LUNCHEON LINGUISTICS
要旨
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2016(平成28)年
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2008(平成20)年
2008年12月17日
「日本語学会 2008年度秋季大会報告」
  川村 大(外国語学部准教授/日本語学)
 岩手大学において11月2・3日の両日行われた日本語学会2008年度秋季大会について報告した。概況を報告した後、2日目の口頭発表から朴秀娟氏「否定とも肯定とも共起する副詞『とても』について」、深津周太氏「指示詞『コレ』の感動詞化」の2件を取り上げ、やや詳しく紹介した。

2008年12月10日
「日本言語学会 第137回大会報告」
  風間 伸次郎(外国語学部教授/ツングース諸語・言語学)
 金沢大学で11月29・30日に行われた137回大会について報告した。1日目の「保安語積石山方言における存在の助動詞vi/vuについて」(佐藤暢治氏)や「シベ語の語りにおける補助動詞biの機能と視点」(児倉徳和氏)の研究発表および2日目の公開講演「朝鮮漢字音アクセントの歴史的発展と類推変化」(伊藤智ゆき氏)、「フィリピン言語学の現在」(北野浩章氏)に関して、報告者が概略を紹介した。

2008年12月3日
「現代ビルマ語の指示体系について」
  岡野 賢二(外国語学部准教授/ビルマ語学)
 現代ビルマ語の指示語の語類は指示機能のみを持つ名詞限定要素の指示詞、モノ名詞の代替表現であるモノ指示名詞、位置名詞の代替表現の位置指示名詞に分類される。また基本形に近称dìと遠称hòがあり、これに間投詞に語源を持つ接頭辞hÓ-と'É-が付加されて《視界内》、《前方照応》と意味が限定されること、'É-hÓが前方照応ながら、指示対象に対する話し手の距離的心理的な隔絶感を伴うことを主張した。

2008年11月26日
「モンゴル語の補助動詞構造《-CVB ög-》について」
  スチンガルラ(博士後期課程)
 本発表では、電子コーパスから実例を収集し、《V-CVB ög-》構造が、授受的意味を表す場合とアスペクト的意味を表す場合の条件を明らかにした。結果としては、《V-CVB ög-》構造が授受的意味を表すかアスペクト的意味を表すかは、本動詞の意志性、本動詞に後続する副動詞接尾辞、及び《ög-》に後続する肯定・否定表現、接尾辞などの各要素と深く関わっていることを主張した。

2008年11月12日
「モンゴル語の動詞語尾-laaと-jeeについて ― コーパスに基づく分析」
  ジンガン(博士後期課程)
 本発表では、モンゴル語のいわゆる過去テンスを示す動詞語尾-laa、-jee、-san、-vのうち、-laaと-jeeの意味・機能を再検討した。電子コーパス(総語数1,005,821語)を用いて実例を収集し、分析した結果、動詞語尾-laaと-jeeの選択は、語彙・統語論レベルを超え、話し手(=書き手)が出来事の現実性に重点を置いて語るか、出来事の結果に重点を置いて語るかという意図による語用論的選択であることを、実例を示しながら主張した。

2008年11月5日
「日本語文法学会 第9回大会報告(於:甲南大学)」
  佐藤 雄亮(博士後期課程)
 甲南大学にて10月18日、19日に開催された大会内容を報告した。まず初日のシンポジウム「ダイクシス」の中から田窪行則氏、日高水穂氏の発表内容を、次に二日目のパネルセッション「『聞き手の知識』再考―日本語の文末形式の機能をめぐって―」におけるワンプラディット・アパサラ・キク氏、中田一志氏、江口正氏の各発表について、その概略を紹介した。

2008年10月29日
「第22回社会言語科学会研究大会報告」
  スリ・ブディ・レスタリ(博士後期課程)
 豊橋市の愛知大学で行われた22回の大会について報告した。口頭発表とポスター発表で計52の発表から1日目と2日目の口頭発表を1つずつ紹介した。なお、「フィールド言語学から日本の社会言語学研究を考えよう」と「言語政策研究の重要性について ―日本語教育の観点から―」のワークショップのうち、前者の内容についても詳しく報告した。

2008年10月22日
「日本語の「Vしていく」形式について ― いわゆる「アスペクト」用法の再検討」
  中山 健一(博士後期課程)
 シナリオを含む書かれた言語資料16点より、「Vしていく」の実例を1006例収集し、分析を行った。その結果、「Vしていく」の意味を次のように分類した。1. 漸次的進行+何らかの累加性、1-1. 主体の変化の漸次的進行、および、その累加性、1-2. 主体動作・客体変化の漸次的進行、および、その累加性、1-3. 多回的な動作の漸次的進行、および、その累加性、2. 複数の手順で成立する動作過程、3. 人生における状態の維持。

2008年10月15日
「認知言語学の最新の動向 ― 日本認知言語学会 第9回全国大会報告」
  三宅 登之(外国語学部教授/中国語学)
 2008年9月13日(土)・14日(日)の2日間にわたり名古屋大学で開催された、日本認知言語学会第9回全国大会について報告した。個別の研究発表の中でいくつか注目すべきものを、それらを聴いての発表者の意見とともに紹介した。また、2日目のシンポジウムにおける、生成文法の立場からの認知言語学のパラダイムに対する意見ついても紹介を行った。併せて、多くの研究発表で言及のあった文献を中心に、近年の認知言語学の動向を紹介した。

2008年7月9日
「ティディム・チン語の疑問助詞」
  大塚 行誠(日本学術振興会特別研究員/東京大学大学院 人文社会研究科 言語動態学研究室博士課程)
 ティディム・チン語はミャンマーで話されるチベット・ビルマ語派チン語支の一言語である。東・東南アジアの諸言語には疑問を示す標識を文末に用いて疑問文を形成する言語が多い。ティディム・チン語は、真偽疑問であるか疑問詞疑問であるかによって異なる形式を用いるタイプに属する。ティディム・チン語は、さらに人称助詞の現れ方にも違いが現れるという点で、他のチベット・ビルマ系諸言語と異なっている。

