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2022年5月 アーカイブ

2022年5月26日

外国人お断り

昔あるところに、男性同性愛者が相手を求めて集う館があったそうな。

同様の館はいくつかあったそうな。

1980年代に、HIVの世界的流行があって、
当初は、それは男性同性愛者の病気だと考えられていて、
いくつかの国ではそれが理由で対策が遅れたのだそうな。

ヤマトの国では、当初、それが男性同性愛者の病気だと
考えられていただけではなく、外国人の病気だと考えられていた。

そこで、新しい宿地域のとある館は、
「外国人お断り」を打ち出した。

見た目でわかる外国人だけでなく、
日本語が通じない人なども出入り禁止になったそうな。

--

時が下って現在、その館が外国人お断りを
続けているかどうかはわからない。

ただ風の噂によると、今では
「死なない病気」と言われるようになった
HIVの感染者がこぞって集まるようになったのだそうな。

で、館はどうしたかって?

当初「外国人お断り」を掲げたときも、
「外国人が入っていて、日本人客が減ったら
商売上困る」という意識で、そういう線引きをしたのであろう。

今や、感染者が集まる場所になったとしても、
商売にマイナスにはならず、むしろプラスになるので、
静観しているのであろう。

アーティスト名

パスタと言ったら、ほぼスパゲッティを指すように、
何の断りもなくアーティストと言ったら、
ほぼミュージシャンのことであるという「場」が
今の日本語の中では広まっているように思える。
それは、「学会」と言ったら、某○○学会のことと
取る人がいるのと似ている。
日本語全体での話ではないが、ある「場」では
そのようになっている。

そのようなアーティスト名、言い換えるとバンド名、
ソロ・アーティスト名で最近目についたのは、まず

「カネヨリマサル」
https://kaneyorimasaru.com

アクセントは、
/LHH]L LH]L/
「It's better than money」
のパターンではなく、

男子の個人名パターンの
/LH]LL LHH=/
である。

メンバーは女子ばっかりなのに、である。

メンバーが男子ばっかり、あるいは男子がちなのに
女性名ってのもありますね。

「Mrs. Green Apple」とか
https://mrsgreenapple.com

「サイダーガール」とか
https://cidergirl.jp

その逆張りですね。

--

あともう1人。

「Nilüfer Yanya」

英語版ウィキペディアには、英語圏での読み方が
載っています。
https://en.wikipedia.org/wiki/Nilüfer_Yanya

翻って、日本では、ニルファー・ヤンヤが定着しています。

その「ヤンヤ」の「ン」が音声学上の鼻母音で発音されるのが
なんかしっくりこないなと思ってたのですが、そんなの
Enya「エンヤ」のときも同じでしたw

まあ、他の選択肢もあんまりベターじゃないですね。
「ヤニヤ」
「ヤニャ」

日本語で「ヤンヤ」と発音している人が、
英語圏に行ったら、nを[n]近辺の音で発音するように
自動変換できればいいだけの話ですね。

性的被搾取

金銭に絡んで、性的に搾取を被る場面としては、

・春を鬻(ひさ)ぐ
・アダルトビデオに出演する

などがある。

後者に関しては、ここ数日いわゆる「AV禁止」などの
キーワードで情報が飛び交っている。

ネット騒然「AV禁止」トレンド1位 立憲民主党が「性行為伴うAV自体禁止」打ち出す 衆院内閣委
https://news.yahoo.co.jp/articles/19b8dc2c88ecb1d085606ebd89cb365004e0a720

細かい用語の選択がどうなっているのかわからないが
大まかには、「性行為を伴うAVの禁止」だそうである。

「性行為」って、一体どこまでだろう。
「性交」のことだろうか。それ以外は入らないのだろうか。
昭和末期の用語のAやBは?

