講演者:ウェスリー・M・ヤコブセン氏(ハーバード大学)
日時:2010年12月7日(火)14:40~16:20 (講演)、16:30~17:20 (談話会)
会場:東京外国語大学府中キャンパス
(講演)アゴラグローバル プロメテウスホール
(談話会)本部管理棟2階中会議室
(使用言語)英語、日本語通訳あり
内容は、主に学部生に向けた日本語と英語の言語構造についてであり、留学生をはじめ、市民聴講生、教員など、70名以上の参加者が集まりました。発表要旨:日本語学習においては、3つの言語構造(Argument structure(項構造), Information structure(情報構造), Immediate Constituent Structure(樹形図))に注意を払うことが、複雑な言語構造を理解する上で役に立つ。動詞は、一項動詞(「走る」)、二項動詞(「食べる」)、三項動詞(「あげる」)のように項の数が異なり、複文や使役など構文が変わることにより、出現に異なりが見られる。また、情報構造の観点から見ると、日本語の助詞「ハ」は旧情報、「ガ」は新情報を示している。さらに、文の樹形図を描くことで、単なる単語の左右の羅列としてではなく語と語の上下関係を捉えることができる。上記3つの観点から言語の類型化が可能であり、日本語が決して特別な言語とは言えないことがわかる