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戻りつつある日常

前回、拙ブログを書いたのが9月末、ちょうど「緊急事態宣言」明けが進みつつある頃だっただろうか。10月は大学の秋学期開始で例によって忙しく、なんだかんだで過ぎていった。しかし学部の講義も対面型授業に戻したりして、少し日常のペースが戻りつつある感じである。その授業の「アクティヴ・ラーニング」の課題の一つとして指定したこともあり、先日はJ.デップが製作、主演をした映画『MINAMATA』を観てきた。これがなかなかよかった!もちろん水俣関係者からは、この映画の細部などをめぐっては、いろいろな指摘があるとも聞いている。当方も5年熊本に住んでいたし、水俣に関するドキュメンタリーの類もいくつか観たり、石牟礼道子さんの『苦海浄土』をはじめとする文献にも親しんだりして知識をもっているので、その気持ちもわからなくはない。それでもこの映画が意義深いのは、いわば「外部」から、つまり「外部者」として水俣の写真を撮ったユージン・スミスを主人公に据え、この主人公たる人物に長らく関心をもってきた海外の製作者(というか超有名な俳優さんでもある)によって彼の目線で描かれたことで、MINAMATAが異なる色合いを帯び、これまでよりも多くの人にこの歴史が届く可能性が開かれたと思われるからである。フィクションの映画にも劣らぬドラマ性、充実した演技もさることながら、作り手の熱い思いがそこここにほとばしっていて、見る者を熱くする。ありがとう、ジョニー・デップ!それにしてもユージン・スミスに驚くほど似ている!
 そしてまた今日は、昨年たまたまご縁をいただいた俳優のF田宗久さんからご連絡をいただき、彼の出演する演劇『女は泣かない』をシモキタで観てきた。これまた久しぶりの観劇で感激である(ぶっ、ごめんなさい)。性暴力を扱った重いテーマであるし、そんな原作のプロットについては、ん?なところ、ツッコミたくなるところも多々あるが、これまた役者さんたちがほんとうに生き生きと演じていて、嬉しくなった。(アフタートークもあって製作者のみなさんの思いもよくわかった。お得感!)芝居が終わって街にでると、休日のシモキタに若者たちが楽しそうにうごめいている。ああ、このまともな日常!!久しぶりにふーっと大きな息ができた。

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2021年11月 7日 23:08に投稿されたエントリーのページです。

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