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2006年度時間割

2006年度時間割
1時限目                                
2時限目       言語基礎論
(大学院博士後期課程)
一般言語学研究
(大学院博士前期課程)
3時限目         オフィスアワー
12:30 〜 14:30
言語学特殊研究
(学部)
4時限目   言語学基礎
(学部)
     言語学(演習)
(学部)
           
5時限目         言語学(卒論演習)
(学部)

2006年度開講授業概要

外国語学部 大学院(博士前期課程・博士前期課程)

外国語学部

言語学基礎/現代言語学の基本概念(火・4限)

系: 言語・情報系
授業科目名:
 言語学基礎
授業題目名: 現代言語学の基本概念
曜日・時限: 火・4限
開講学期: 通年

授業の目標:
 20世紀は人文科学研究が厳密な方法論をもって人間と社会・文化についての認識を新たにしたが、その学問的モデルは言語学に求められた。人間の認知とコミュニケーションは基本的には言語(音声・文字)に依存し、言語に制約されている。思考・認識・表現・伝達の可能性を考えるためには、言語の研究が出発点となるであろう。
 本講義では、現代の言語研究100年の軌跡をたどりつつ、言語学の道標となった主な基本概念とその提唱者の理論的背景を紹介し、現代的意義を考える。間口の広い言語学概論というより、主要な20世紀言語学思想の根拠を批判的に検討してゆく。
授業の内容・計画:
 年間の授業内容は以下の通り。
1.現代人文科学の方法論的基盤を築いたFerdinand de Saussureの言語理論、特に記号の概念、体系の概念を原資料に基づいて考察する。
2.構造主義の成立: プラーグ学派とアメリカ構造主義
3.機能主義言語学の発展
4.生成文法の理念と目標
5.語用論と談話分析
6.言語類型論の現在
7.テクスト言語学と語りの記号学
成績評価の方法:
 授業への参加・討論、及び提出されるレポート、期末試験などをもとに総合的に評価する。
受講上の注意:
 受講者の所属や専攻語は問わない。言語・情報系以外の受講者も歓迎する。
教科書・参考書:
 授業中に参考書などは指示する。補充教材などは適宜配布する。

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言語学/コミュニケーションの言語学(木・4限)

系: 言語情報科学系
授業科目名:
 言語学
区: 演習
授業題目名: コミュニケーションの言語学
曜日・時限: 木・4限
開講学期: 通年

授業の目標:
 基本的コミュニケーションのメディアとして人間は言語(音声・文字)を獲得し、その記号的機能により有限の単位で無限の意味を産出することができた。世界の諸言語にみられる多様な表層構造の根底に共通する一般的な言語特徴をコミュニケーションという観点から再考する。また同時に、狭い意味の言語構造の分析ではなく、場面・文脈・発話意味・社会的関係を含めた言語的伝達機能の理解を深める。受講者の専攻語・研究言語などの接点に焦点をあてて対照研究することにより、言語一般、あるいは個別言語のより有機的な理解をめざしたい。

授業の内容・計画:
 言語が伝達の手段として持つ可能性と限界を、多様なコミュニケーションの現場から観察する。受講者の学習している言語と関心分野に応じて、いくつかのテーマに絞り共同研究する。非西欧諸語を専攻とする受講者にも共通性のある言語の一般的特質を探求する。
 主なテーマは以下の通り(順不同):

○前期:
 文の構造と発話の視点、テーマ(旧情報)とレーマ(新情報)、トピック(話題)とフォーカス(焦点)、論理的意味役割と格関係、等。

○後期:
 テクスト・談話の構造、場面・文脈・発話意図、モダリティーと態、社会的関係の反映、等。

 例年、大学院生や研究生も加わり、レポート作成やデータ収集・コーパス作成のための実際的な指導を行なっている。

成績評価の方法:
 授業への参加・討論・研究発表、及び提出されるレポートなどをもとに総合的に評価する。
受講上の注意:
 受講者の専攻語は問わない。ただし、「言語学」(講義)の既修または同時履修が前提となる。その他の言語学・音声学系専修科目の履修も望ましい。
教材・参考書等:
 授業中に参考書などは指示する。補充教材などは適宜配布する。

