LUNCHEON LINGUISTICS
要旨
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2007年12月12日
「チベット語の存在動詞とその助動詞化」
  星 泉(アジア・アフリカ言語文化研究所准教授/チベット語)
 本発表ではチベット語の文末に現れるコピュラ動詞、存在動詞やその文法化した形式に注目し、それらの動詞選択のあり方を見ながら、それぞれの意味を考察した。さらにコピュラ動詞と存在動詞のチベット語諸方言での実態を見ながら、歴史的観点からの考察を行った。

2007年12月5日
「日本言語学会第135回大会報告」
  風間 伸次郎(外国語学部言語・情報講座准教授/ツングース諸語・言語学)
 信州大学で11月24・25日に行われた135回大会について報告した。1日目の「シダーマ語の格システム」(河内一博氏)、「琉球語のクリティック-伊良部島方言の記述から-」(下地理則氏)、「カドリ語における重複的構造」(稲垣和也氏)、などの研究発表および2日目の公開講演「方言文法研究の動向と展望」(渋谷勝己氏)に関して、報告者が概略を紹介した。

2007年11月28日
「日本語学会2007年度秋季大会報告」
  川村 大(外国語学部言語・情報講座准教授/国語学)
 沖縄国際大学において11月17・18日の両日行われた日本語学会2007年度秋季大会について報告した。概況を報告した後、2日目の口頭発表から安本真弓氏「中古における感情形容詞と感情動詞の対応とその要因」・川瀬卓氏「副詞『そろそろ』の史的変遷」を取り上げてやや詳しく紹介した。そのほか、ポスター発表・デモンストレーションのうちのいくつかについて、そのあらましを紹介した。

2007年11月14日
「日本イスパニヤ学会第53回大会報告」
  川上 茂信(外国語学部言語・情報講座准教授/スペイン語学)
 清泉女子大学で10月27・28日に行われた53回大会について報告した。「動詞迂言句 llegar a を前件とする反事実的条件文について」(和佐敦子氏)に関して、報告者が概略を紹介した。これは動詞迂言句 llegar aがなぜ直説法現在で使用されるかについて、その談話文脈などから説明を試みたものである。

2007年11月7日
「日本語文法学会第8回大会報告」
  佐藤 雄亮(博士後期課程)
 筑波大学にて10月27日、28日に開催された大会内容を報告した。初日に行われたシンポジウム「とりたて研究の可能性」の内容を報告し、二日目の研究発表から 「連体修飾節と主節の時間的関係について 」(大島資生)、 「理由節における因果関係の偶然性-分裂文となりにくい「PからQ」を中心に- 」(有田可奈子)、 「日本語授受表現の史的展開 」(森勇太)について、その概略を紹介した。

2007年10月31日
「ブルシャスキー語の反響語」
  吉岡 乾(博士後期課程)
 ブルシャスキー語には、chil mil「水か何か」<chil「水」などといった、音形の一部に変化を加えつつ重複させる形態操作がある。これは通言語的に反響語と呼ばれるものである。本発表ではブルシャスキー語の反響語が、名詞の多数化・曖昧化や、形容詞・副詞の意味強化といった機能を果たすことを指摘した。また、反響語に多く用いられる要素が唇音であることを示し、幼児の発話を連想させる点にその動機がある可能性を述べた。

2007年10月24日
「クマム語(西ナイル語)のリズムについて」
  稗田 乃(アジア・アフリカ言語文化研究所教授/アフリカ言語学)
 クマム語は西ナイル語の南ルォ下位方言に属する言語である。この言語の長母音はいかなる環境でも常に長く発音される。他方、短母音はリズムによる制約の条件下で音声的に長く発音される。音韻的な長母音は、クマム語では形態音韻的な過程を経て派生されるものである。

2007年10月17日
「認知言語学の最新の動向 -日本認知言語学会第8回全国大会報告」
  三宅 登之(外国語学部言語・情報講座准教授/中国語学)
 2007年9月22日(土)~23日(日)に成蹊大学で開催された、日本認知言語学会第8回全国大会の報告を行った。報告においては、概念構造や主観性の問題など、個別の認知言語学のトピックについての研究発表をいくつか紹介することを通じて、認知言語学の最新の動向について述べた。