2008年7月2日
「スロヴェニア言語・文化シンポジウムの報告」
  山本 真司(外国語学部准教授/イタリア語学)
 カルニオーラの宗教改革者プリモシュ・トゥルーバルは、スロヴェニア語で最初の書籍を執筆・出版したことで知られ、スロヴェニア語文学の祖とされている。2008年は彼の生誕500周年であり、また、スロヴェニア共和国がEUの議長国を勤める年にも当たる。この両方の出来事を記念して、日本にいる日本人・スロヴェニア人のスロヴェニア文化研究者が集まってシンポジウムを行なった。

2008年6月25日
「日本言語学会 第136回大会報告」
  風間 伸次郎(外国語学部教授/ツングース諸語・言語学)
 学習院大学で6月21・22日に行われた136回大会について報告した。1日目の「サハ語(ヤクート語)の二重格構文」(江畑冬生氏)の研究発表およびワークショップ 「言語の構造的多様性のなかでの品詞分類 」や、2日目のシンポジウム「形態論と隣接分野」に関して、報告者が概略を紹介した。

2008年6月18日
「スライアモン・セイリッシュ語の品詞分類について」
  渡辺 己(アジア・アフリカ言語文化研究所准教授/セイリッシュ諸語(北米インディアン))
 スライアモン・セイリッシュ語では、複数や使役など、ほとんどの形態法がほとんど全ての語根に適用される。こうした状況から、この言語ならびに同語族の他の言語、および近隣の言語では、「動詞と名詞の区別がない」と言われてきた。しかし所有やアスペクトの形態法では共起する語根と共起しない語根に分かれることから、名詞と動詞の区別を認めるべきであることを論じた。

2008年6月11日
「日本ロマンス語学会 第46回大会報告」
  山本 真司(外国語学部准教授/イタリア語学)
 2008年5月17日(土)~18日(日) 、会場は 東京大学 (本郷キャンパス) 、「ロマンス諸語における言語接触統一テーマ: ロマンス諸語における言語接触」を統一テーマとして行なわれた。ポルトガル=スペイン国境地域のミランダ語、バルカン言語同盟との関連でよく引用される南イタリアにおける「不定詞の消失」の現象、イタリア北東部国境地域におけるロマンス語=スロヴェニア語の言語接触、ドイツ語との接触がしばしば問題となるスイス・ロマンシュ語のケース、ルーマニア語に対するスラヴ語の影響、などが取り上げられた。

2008年6月4日
「日本語学会 2008年度春季大会報告」
  川村 大(外国語学部准教授/日本語学)
 日本大学文理学部において5月17・18日の両日行われた日本語学会2008年度春季大会について報告した。概況を報告した後、1日目のシンポジウム(3会場)から「日本語の条件表現 ―体系と多様性をめぐって―」(パネリスト:坂原茂・有田節子・小林賢次・三井はるみ、司会:前田直子)を、また2日目の口頭発表から福嶋健伸氏「中世末期日本語の~ウ・~ウズ(ル)の分布について」をそれぞれ取り上げて、やや詳しく報告した。そのほか、いくつかの口頭発表・デモンストレーションについて、そのあらましを紹介した。

2008年5月21日
「CHULA-JAPAN LINGUISTICS SYMPOSIUM (MAY 1-2, 2008 Chulalongkorn University, Bangkok)の報告」
  スリ・ブディ・レスタリ(博士後期課程)
 2008年5月1・2にタイのバンコクにあるチュラロンコーン大学で日本とタイの言語学研究者による発表大会が開かれた。この発表では、概況の説明の他、口頭発表3件(千葉大学の田口善久氏“Reduplication in Biau-min”とタイ語の動詞連続についての発表2つ)とポスター発表1件(明海大学の内海敦子氏“The Deictic System of The Bantik Language”)をまとめて報告した。

2008年5月14日
「チベット語アムド方言の言語調査」
  海老原 志穂(清泉女子大学/チベット語)
 チベット語アムド方言はチベット語の三大方言の一つで、青海省を中心に話されている。他の方言と比べると、音韻面では声調がなく、他方子音連続が多いことが特徴である。今回は調査報告として、馬やヤクなどの家畜の呼び名について報告した。雌雄、年齢、体や頭の色、ヤクでは特に角の有無や形状、などによって、さまざまな呼びワケがなされている。

2008年4月30日
「モンゴル語ナイマン方言の文法的特徴について」
  ウ・ムングンゲレル(東京電機大学研究員/本学博士学位取得者)
 ナイマン方言は中国内モンゴル自治区の東南部に位置し、バーリン方言やホルチン方言の下位方言とされてきた。ここでは、人称代名詞、複数語尾などについて隣接諸方言との差異を指摘した。さらに隣接諸方言には見られない、「即時の連用表現」、「譲歩の連用表現」、「独自の後置詞的表現」、などを紹介した。

2008年4月23日
「手話言語学に於ける間言語的研究と国際協力ワークショップ(平成20年2月9-10日、於:中央ランカシャー大学)報告」
  箕浦 信勝(外国語学部准教授/言語学)
 2008年2月9日、10日、英国プレストンの中央ランカシャー大学における「手話言語学における通言語的研究と国際協力」国際会議に出席。国規模で使われる手話言語ではなく、ろう者人口がなんらかの理由で多い「村」で自然発生する「村手話」や、多数派手話言語に圧迫され絶滅の危機にさらされる少数派手話言語に焦点が当てられた。

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