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2019年5月 アーカイブ

2019年5月 1日

SANSIRO違い

数年前に、アンタナナリブの街角で、
SanSiroっていう香水の広告(あるいは代理店)
を見かけて、も、もしかして三四郎?
って思ったのですが、

http://www.sansiro.com.tr/en/home/

これは、トルコの香水で、
イタリアの聖人、聖シルス

https://en.wikipedia.org/wiki/Syrus_of_Pavia

ですね。
この種の勘違いの同定って、
まあ人間はしがちかなとも思いますが。

2018年国別人権報告書 -- 日本に関する部分

2018年国別人権報告書 -- 日本に関する部分

の日本語訳が、アメリカ大使館のウェブページに掲載されました。

https://jp.usembassy.gov/ja/hrr-2018-ja/

英語ができる方は、そちらが正本ですので、そちらを
合わせてお読みください。

https://www.state.gov/j/drl/rls/hrrpt/humanrightsreport/index.htm?year=2018&dlid=289049#wrapper

SOGI関係は以下の通りです。

性的指向および性同一性に基づく暴力行為、差別、その他の虐待

性的指向または性同一性に基づく差別を禁止する法律はない。そのような差別に対する罰則は存在せず、関連する統計も入手できなかった。法律により、トランスジェンダーの人々が法律上の性別を変更することは可能であるが、これは性同一性障害であるとの診断を受けた後にのみ可能である。レズビアン、ゲイ、バイセクシャル、トランスジェンダー、インターセックス(LGBTI)の人々の権利を擁護する団体から、組織に対する妨害の報告はなかったが、いじめ、嫌がらせ、および暴力行為の報告は何件かあった。LGBTIの人々を取り巻く偏見が、依然として、差別や虐待を自ら報告する妨げになっており、また学校でのいじめや暴力に関する調査では、全般的に、関係者の性的指向や性同一性が考慮されていなかった。

与党自由民主党の杉田水脈国会議員は7月の寄稿記事で、LGBTIの人たちは子供を作らないので「生産性がない」と述べた。記事の出版後、自民党はLGBTIの人々を含む多様性を受け入れる社会の実現を目指すという声明を発表し、杉田議員に指導を行った。障害者団体や著名作家を含む幅広い層から杉田議員と雑誌に対する批判の声が上がり、ほどなく雑誌は休刊となった。

東京都は10月、2020年オリンピック・パラリンピック開催地として、オリンピック憲章の反差別理念を実現するため、「東京都、都民および企業は性同一性や性的指向を理由にした不当な差別をしない」と明記した条例を制定した。NGOのLGBT法連合会は、同条例をLGBTIの人々に対する差別を禁じる初の地方条例であるとして公の場で称賛したが、救済条項がないことを理由に条例の有効性に懸念をも表明した。

その原文はこうです。

Acts of Violence, Discrimination, and Other Abuses Based on Sexual Orientation and Gender Identity

No law prohibits discrimination based on sexual orientation or gender identity. There are no existing penalties associated with such discrimination, and no related statistics were available. The law allows transgender individuals to change their legal gender but only after receiving a diagnosis of sexual-identity disorder. Lesbian, gay, bisexual, transgender, and intersex (LGBTI) advocacy organizations reported no impediments to organization but some instances of bullying, harassment, and violence. Stigma surrounding LGBTI persons remained an impediment to self-reporting of discrimination or abuse, and studies on bullying and violence in schools generally did not take into account the sexual orientation or gender identity of the persons involved.

A ruling Liberal Democratic Party (LDP) Diet member, Mio Sugita, wrote in a July article that LGBTI persons are "unproductive" as they do not give birth to children. After the article's release, the LDP issued a statement saying that the party aimed for a diverse society, including LGBTI persons, and admonishing Sugita. The magazine subsequently ceased publication after an extensive public backlash against Sugita and the magazine, including from the disability community and prominent writers.

In October the Tokyo Prefectural Government, as host city of the 2020 Olympics and Paralympics, enacted a law that states, "the Tokyo Metropolitan Government, citizens, and enterprises may not unduly discriminate on the basis of gender identity or sexual orientation," in order to realize the antidiscrimination Olympic Charter. An NGO, Japan Alliance for LGBT Legislation, publicly lauded the ordinance as the first-ever prefectural ordinance to ban discrimination against LGBTI persons, but it also expressed concern about its effectiveness due to the lack of a remedies clause.

