受託事業

受託事業2023(令和5)年度〔文部科学省委託〕日本語能力評価方法の改善のための調査研究事業【概要】

2023.10.03

2023(令和5)年度〔文部科学省委託〕日本語能力評価方法の改善のための調査研究事業【概要】

趣旨

本事業は、外国につながる児童生徒の言語能力把握の充実に資するため、義務教育段階から高校段階までの外国につながる児童生徒の年齢枠別能力記述文(CAN-DOリスト)の妥当性検証のためのデータ収集を目的とする。

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実施内容

作成した能力記述文案(CAN-DOリスト)の内容が年齢相応か、年齢枠間の難易度の関係性が適切か、ステージ別の記述文の難易度とその順序性に問題がないかという課題を、多層ラッシュモデルにより検証するために必要なデータ収集を行う。

具体的には、以下の2つの手順で行う。

(1)5つの年齢枠(「6~7才」「7~9才」「9~11才」「11~14才」「14才以上」)×DLAの6つのステージに該当する児童生徒のDLA(「はじめの一歩」→「話す」→「読む」)実施動画(計30本)を撮影し、能力記述文案の妥当性検証用に編集する。

(2)全国(一部海外も含む)で外国人児童生徒等教育に携わっている人々を対象に、評価ワークショップを開催する。作成したDLA 動画30本をワークショップ参加者に視聴してもらい、それぞれの動画の児童生徒が、各能力記述文案(CAN-DOリスト)に示されていることを「できる」か「できない」かをチェックしてもらう。各動画につき200名のチェックデータを収集する。能力記述文案(CAN-DOリスト)は「聞く・話す」と「読む」の2つを検証対象とするため、200 名×DLA 動画30 本×2(「聞く・話す」と「読む」)= 12,000 データを収集する。

なお、検証に用いる能力記述文案(CAN-DOリスト)は、本事業の推進委員が関わる科学研究費補助金・基盤研究(B)(研究課題番号:16H03433)「JSL対話型アセスメントDLAの精緻化と外国人児童生徒のための教育的枠組みの構築」、科学研究費補助金・基盤研究(B)(研究課題番号:「文化的言語的に多様な子どもの教育のための汎用的言語能力の参照枠の構築」により作成したものである。

さらに、2022年度の文部科学省委託事業での研究成果を踏まえ、「書く」の能力記述文案(CAN-DOリスト)に基づく高校での評価と教育実践にも取り組む。

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実施体制

本事業は、本学の多言語多文化共生に関わる教育、研究並びに社会貢献事業を推進し、多言語多文化共生人材の養成とその活用を図り、以てその成果を社会に還元することを目的として設置する多言語多文化共生センター(以下、「センター」という)の事業として実施する。センターの中に本事業全体の推進および調査研究の結果・成果物に検討・助言を行う会議の場として「事業推進委員会」を設置する。推進委員会は、研究テーマ別に「CAN-DO作成部門」「CAN-DO検証部門」「データ解析部門」の3部門を配置し、各部門リーダーは事業推進委員のなかで構成する。

なお、CAN-DO作成部門に事業推進委員をリーダーとしたワーキング・グループ(足羽高校WG、衣台高校WG、東濃高校WG、大阪わかば高校WG、西成高校WG)を高校別に設置し、各高校関係者と協働しながら事業を実質化する。また、「CAN-DO検証部門」に研究協力者としてワークショップ・コーディネーター(WSC)を配置し、事業推進委員と協働しながら地域別の評価ワークショップ(評価WS)に取り組む。

事業推進委員のうち、本事業を統括する事業推進委員長、各部門のリーダーおよびサブリーダー、事務局スタッフ2名の計6名程度をコアメンバーとして「事業推進ワーキング・グループ(推進WG)」を設置し、事業進捗を確認する。

