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ゼミ(演習)「アメリカ研究U」案内

 更新 2007/04/17

資料

 

このゼミのねらい

ゼミの進め

これまでのゼミ履修者が選んだテーマと本

研究動向論文

ゼミ履修者の声

資料(2007年度のゼミ案内をアップしました)

 

 

このゼミのねらい

このゼミではラテンアメリカをテーマに取り上げながらも、以下の点について訓練することが基本的な目的です。つまり、

1.文献の探し方を身につける。

2.文献の読み方を身につける。

3.論文の書き方を身につける。

こうした能力は社会に出てからもいろいろか形で必要とされるでしょう。そうした基本的な能力を身につけるのがこのゼミのねらいです。

 

ゼミの進め方

具体的には、参加者各人が、自分の関心あるテーマに関する外国語文献(英語、スペイン語など)を最低一冊選び、一年間かけてそれを読み上げ、最終的に書評論文を書くことを目標とします。

テーマはラテンアメリカに関することでしたら何でも構いません。講義題目が「ラテンアメリカの歴史と社会」ときわめて広く設定されているのもそのためです。

詳しくは4月最初の授業の際に説明しますが、簡単に1年の授業の流れをみておきましょう。

第2回目の授業では、参加者一人一人からどのようなテーマを自分は取り上げたいのかを話してもらいます。必ずしもはっきりとテーマを決めていなくても構いませんが、自分が何に関心があるのかぐらいは考えておいて下さい。ともかく、教師とのやりとりを通じてそれぞれのテーマを絞っていきましょう。

テーマがはっきりと決まった人にはこの後すぐに、自分がこれから1年(実際には9ヶ月ほどしかありませんが)かけて読む文献を探す作業に入ってもらいます。どのようにして探し出すのかその方法についてはこの日の授業で説明します。

参加者全員が自分の読む文献を決めるのには5月一杯かかるでしょう。それまでの間、授業では研究動向に関するサーベイ論文、書評論文を全員で読みます。サーベイ論文とは、あるテーマについてこれまでどのような研究が行われてきたのかを概観した論文です。このサーベイ論文を読むことで、これまでの研究の大きな流れを把握できると同時に、どのような研究者のどのような論文、著書が重要であるかも分かります。そこで高く評価されている文献が、自分がこれから読む文献の有力候補だというわけです。

全員の文献が確定したら、今度は順番にこれを読んでいきます。その場合、ゼミの参加者は2種類の文献を並行して読むことになります。1つは自分が1年かけて読む本です。これは自分1人でコンスタントに読み続けていきます。もう1つは、ゼミの他の参加者が読む文献です。

そのために、毎回の授業は次のように進めます。授業は参加者の発表が中心となります。すなわち、その日の担当者となった人が発表し、その後、発表をめぐって全員で討論します。最後に教師がコメントして締めくくりとなります。

発表は、その日の担当者が選んだ文献の一部(章あるいは節)についてです。担当者となる人は事前に(1週間前のゼミの日がいいでしょう)その部分をコピーして参加者全員に配布しておきます。次の週までに参加者は全員これを読んでこなければなりません。ゼミ当日、発表者は資料を用意し、これをもとに発表を行います。

発表者は以下のような資料を用意してください。

1.重要であると思った文(文章)をそのまま引用する。

2.その日本語訳をつける。

3.なぜその文(文章)が重要であると思ったのか、コメントをつける。

4.論文の概要を図式化した概念図。

また他のメンバーはそれぞれ、概念図を用意してきてください。

発表の担当者は毎回交代しますから、ゼミ参加者は毎回異なった本を(その一部とはいえ)読むことになります。こうして自分の選んだテーマについてじっくりと1冊の本を読むと同時に、他の人が選んださまざまなテーマに関する本も読むことになるわけです。

そうこうするうちに夏休みに入ります。夏休みは大きな勝負所だとしっかり認識しておいて下さい。まだまだ時間があると思っているうちに気がついたら最終論文提出日が目前に迫っていた、というのはこれまで多くのゼミ生が経験してきたことです。ですから夏休みに、選んだ本の半分以上を読み上げるつもりでいて下さい。

それを可能とするためにも、夏休み中に(おそらく9月)合宿を行います。合宿では書評原稿の第1稿を全員で検討します。つまり合宿の数日前までに、参加者は全員、最終目標となる書評論文の最初の原稿を書き、それをメールなどの方法で他の参加者に送信、配布しておきます。参加者は合宿までにそれを読んでおくわけです。

本の半分しか読んでいないのに、第1稿とはいえなぜ書けるのか。それについては書評論文の書き方のページを見て下さい。

夏休みがあけ、2学期に入ると、毎回担当者が発表する作業をふたたび続けます。そして年末までには選んだ本を読み上げ、書評論文の最終稿執筆に入り、2月初めまでに完成させて提出、という運びになります。提出した書評論文は他の参加者にも配布し、全員が全員の論文を読んだ上で2月末頃に発表会(ないしは合宿)を行います。そしてそのあと、打ち上げ、というわけです。