アラビア語における数の文法

- 基数詞・序数詞の仕組みと性の問題 -

【 基数詞「３」〜「１０」 】

数詞「３」〜「１０」

数詞３〜１０は、１００とその双数・複数形、１０００とその双数・複数形、１００万などと併せて、 العدد المفرد [ al-‘adad al-mufrad ] と呼ばれます。


【数詞の「３」と「１０」をアラビア語で書くと】

数詞の「３」〜「１０」はそれぞれ以下のような形となります。 数詞「８」の語形については、別ページ『数詞についての予備知識』をご覧ください。

　

【数え方】

数詞「３」〜「９」の場合、数えられる対象となる名詞（المعدود）（al-m‘adūd）は「تمييز العدد」（tamyīz al-‘adad）（＝数の弁別） 」の仕組みによって示され、複数・属格となります。


【数詞の性と数えられる対象となる名詞の性】

数詞「３」〜「９」の場合、数詞の性と、数える対象となる名詞（المعدود）（al-m‘adūd）の性は逆になります。このようなルールを「対性の法則」といいます。

　

数詞「１０」では、数える対象となる名詞が男性名詞なら、「ش」につくのはファトハ（母音「a」） となります。一方、数える対象となる名詞が女性名詞なら、「ش」につく母音記号はスクーン（無母音） になります。

数えられる対象となる名詞に数詞の性が一致する「１１」〜「１９」の時とは違いますので、混同しないように気をつけてください。

　

数える対象となる名詞（المعدود）（al-m‘adūd）が男性 なので、数詞はター・マルブータのついた女性形になります。

　

数える対象となる名詞（المعدود）（al-m‘adūd）が女性なので、数詞はター・マルブータの無い男性形になります。


動詞と組み合わせて使う場合

文章で動詞と組み合わせて使う場合には、以下のような形になります。

　جَاءَ ثَلاَثَةُ رِجَالٍ
　３人の男たちが来た

　جَاءَتْ ثَلاَثُ بَنَاتٍ
　３人の少女たちが来た


数えられる対象となる名詞について


【男性複数と女性複数が並んでいる場合】

男性複数と女性複数が並んでいる場合、数詞の性は先立つ名詞複数の性の逆にします。

　جَاءَ سِتَّةُ تَلاَمِيذَ وَتِلْمِيذَاتٍ
　６人の男女生徒たちが来た


基数詞「３」〜「１０」では数えられる対象となる名詞が複数・属格になること、そして数詞は逆の性となることを、上の説明を通して確認しました。


【「少数を指す不規則複数」と「多数を指す不規則複数」】

数えられる対象となる名詞が不規則複数の形をとる場合、以下の点に留意します。

　

数えられる対象となる名詞に、「少数を指す不規則複数」と「多数を指す不規則複数」の両方があり、いずれも利用されている場合、数詞「３」〜「１０」と組み合わせて使うのは、「少数を指す不規則複数」の方になります。

しかし、「少数を指す不規則複数」がありながらもそれが極めてまれにしか用いられない場合は、「多数を指す不規則複数」の方を数詞「３」〜「１０」と組み合わせて使います。