活動報告

Activity Reports

センターの活動報告です

社会言語部門主催 講演会「言語喪失と言語学の反応――琉球諸島のケース」

講演者:パトリック・ハインリッヒ氏(獨協大学准教授)
日時:2011年1月28日(金) 18:15~19:45
会場:東京外国語大学府中キャンパス 本部管理棟2階中会議室

 社会言語部門主催では1月28日、パトリック・ハインリッヒ氏を招き「言語喪失と言語学の反応――琉球諸島のケース」のタイトルで講演会を開催した。当日は30余名の出席者があった。

 パトリック氏は2009年、琉球大学に研究員として在籍、滞在中に南西諸島全域にわたってフィールドワークを行っている。 本講演では、言語状況や人々の言語意識の調査、言語使用の状況、伝承への課題といった、琉球諸語におこっている問題についての具体的な事例を丁寧に挙げ、これらが、琉球諸語の近い将来における「喪失」の危機を示していることが報告された。国語学、方言学が伝統的に、琉球諸語を日本語の「方言」としてきたことには、言語学的な根拠はほとんどなく、もっぱら政治的な判断であり、自明なこととされてきたこの枠組みへの疑問も強調された。歴史的な背景にも触れつつ、琉球諸島の諸言語の現状に、言語学・社会言語学はどう向き合い、なにをするべきか、これまで積極的な「介入」をしてこなかった言語学・社会言語学の役割を含めての提題に、フロアからも多くの質問やコメントが寄せられた。

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