2007年10月10日
「アリュートル語の所有形」
  永山 ゆかり(アジア・アフリカ言語文化研究所非常勤研究員/記述言語学、アリュートル語 (ロシア極東))
 チュクチ・カムチャッカ語族の所有形については譲渡可能性の点から論じられていた。例えばチュクチ語では、譲渡可能ならば-kin、譲渡不可能ならば-inを使うとされる。アリュートル語の名詞の所有形には-in, -nin, -tγin, -kinがあるが、これらの使い分けは所有者をあらわす名詞語幹の性質(普通名詞か、人名か、場所を表わす名詞か)によって決まることを示した。

2007年7月18日
「ウラル学会第34回研究大会報告」  ポスターPDF
  坂田 晴奈(博士後期課程)
 東京大学で7月7日に行われた34回大会について報告した。「北欧の二言語教育-ノルウェー・カウトケイノにおけるサーミ語教育の状況と将来-」(山川亜古)、 「エストニア語疑問/関係代名詞「kes(誰)」の指示対象について 」(中田有美)、「90年前のエストニア語の言語資料の電子化」(松村一登)などの発表に関して、報告者が概略を紹介した。

2007年7月11日
「第2回日韓中国語学国際学術研討会報告」  ポスターPDF
  張 盛開(博士後期課程)
 6月23・24日に青山大学で行われた第2回大会について報告した。「言語特徴と通訳戦略-韓中・韓日言語間EVS分析を中心に」(金恵林)「朝鮮末文字学著作<説文解字翼徴>について」(柳東春)「崔溥<漂海録>と明初方言語彙」(梁世旭・李垠貞)などの発表に関して、報告者が概略を紹介した。

2007年7月4日
「シベリア・ユピック語の受動」  ポスターPDF
  永井 佳代(アジア・アフリカ言語文化研究所非常勤研究員/記述言語学、ユピック語(シベリア))
 本発表では、次の三点を明らかにした。すなわち、(1)シベリア・ユピック語は能格型言語であるが、受動構文を持つこと、(2)受動は単文ではほとんど用いられないが、従属法動詞を用いた複文において生産的に用いられること、(3)この単文と複文における受動構文の使われ方の違いは統語的能格性と従属法動詞の性質からくる統語上の要請によること、である。

2007年6月27日
「日本ロマンス語学会第45回大会報告」  ポスターPDF
  富盛 伸夫(外国語学部言語・情報講座教授/言語学)
  山本 真司(外国語学部言語・情報講座准教授/イタリア語学)
 5月26・27日に長崎県立大学において開催された第45回大会は、第一日目に統一テーマとして「ロマンス諸語における色彩表現」をめぐるシンポジウム形式の研究発表とパネルディスカッション形式の総合討議が行われた。なかでも「形態論的に見たスペイン語の色彩表現」(寺崎英樹氏)と「『黒を一杯』-フリウリ=ヴェネツィア・ジュリア州における体験より-」(山本真司氏)を詳しく紹介した。なお開催校の荻原寛氏による「南蛮人が長崎にもたらしたもの-キリシタンの文化活動」と題する中世日本とロマンス語文化との最初の接触と土着化について興味深い特別報告があったことを付記する。

2007年6月20日
「日本言語学会第134回大会報告」  ポスターPDF
  風間 伸次郎(外国語学部言語・情報講座准教授/ツングース諸語・言語学)
 麗澤大学で6月16・17日に行われた134回大会について報告した。1日目の「チン語支テディム方言における相互・受動文の接頭辞KI-」(大塚行誠氏)の研究発表およびワークショップ 「活格性とは何か?:フィールドから見えてくる言語の多様性 Part2 」や2日目のシンポジウム「大規模コーパス研究の方法」に関して、報告者が概略を紹介した。