「性交」とは、陰茎を膣に挿入して行うもののことだろうか。
それとももっと広い範囲を含む概念だろうか。

いずれにせよ、上記のような規制ができたら、
国内で撮影、複製、販売されるものは、
上述の(実はどこからどこまでかがわからない)行為を
伴わないものだけになりますね。

でも、今はインターネットで他国も
ほとんど繋がっています。

元が取れると踏めば、製作が海外で行われるようになり
海外のサーバーから発信されるようになるでしょう。

つまり、業者にとっては面倒臭くなり、
経済的にかなりの打撃とはなるだろうが、

海外サイトへの接続遮断などをしなければ、

議員さんたちが考えている「モノ」が無くなりは
しないだろうと考えられます。

--

ところで性的な搾取を被る状況として
上述のものは重めなもので:

・春を鬻(ひさ)ぐ
・アダルトビデオに出演する

しかし、それに連なっている個人営業にも、
若い人でも手を出しやすくなっていて、
軽い気持ちで参入できるものがあります:

・パパ活、ママ活、援○、サ、S
・マイファンズ、オンリーファンズ等

上のポチは、金銭の対価としてデートをするもので、
そのデートが春鬻(ひさ)ぎを含むか含まないかは
クライアントとの関係性、力関係、その他で
決まってくるでしょう。

下のポチは、自分(たち)で撮影した動画を売って
小金を稼ぐというものです。

むしろ、未成年や、経済弱者を護りたいのだったら、
その辺りに対処する有効な手立てを考えた方が
いいのではないでしょうか。

AV禁止は象徴的にはなりこそすれ、
抜け道が多すぎます。

また、立法は、有効性をよく吟味してした方がいいですよ。

「パートタイム、アルバイトをn年続けたら無期雇用に転換する
権利が生ずる」
という法律がどうなっているか見てみてください。結局、
「n年に達する前に雇い止めをする」ということが
広まっています。法律の趣旨とは逆の結果になっています。

同様に、「あれ?こういうことだったっけ?」とならないように
慎重にご検討くださいませ。

あゝ和姦違い

「和姦」という用語の意味を、
思春期からつい最近まで、独自の意味で
解釈していました。

ネット上の辞書によると:
https://www.weblio.jp/content/和姦
https://bit.ly/3GizOKV (上のURLがクリッカブルでない場合用の短縮URL)

相方合意の上での姦通。⇔強姦

で、「姦通」は:

道徳や法にそむいた関係を持つこと。特に、既婚者が、配偶者以外の異性と肉体関係をもつこと。不義。密通。

ツッコミどころ満載ですが。

ウィキペディア(2022.5.26閲覧)は:

和姦(わかん)とは、双方の合意に基づいて行う性行為(姦通)、場合によっては拡大解釈されて双方同意の上で性交または性交渉を行うこと一般を指す。英語ではConsensual Sexual Intercourseという訳語が当てられる事が多い。同性間及び異性間問わず使われる言葉。オーラルセックスなど、性交渉全般での双方の合意に基づくものも含まれる。 厳密には、過去には婚姻者以外の合意のある性行為を指し、姦通罪の撤廃した現在では信頼のある特定のパートナーとの強制性のない性行為を除くと考えるのが妥当と考えられる。また、婚姻関係があっても強制性があれば和姦でもなく強姦となる場合がある。 同意のある不適切な関係性での性行為=Sexual activity with an inappropriate relationship with consent

「婚外の」とか、「異性間」という前提条件は薄らいでいますね。

もとい。私の個人語では、ちょっとずれた意味で
脳内に張り付いていました。

理由は、ローティーンの頃に読んだ『えっちな本』だったかに、
「強姦も、かくかくしかじかの条件があれば和姦になる」という
ことが書かれており、例えば、異性間で、「女性が腰を動かしたり、
尻の下にハンカチを敷いたりすれば和姦になる」
などと書かれていたというものです。

この定義は、上のウェブ辞書や、ウィキペディアの記述とは異なり、
「強姦しようとしても、相手女性が同意したと、男が推測できる
動作をすれば和姦になる」
という意味だとずっと思っていたのでした。
大した勘違いですね。

「同意のある姦通」
あるいは
「同意のある性行為」
とはずれた意味で覚えていました。
ともあれ、実際にその語を使う場面というのもそうそう
ありませんでしたから、大層な恥は晒さずに済んできました。

憶測のズレ合い

家人と僕とで、憶測がズレ合うことがある。

僕の方の憶測で、家人に即座に否定されたのは以下の通り。

歌い手のMisiaさんは、以前TBSラジオのLove Rainbow Trainで
ドラーグ・クイーンのバビ江ノビッチさんと共演したり、
バビ江さんを継いだ八方不美人と共演したりで、
アライさんだなということはわかるんだけど、

