東京外国語大学総合文化研究所主催講演会
「ボーカロイドと多文化共生:ボカロP・r−906の場合」
主催:東京外国語大学・総合文化研究所
協力:クリプトン・フューチャー・メディア株式会社
企画趣旨
現代において,インターネットを介したアート活動は活況を呈している。特に⾳楽を制作しインターネットで配信する作家は,「ボーカロイド」(ヤマハ株式会社が開発した、歌声合成ソフトウェア︓ボカロとも略される)および「初⾳ミク」(クリプトン・フューチャー・メディア株式会社)に代表されるバーチャルシンガーソフトウェアの存在もあり、ネットカルチャーの中⼼的存在となっている。作詞・作曲・MV制作まで⼿がける彼らは,「ボカロP」と呼ばれる。
ネットカルチャーの特徴として,作家と鑑賞者との距離が近いことがあげられる。作家は動画サイトやSNSなどで,多様な関⼼を持つ鑑賞者による,⾃分の作品に対する評価をダイレクトに知ることができる。またその反応を,⾃らの作品づくりに活かすこともできる。その意味では,彼らの活動は,様々な属性や関⼼を持つ他者の異質な視点をより意識した「対話」(M.M.バフチン)として展開するものといえる。そしてその姿は,多様な⽂化的視点を持つ他者との「多⽂化共⽣」を⽬指すコミュニケーションモデルの⼀つにもなり得る。
本講演では,アートシーンを鮮やかに駆け抜ける気鋭のボカロP,r 906⽒を招き,ネットカルチャー最前線での活動をご紹介いただく。r 906⽒はリスナーの多様な解釈を可能にするユニークな楽曲構成や研ぎ澄まされた歌詞の制作で,⾼い評価を受けている。作詞・作曲活動において,ネット越しに待ち受ける他者の視点といかに対話を続けるのかというアート活動についてお話いただく。また多⽂化共⽣を実現する交流のあり⽅についても,発展的に展開する。
⾳楽制作やネットカルチャーに関⼼を寄せる者はもちろんのこと,本学が探求⽬標とする多⽂化共⽣の実現に関⼼を寄せる者の参加を広く歓迎する。
(「VOCALOID(ボーカロイド)」および「ボカロ」はヤマハ株式会社の登録商標です。)
講演者紹介
ボカロP。2018年より活動開始。The VOCALOID Collection spring 2022への出品作『まにまに』が1位を獲得し,注目を集める。ドラムンベースを用いた独特の曲構成・研ぎ澄まされた抽象性の高い歌詞などで知られ,各種イベントでの講師を務めるなど,その活躍の幅を広げている。2024年現在,もっとも注目されるボカロPの一人である。
開催情報
実施日 2024年4月26日(金)17:40-19:40
講演者:r-906
企画者:田島充士(東京外国語大学准教授)
コメンテーター:山本登志哉(一般財団法人・発達支援研究所所長)
その他 事前登録制(先着200名、※下記フォームにて)、入場無料、一般公開
主催:東京外国語大学総合文化研究所
協力:クリプトン・フューチャー・メディア株式会社
その他:本講演は、独立行政法人日本学術振興会・科学研究費助成事業(課題番号:23K02886)の助成を受けて実施する。
事前登録フォーム
事前登録制での開催となります。
登録フォーム
https://sanda.tufs.ac.jp/event/240426_s01/
※ フォーム登録後に登録メールアドレスに受付完了メールが届きます。当日、入口にて受付完了メールをご提示いただきますので、ご準備くださいますようお願い申し上げます(スマホ画面で問題ありません)。
※ 事前申込者が定員を超える場合,申込みをお断りする場合があります。また事前申込者が定員に満たない場合でも、事前登録を済ませた方に優先して入場していただきます。
お問合せ先
月~金 9:00 ~ 12:00、13:00 ~ 17:00
祝日・一斉休業期間(夏季・冬季一斉休業など)を除く
東京外国語大学 田島充士研究室
Email: r-906[at]tufs.ac.jp([at] を @ に変えて送信ください)