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言語学/言語学卒業論文演習(木・5限)

系: 個別言語学系
授業科目名:
 卒業論文演習
授業題目名: 言語学卒論演習
区: 卒演
曜日・時限: 木・5限
開講学期: 一学期、二学期

授業の目標:
 言語学・言語研究の分野で卒論・卒研執筆希望者の研究テーマに応じた基本文献の購読と討論を通して、コトバの伝達機能とメカニズムについて考察を深め、年間を通じて卒業論文・卒業研究のための全般的な指導をする。

授業の内容・計画:
 受講者の執筆計画と関心分野に応じて、基本文献の購読と研究発表によるグループ学習を重視している。大学院生やティーチング・アシスタントの指導があり、また学外からも自由参加して討論形式で多岐にわたる共同研究をしている。ゼミでは各自の研究テーマに沿った自主的な研究が推奨されるが、これまでの研究テーマの例をあげると:

 「主題化、焦点化に関する類型論的研究」
 「新語創造と受容プロセスの研究」
 「現代日本語における語短縮規則の分析」
 「テンス・アスペクトなどの通言語的対照的研究」
 「日本人フランス語学習者の誤用研究」
 「オノマトペ表現の通言語的対照研究」
 「ストリートの韓国語(ソウルの若者言葉の研究)」 など

 ゼミには例年、大学院生(修士・博士課程)や研究生・留学生も加わり、上記以外のテーマについても共通課題としてとりあげることがある。レポートや卒論・卒研の作成にはワード形式の言語学ゼミの標準テンプレートを配布するが、大学院生(修士・博士課程)のTAによるレポート作成やデータ収集・コーパス作成のための実際的な指導を行なっている。

成績評価の方法:
 授業への参加・討論・研究発表、及び提出されるレポートなどをもとに総合的に評価する。

受講上の注意:
 「言語学」(講義)の既修、「言語学」(演習)の既修または同時履修が前提となる。その他の言語学・音声学系専修科目の履修も望ましい。

教科書・参考書:
 研究テーマに沿った参考文献・参考資料などは授業中及びオフィスアワーなどの指導において適宜指示する。

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言語学特殊研究/スイス・ロマンシュ語概説(金・3限)

系: 言語情報科学系
授業科目名:
 言語学特殊研究
授業題目名: スイス・ロマンシュ語概説
区: 講義
曜日・時限: 金・3限
開講学期: 通年

授業の目標:
 スイスの高原地帯で話されるロマンス系の言語ロマンシュ語は言語人口5万人にみたない危機に瀕する言語であるが、スイスでは第四番目の公用語として様々な取り組みにより言語文化復興のための様々な取り組みがなされている。この少数民族言語のもつ言語構造の特性について学ぶとともに、ヨーロッパにおける少数者の言語をとりまく歴史文化的状況を理解し、多言語国家スイスの言語政策、EUの言語政策を考える。

授業の内容・計画:
 年間およそ以下のような内容で講義する。(順序は若干変更することがある)

1. スイスの歴史と言語状況
2. 言語形成史の概観: ラテン語から現代語まで
3. スイス・ロマンシュ語の言語的特質、他のロマンシュ諸語との関係など
4. 類型論的特徴: 音声、語彙、文法構造など
5. 言語接触と言語干渉の観察(ロマンシュ語/ドイツ語/イタリア語)
6. 言語テクストの分析(詩、民話、小説、新聞、ネット記事など)
7. 人工言語、共通文章ロマンシュ語(Rumantsch Grishun)の実験
8. スイスの言語政策とEUの言語政策の研究