EXITのお2人と共演すると、性的指向が向かい合うからなんなのか
雰囲気が華やぐんですよ。

同じ番組ではなく、時間帯のズレたオールナイトニッポンに出演した
ときも、MisiaさんがEXITにお土産を持ってきたりと、
わかりやすいと言えば、わかりやすい。

ということを言ったら、家人が「そんな違いがあるわけない」
「それはあなたの考えすぎ」とぶった切ってきました。(笑)

--

他方、家人の過ぎたる憶測は以下の通り。

耶蘇寺の女性で、時々食べ物をお裾分けしてくださる方がいます。

そのうちの1つが美味しかったのでと、家人が
「レシピを教えてもらって」
と言ってきて、それを先方に伝えて、その次の回に
レシピをもらいました。

そのレシピが「2人分」だったからと、家人はその女性が
・うちは2人暮らしだと勘付いている
・さらには男2人だと勘付いている

と妄想を膨らましていました。

先日、何か別なものをいただいたときに家人が
自作のザウアークラウトをあげて!と言ってきたのですが、
僕は、その女性が背景を知らないし、説明が難しいからと
拒否しました。

家人は、「いや、わかってる」と主張し噛み合いません。

でも、先日、同じ女性から、ロールキャベツを頂いたのですが、
それは1個だけでした。

レシピが2人前なのは、そりゃ、1人前のレシピなんて
普通書かないじゃないですか。

1人暮らしだって、2人分は、2回に分けて食べたり、
なんなら半量を作ればいいわけだし。

まあ、人間、生活をしていれば、いろんなところで憶測を
していますよね。それが、2人で噛み合わなかったことが
あったというお話です。

陰謀論と宗教

こういう記事がありました(英語です)
People who endorse conspiracy theories tend to be more religious, and this may be due to ideological overlap
(陰謀理論を支持する人々は、より宗教的である傾向があり、それはイデオロギー的な重なり合いによるかもしれない)
https://www.psypost.org/2022/04/people-who-endorse-conspiracy-theories-tend-to-be-more-religious-and-this-may-be-due-to-ideological-overlap-63020

私は宗教的に活発であり、他方陰謀論にはそうやすやすとは乗りません。

でも、重なり合いがあるのはわかります。

宗教も陰謀論もどちらも、「エビデンス」や「証明」が無い分野の事柄を
「説明」がそれらしいということで信じるという面があるからです。

これ、英語圏だと、例えば米国なら南部、南東部の辺りのバイブル・
ベルトが念頭にあるだろうし、他の地域でも、「宗教を信じている人は
陰謀論に乗りやすいよね」という肌感覚を持っている人もいるのであろう。

でも、これは、日本にはそのままでは当てはまらないかもしれない。

「宗教的」が何を意味するかにもよります。

「どこかの宗教団体に所属して、定期的に宗教施設に赴く」

ということをしている人のパーセンテージは
日本ではそんなに多くなさそうです。

葬儀や法事や結婚式は、親族が代々やってきたように
宗教施設でやるし、初詣も行くけど、普段はそんなに興味ない
って人が多そうです。

じゃあ、日本人は、「宗教的」じゃない人が多いのか?

なんか、そういう組織宗教には白けている人が多い一方で、
キリスト教圏などにいる、無宗教者や、不可知論者のように
理詰めで宗教を避けている人も、そんなにいないという
肌感覚があります。

死後の霊の存在は、否定しない人が多いでしょう。
だからこそ、賃貸マンション・アパートなどに
「事故物件」と呼ばれるものがあったりします。

また、既成の大宗教の教えとはあまり関係の無い
「おみくじ」の大吉だの凶だのに一喜一憂したり、
(既成の大宗教の施設で売られていますけどね)

つまり、死後の霊が存在することは多くの人が信じているし、
なんなら(唯一神ではないが)八百万の神もいるんじゃないかと
うっすら感じているし、
ランダムなご宣託に、何らかの意味があるんじゃないかと
思っている。

ということで、「エビデンス」や「証明」による理詰めな
説明でなくても、説得的な「説明」があれば信じてしまう
素地を持っている人は多そうです。

「はい、論破」に「すげー」って思っている人たちも
そこに連なっていますよね。

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