活動報告

Activity Reports

センターの活動報告です

国際日本研究センター主催 第2回若手研究者ワークショップ「台湾に渡った日本語の現在-リンガフランカとしての姿-」

報告者:簡月真氏(東京大学特別研究員・台湾国立東華大学副教授)
日時:2010年12月17日(金)18:00~19:30
会場:東京外国語大学府中キャンパス、本部管理棟2階・中会議室

 12月17日に第二回若手研究者ワークショップを開催しました。報告者は簡月真氏(台湾国立東華大学副教授)、報告のタイトルは「台湾に渡った日本語の現在--リンガフランカとしての姿」でした。統治期に持ち込まれた日本語が、「日本語世代」とよばれる高齢者の間で、リンガ・フランカ~地域共通語~として使われることがあることは知られていましたが、その実態や言語運用の詳細は、研究が少ないままでした。簡氏が言及したように、日本語の存在は、特に国民党独裁時代には「忌むべきもの」であり、触れにくいものでした。このような研究を「植民地主義的だ」と批判する人はいまもいますが、そのような歴史的背景を踏まえてもなお、研究すべき対象だと考えた簡氏の、フィールドワークの成果とその分析が、時間いっぱい語られました。40名近い参加者からも、数多くの質問が寄せられ、活発な議論が繰り広げられました。本来台湾の日本語にあった西日本、特に九州方言の強い影響だけでなく、時間をかけて文法化、合理化されていった様々な特徴は、独自のものだといえます。こういった変化はまた、日本語のこれからの変化を先取りしたものである可能性も示され、日本語の多様性は、日本国内の日本語だけが担うものではないこともまた強調されました。建設的な批判も含めた議論は、報告者、参加者双方にとって、有意義なものであったといえます。

研究会の 写真 (スライドショーでご覧いただけます)

研究会の 資料 (PDFファイル)

研究会の ポスター (PDFファイル)

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