成績評価の方法:
 授業への参加・研究発表、及びレポートなどにより総合評価する。

受講上の注意:
 言語政策、言語教育政策や少数言語の現在に関心があれば、専攻語を問わず、また言語・情報コース以外の参加者も歓迎する。

教材・参考書等:

 参考文献・参考資料などは授業中に適宜指示する。

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大学院(博士前期課程・博士後期課程)

一般言語学研究(金・2限)

コース: 言語・情報学研究
区分:
 超域研究系
授業科目:
 一般言語学研究
開講学期:
 1学期、2学期
曜日・時限:
 金・2限

授業の目標・内容・計画:

 20世紀の主要な構造主義的あるいは生成文法的な観点からの言語理論では、分析対象としては文以上のレベルを排除あるいは回避して研究対象を限定してきた。しかしながら、談話・テクストの枠組みを考慮に入れなければ下位レベルの言語単位の機能・価値は同定できないであろう。本講では、言語学・文献学・文学研究の交叉する原点であるテクスト構造の分析に理論と実践の両側面から取り組んでゆきたい。文学テクストや物語論の分野など言語学専攻以外の受講者も歓迎する。

(前期)
・前期では、現代人文科学の方法論的基礎を築いた言語学者Ferdinand de Saussureの言語理論、特に記号の概念、体系の概念を原資料に基づいて再検討する。
・構造主義的方法の成果を現時点で検証しつつ、最近のテクスト言語学の動向を学ぶとともに具体的研究への準備をする。
・考察対象とする記号単位を文以上のレベルに求め、場面支持的標識の分析を手がかりに、テクスト/ディスクールを発話機能の観点から分析する方法を身につける。
・最新のテクスト言語学の成果を取り入れつつ、具体的な分析対象を日常言語から民話・物語テクストまで広げ、言語学的手法と文学研究の橋渡しをしてゆきたい。

(後期)
・後期では前期で学んだソシュールの言語理論、テクスト言語学の成果を基礎に、参加者各自が設定した研究対象を具体的なケーススタディーとして討論してゆく。
・H. Weinrich, D. Maingueneauらによるテクスト言語学の手法により多様な素材のテクスト分析を試み、テクストを構成する文法標識の分析から語り・テクスト分析への展開を図る。

成績評価の方法:
 授業への参加、及びレポート・研究発表にもとづく評価をする。

受講上の注意:
 討論や発表などでの授業への積極的な参加を期待している。

教材・参考書等:
 参考文献・資料は授業中に適宜指示する。

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言語基礎論(木・2限)

授業科目名: 言語基礎論
曜日・時限: 木・2限
開講学期: 通年

授業の目標:

 20世紀言語学はソシュールの提唱した言語思想を様々な方向で批判あるいは継承し、人間的な現象の根底にある潜在的構造を解明しようとしてきた。しかしながら、20世紀言語学はコトバの重要な側面の多くを排除・割愛してきたともいえる。本講義ではとくに、発話行為、談話・状況のコンテクスト、モダリティー、ヴォイス、などを取り上げて、統合的な新たな言語理論の構築をめざす。

授業の内容・計画:
・20世紀の言語学説の古典的著作、なかでもJerspersen, Jakobson, Sapir, Benveniste, Halliday, Roy Harrisなどを読み解くことで、その思索をたどることで、いわゆる構造主義言語学の功罪を再検証する。
・昨年度に引き続き、機能主義言語学、記述言語学、類型論、語用論、テクスト言語学などの領域で、言語研究の可能性を考える。
・受講者の研究分野と関連のある著作をとり上げて、各自の研究テーマとの関わりを考えるので、言語学専攻以外の受講者も歓迎する。

成績評価の方法:
 授業への参加、及びレポート・研究発表にもとづく評価をする。

受講上の注意:
 討論や発表などでの授業への積極的な参加を期待している。

教科書・参考書:
 参考文献・資料は授業中に適宜指示する。

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