2007年6月13日
「On the classification of the Mongolic languages」  ポスターPDF
  ユハ・ヤンフネン(ヘルシンキ大学教授/言語学)
 本発表では、音対応、および隣接地域間における相互影響を考慮しつつ、モンゴル語諸方言の分類について論じた。分類においては、特に中国国内の諸方言に関して、Shirongolicという一群をたてていた。これはさらに三つの下位グループからなり、シラ・ユグル語、バオアン語、モングォル語を含むものである。

2007年6月6日
「日本語学会2007年度春季大会報告」  ポスターPDF
  川村 大(外国語学部言語・情報講座准教授/国語学)
 関西大学において5月26・27日の両日行なわれた日本語学会2007年度春季大会について報告した。概況を報告した後、1日目のシンポジウム「日本語の20世紀」(パネリスト:清水康行・屋名池誠・石井正彦・秋永一枝・小林隆、司会:石井正彦)の内容について詳しく報告した。そのほか、2日目の口頭発表のうちのいくつかについて、そのあらましを紹介した。

2007年5月30日
「日本方言研究会第84回研究発表会報告」  ポスターPDF
  幡 早夏(博士後期課程)
 2007年5月25日(金)に、日本方言研究会第84回研究発表会が関西大学で行われた。本発表会では、8組の発表があったが、今回は濱中誠・竹林暁氏の「言語地図の簡単で新しい作成方法-ウェブアプリケーションbunpu.jp / hougen.jp-」、日高水穂氏の「方言差を生じる言語変化の促進力と抑制力-方言差再生産のメカニズム-」を取り上げ、紹介した。

2007年5月23日
「モンゴル語の終助詞mönの機能」  ポスターPDF
  ジンガン(博士後期課程)
 先行研究において、モンゴル語の終助詞mönは断定を表わす標識、またはコピュラとされたきた。しかし肯定文はほとんどが断定という意味も含意する。さらにモンゴル語にはコピュラがないとする説も考慮する必要がある。本研究では、コーパスから実例を収集し、他の終助詞yum, siü, deとの相違点もふまえた上で、終助詞mönの意味・機能を明らかにした。

2007年5月9日
「現代日本語における『のではないか』の機能」  ポスターPDF
  佐藤 雄亮(博士後期課程)
 現代日本語で用いられる文末形式〈のではないか〉の機能が、「事情推測機能」と「帰結推測機能」の二種類に大きく分けられることを論じた。各機能はその働きの他、「~からではないか」への置き換えの可否という点で異なり、さらには「事情推測機能」の〈のではないか〉を用いて述べられる内容は、既実現の事態に偏る。これらの点を実例を確認しながら示した。

2007年5月2日
「紹介:3つの文法書 ― チャガタイ語(Bodrogligeti 2001)、古代チュルク語(Erdal 2004)、トルコ語(Göksel and Kerslake 2005)」  ポスターPDF
  菅原 睦(外国語学部言語・情報講座准教授/言語学・中期チュルク諸語)
 近年出版された以下の3つの文法書について、報告者が内容を紹介し、いくつかの文法的な問題について考察、検討を加えた。A. J. E. Bodrogligeti (2001) A Grammar of Chagatay. Lincom Europa, M. Erdal (2004) A Grammar of Old Turkic. Brill, A. Göksel and C. Kerslake (2005) A Comprehensive Grammar. Routledge.

2007年4月25日
「漢語平江方言の3人称」  ポスターPDF
  張 盛開(博士後期課程)
 本発表は漢語平江方言における2つの3人称について、口語コーパスを用いて考察し、その結果を報告した。2つの3人称の使い分けは先行研究では現場にいるかどうかという条件であると言われている。しかし発表者の考察結果では、会話に参与するかどうか、あるいは話題の中心になっているかどうかという条件で使い分けることが判明した。

2007年2月7日
「漢語方言の1人称の類型とその分布」  ポスターPDF
  張 盛開(博士後期課程)
 漢語方言地図における1人称の類型およびその分布を観察し、次のような傾向を指摘した。
・1人称単数の形式の頭子音の分布をみると、喉音のものが多く、母音はo系のものが多い。
・1人称複数排除形の頭子音も、喉音のものが広くみられ、2音節目はp系が多い。
・包括形がある地点とない地点の比率は5:1で、形式は歯音系が最も多く、次いで喉音系が多い。

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