突然狂ったように連投して恐縮だが、5月29日(日)まで@都現代美術館で開催されている「キセイノセイキ」がお勧めである。目利きの友人K氏にずっと前から進められていたのだが、こんな間際になってようやく観ることができた。なにしろ、水曜6限のリレー講義(「世界から沖縄を考える」という題目で共通テーマは「叛乱者たち」)の「アクティヴ・ラーニング」、つまり受講者が積極的に学ぶ方法を具体的に指示し1回分の授業を代替するものとして同展覧会の鑑賞を提示したこともあって、必要差し迫ったわけである。
圧巻のひとつは、1990年代に企画されながら未だに凍結中の「平和祈念館」のプロジェクトを、いわばその事実や規制の現実を示す展示として試みたパーツであるが、その他の部分もなかなか興味深い。当方にはとりわけ、A. ジミェフスキの<繰り返し>の映像(1971年の「監獄実験」と呼ばれる心理学実験の再現の様子を撮ったもの)や、橋本聡さんの「抽象直接行動198の方法(仮)」がおもしろかった。後者はもちろんG. シャープの「非暴力行動198の方法」を意識しているが、ちょうど今修士課程の授業でこの原典を輪読していることもあり、「ああもっと早く来ていれば、院ゼミ受講者にも勧めることができたのに!」という後悔も含めて考えるところが多かった。
また、なかばこの展覧会のカタログでありつつ、それ以上の意味をもつ書物も読みごたえがある。
われわれを取り巻く状況はよろしくなく、さらに悪化しつつあるともいえるが、静かなる抵抗のカタチはこんなにも示されている。そしてそれを観に来ている少なからぬ人びと(多くの若者を含めて。隣の「ピクサー展」の入場者数と比べてはいけないが)がいる。希望はここにも、確実にある。