リーズ大学:原田走一郎(日本課程日本語専攻3年)

■リーズ大学:原田走一郎(日本課程日本語専攻3年)

私は2003年夏より十ヶ月ほど、リーズ大学に交換留学生として留学しました。
その体験記を書きたいと思います。

渡英し、まず学部が始まる前の語学研修に参加しました。
午前中だけ授業であとは自由といった日々で、
負担が少なく、すんなりリーズでの生活や現地の英語に慣れることができたと思います。
しかし、授業に関しては時間も短く、内容もそんなに難しくなく、
少々物足りない気はしました。ただ、私はあの期間なしで
突然学部に入っていたら大変だっただろうな、と思います。

そして学部に入り、中国語、ビジネス英語、言語学、日本事情、の講義を受けました。
中国語の授業はかなり進むのがはやく、イングランドにいったのに、
英語より中国語のほうをより勉強している、という状況が少しの期間ありました。
週に9コマも授業があり、その中で復習などをしてくれるのですが、中国語の授業はなかなか大変でした。

ビジネス英語のクラスは英語母語話者ではない人向けの授業で、クラスが10人くらいの
少人数制でした。内容はあくまで英語の授業で、ビジネスに関することはあまりありませんでした。
言語学の授業は一年生がとる授業をとったのですが、
言語学の各分野の基礎を網羅しているといった感じのものでした。
週に一回、先生と少人数のグループで講義ではなく、
ゼミのような形式で問題を解いたりするチュートリアルの時間があって、それも理解の助けになりました。

日本事情の授業は、日本の歴史が主な内容だったように記憶していますが、
ところどころで海外から見た日本の特異性のようなものが発見できました。

講義についてはこれくらいにして、リーズでの生活について少し書きたいと思います。
リーズは決して大きな街ではありませんが、大学から街の中心まで歩いていけるくらいの距離で、
非常に便利のいいところだと思います。私が入った寮(Leodis Flats)からは大学も近く、
また街の中心へもそう遠くなく、便利でした。建物自体も新しく、快適だったと思います。

ただ、周辺の治安がよくないのが、難点でした。
私自身は何の被害にもあいませんでしたが、私の寮のあたりで、ものを奪われたなど
という話を何度か聞きました。治安の悪さは留学を通して最も困ったことでした。
冬になると日が暮れるのがはやいため、必然的に暗くなってからのわりと不安な帰路でした。
ただ、大学が提供しているバスに乗ることも出来るので、治安の悪さに対しては
気をつけていればなんとか対応できました。

このように、日本とは違った環境で生活し、得たものは多いと思います。
そのなかでも、最も大きかったことはいろいろな可能性を考えるようになったということです。
日本における常識と、イングランドにおける常識は違い、
また自分の常識とは違った常識を持つ文化で生活をすると、
日本における常識はあくまでも日本でしか通用しない、ということに気がつきます。
このようにして、自文化を相対化し、他の文化での暮らし方を覚えますが、
そこで、自文化でのやり方ともう一つの文化でのやり方しか見出せないのは少々悲しいかと思います。
今まで自分が絶対だと思っていたことが相対化されたのであれば、
どのようなことにも別の可能性がある、という風に考えられるのではないでしょうか。
このような、あらゆることに別の可能性を求める、という考え方を私は留学を通して得たと思います。

私自身、今回の留学を通して大きく成長したという風に感じております。
このような機会が与えられたことに感謝したいと思います。