さらに、学長を中心に、機関として責任をもって本事業を実施するため、学内の重要事項について連絡・調整を行う総合戦略会議の下に設置する、社会連携マネジメントオフィスにおいて事業の進捗状況を点検する。また、大学事務局としては広報・社会連携課が事業に参画し、事務的支援を行うとともに経費執行の適切性等を確保する(実施体制イメージ図参照)。

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事業推進メンバー(38名)

(以下、敬称略)

阿部 新    東京外国語大学 大学院国際日本学研究院 准教授

小島 祥美   東京外国語大学 世界言語社会教育センター 准教授/
        多言語多文化共生センター長 *事業推進委員長 *CAN-DO検証部門長

嶋原 耕一   東京外国語大学 世界言語社会教育センター 講師

武田 千香   東京外国語大学 学長特命補佐/大学院総合国際学研究院 教授

伊東 祐郎   東京外国語大学 名誉教授/国際教養大学専門職大学院 特任教授

小林 幸江   東京外国語大学 名誉教授

伊澤 明香   関西大学 外国語学部 准教授

榎井 縁    大阪大学 大学院人間科学研究科 特任教授

小貫 大輔   東海大学 国際学部 教授

櫻井 千穂   大阪大学 大学院人文学研究科 准教授 *CAN-DO作成部門長

佐野 愛子   立命館大学 文学部 教授 *CAN-DO作成副部門長

高橋 清樹   認定NPO法人多文化共生教育ネットワークかながわ 事務局長

ダグラス 昌子 カリフォルニア州立大学ロングビーチ校 名誉教授

中島 和子   トロント大学 名誉教授

野口 裕之   名古屋大学 名誉教授 *データ解析部門長

真嶋 潤子   大阪大学 名誉教授

松田 真希子  東京都立大学 教授

三輪 聖    テュービンゲン大学 人文科学部 アジア地域文化研究所・日本学科 専任講師

磯貝 白日   独立行政法人国際協力機構(JICA)国内事業部外国人材受入支援室 副室長

澁谷 和朗   独立行政法人国際協力機構(JICA)中国センター 市民参加協力課 課長

田中 秀樹   神奈川県教育委員会 高校教育課高校教育企画室 国際・情報教育グループ
        主任主事兼指導担当主事

大山 聡    神奈川県教育委員会 子ども教育支援課小中学校生徒指導グループ指導主事

橋本 正司   大阪府教育委員会 教育長

堀 貴雄    岐阜県教育委員会 教育長

横溝 亮    横浜市教育委員会 事務局 学校教育企画部 小中学校企画課 指導主事

土屋 隆史   横浜市立横浜吉田中学校 副校長

平吹 洋子   豊田市教育委員会 豊田市外国人児童生徒等サポートセンター 教育アドバイザー

野入 はる香  豊田市立保見中学校 教諭

小山 幾子   豊田市教育委員会 学校教育部 学校教育課 課長

榊原 英一郎  西尾市教育委員会 学校教育課指導主事

大菅 佐妃子  京都市教育委員会 指導部学校指導課 副主任指導主事

小西 三枝   芦屋市教育委員会 教育部 学校教育室学校支援課 主査

今川 美幸   兵庫県教育委員会 事務局 人権教育課 主任指導主事兼指導・事業班長

竹本 俊穂   福井県立足羽高等学校 校長

杉本 明隆   愛知県立衣台高等学校 校長

吉田 益穂   岐阜県立東濃高等学校 校長

大西 俊猛   大阪府立大阪わかば高等学校 校長

山田 勝治   大阪府立西成高等学校 校長

■事務局(2名)

増谷 由里佳  東京外国語大学 多言語多文化共生センター

小段 真代   東京外国語大学 多言語多文化共生センター

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お問い合わせ先

東京外国語大学 多言語多文化共生センター(平日9:00~17:00)

〒183-8534 東京都府中市朝日町3-11-1

Email:hyouka-chousa[at]tufs.ac.jp([at]を@に変えて送信ください)

TEL:042-330-5908