則として補講を行いますが、天災等の事情により、やむを得ず休講となる場合は、原則として補講を行いません。また、受講生側のインターネット接続が切れて受講できなくなった場合も補講は行いません。
※連続して30分以上配信できなかった場合。
- 講師の都合および主催者側の通信・機器トラブル(※)により休講となった場合には、原則として補講を行いますが、天災等の事情により、やむを得ず休講となる場合は、原則として補講を行いません。また、受講生側のインターネット接続が切れて受講できなくなった場合も補講は行いません。
- 録音・録画・写真撮影
- オンラインで行われる授業の様子を出席者の許可なく写真に撮り、それをSNSなどで共有することや、講師の許可なく、授業の内容を録音・録画し、それを公開することは固くお断りします。また、講座内で使用するテキスト、画像、ビデオ講義の動画等の無断転載・無断使用を固く禁じます。
- 受講資格の取り消し
- 次のような好ましくない行為があった場合は、ミーティングルームからの退出、受講の停止、もしくは受講の取り消しをすることがあります。なお、受講料の返金はいたしません。
- 他の受講生の迷惑となる事や、授業の進行を妨げる様な行為を行った場合
- 受講の手続きや受講料の納付を完了していない場合
- 法令等や公序良俗に反する行為があった場合
- 配布されたZoomによる授業のURL、ミーティングIDやパスワードを他人と共有する行為があった場合
- 講座内で使用するテキスト、画像、ビデオ講義の動画等の無断転載・無断使用を行った場合
- その他受講案内等に反する行為があった場合
- 次のような好ましくない行為があった場合は、ミーティングルームからの退出、受講の停止、もしくは受講の取り消しをすることがあります。なお、受講料の返金はいたしません。
- その他
- 本プログラムは、 学生を対象とした学位プログラムとは異なり、単位や学位が授与されるものではありません。
受講生側の機器接続不良による受講料の返金は致しかねます。あらかじめご了承ください。
- 本プログラムは、 学生を対象とした学位プログラムとは異なり、単位や学位が授与されるものではありません。
お問い合わせ
- よくあるご質問
・出願にあたり年齢制限はありますか
-本講座は、社会人の方を主な対象としており、年齢制限はございません。ただし、受講には大学卒業以上の学歴または同等の知識・経験が求められます。・通訳経験がなくても受講できますか
-通訳のご経験がなくても受講いただけます。・どの程度の語学力を持った人が対象の講座ですか
-本講座は、日本語と選択言語の両方をスムーズに使える方を対象としています。語学力については、二次審査で確認させていただきますので、語学検定の取得は必須ではありません。ただし、選択言語に関する資格をお持ちの場合は、出願時にご申請ください。なお、日本語を母語としない方につきましては、日本語能力試験(JLPT)N1レベルの資格保有が受講の必須条件となります(※試験の実施団体:国際交流基金および日本国際教育支援協会)。・二次審査ではどのような問題が出題されますか
-二次審査では、日本語と選択言語の通訳・翻訳の課題が出題されます。なお、選考の公平性を保つため、過去問題の配布や、具体的な出題内容の詳細についてはご案内しておりません。・この講座を受講することで、医療通訳の資格が取れますか。
-受講のみで直接資格が取得できるわけではありません。
本講座を修了された方には「履修証明書」を発行いたします。この証明書により、日本医療通訳協会が実施する「医療通訳技能検定試験」の受験資格が得られます。資格取得には、本講座の修了後に検定試験へ合格する必要がございます。
- お問い合わせ先
東京外国語大学 多言語多文化共生センター
〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1
☎ 042-330-5867(※平日9:00-16:00 12:00-13:00は除く)
e-mail tc-jimu[at]tufs.ac.jp([at]を@に変えて送信ください)