アメリカも、杉田水脈議員の人権侵害発言を認識しています。
同議員は、未だに「言葉の選び方がまずくて、人を傷つけてしまった。
でも、発言の趣旨は間違っていないので、撤回しない」
と言う立場のようです。

Georgia - Homeland of Wine展

ジョージアワイン展 Georgia Homeland of Wine
https://georgia-homelandofwine.com/s/ghlw/?ima=2754

やっと平成最後の日に行けました。

ちょっと不便なところでやってますけど、
5月7日までやっていますので、
是非、足をお運びください。

ヒンカリは早めに売り切れるようなので、
1日の内の早い時間に行った方がいいかも知れません。

カベルネ・ソービニョンとか、シラーズといった
よく知られている葡萄種は無く、
ワインの故地らしく、独自の葡萄種が色々とあるようです。
それも、ソ連時代に、集団農場化のせいで、
葡萄種の多様性も、かなり減らされてしまったようですが。

確かにソ連時代は、ツィナンダリとムクザニしか
外国市場にありませんでしたよね。

今は、それでも復興して、色々な種類があるみたいですよ。

また、地中にカメを作る醸造法も独自のもので、
普段接しているワインとは違うものに会えるかも。

2019年5月11日

Boy Erased(ある少年の告白)を見て

I went out to watch the movie "Boy Erased."
「ある少年の告白」を観てきました。

http://www.boy-erased.jp

based on the book:
元になっているのは次の本:

https://www.amazon.com/Boy-Erased-Memoir-Identity-Family/dp/0735213461/ref=sr_1_2?keywords=boy+erased&qid=1557575416&s=gateway&sr=8-2

Having been raised a protestant Christian
and having lived in the US for a year in my teen years,
I could relate so much to this movie
although I have never been sent to a conversion therapy.

プロテスタントのキリスト教徒として育てられて、
ティーンの頃に1年間合衆国に暮らしがあるものとしては、
この映画は実体験とリンクしてガツンときました。
同性愛治療を受けさせられたことは無いですけどね。

They all mean good, the pastors, other Christians,
conversion therapists, etc. They all want you to
be in a better condition being cured from homosexuality.
みんな、良かれと思ってはいるんですよ。
牧師も、他のクリスチャンも、治療を施す活動をしている人も。
みんな、クライアントが、同性愛から「治癒」して
より良い状態で暮らすことができることを望んでいるんです。

But they are almost always wrong.
でもほとんどの場合、彼らは間違っている。

Michael Glatze has converted from a homosexual to a straight person.
https://en.wikipedia.org/wiki/I_Am_Michael
But probably his conversion was self-controlled and was not forced
upon him.
マイケル・グラッツェは、同性愛者から異性愛者にコンバートした。
https://filmarks.com/movies/61052
しかし、彼のコンバートは、自分でコントロールしたもので、
他者から押し付けられたものではないであろう。

But for the rest of us, conversion therapy is utterly harmful.
It harms mental health and it can kill.
しかしながら、残りの我々にとっては、同性愛治療が
害悪しかもたらさない。精神的な健康を害することも
あるし、人を殺してしまうこともある。

Troye Sivan was doing his part well too.
トロイ・シヴァンの役も良かった。

I ordered the original sound track CD.
サウンドトラックのCDをオーダーしました。

--

The protagonist Jared in one scene
holds hands with Xavier on a bed and
don't do anything further.
It reminded me of the movie Bent,
where two gay protagonists,
in a Nazi concentration camp
just holding hands with each other
and "came."

主人公のJaredがXavierと手をつないだまま
寝て、何もしない場面があるんだけど、
映画Bentで、2人のゲイの主人公が
ナチスの強制収容所で、
苦役をしているときに手をつないだだけで
イッちゃった場面を思い出しました。

--

I urge Dr. MITSUKAWA Motokazu, who made
discriminatory remarks towards LGBT, to watch
this movie.
茨城県の会合で差別発言をした満川元一医師には
この映画を是非とも観ていただきたいです。
https://www.outjapan.co.jp/lgbtcolumn_news/news/2019/5/1.html

--

One of the reasons why I left Protestant Christianity is that
some pastors make sermons condemning homosexuals.
僕が、プロテスタント教会を去った1つの理由は、
牧師が同性愛を糾弾する説教をすることがあるから。

That harmed my mental health quite a bit.
そのことが、僕の精神的健康を損なうのに大きな役割を果たした。

In my church that I go to now, no priests would make such a
sermon although when asked in person, some of them may
condemn homosexuals.
今の教会では、その様な説教をする司祭はいない。
勿論、面と向かって聞かれたら、同性愛を否定する人は
いるでしょうけれども。

That's a big difference.
でもそれは大きな違いです。

2019年5月27日

とあるムスリム氏

とあるムスリム氏の話。

以前、弊学の学生、院生だった。

私の直接の学生には、少なくとも
少人数の授業ではなったことは無いと思う。

でも、他の受講生と連れ立って、
一度、ウチのホムパに来たことがある。

次の機会にもう一度、
その仲介役の学生を通して
お誘いしたところ、来ないと言う。

その理由は、私と別な学生が
我が家(パーティー会場)で、

「ホモセックスを始めてしまうかも知れないから
 ムスリムとして、その会場に同席することはできない」
とのことでした。

ちょっと、偏見に偏見を数倍重ね合わせているんじゃないですか。

因みに、僕はシスジェンダーの男性同性愛者である。

その、妄想の対象になった、当時の学生は、
ある時期にはバイセクシュアルだと言っていたが、
ある時期には、実はMTFのトランスジェンダーでレズビアンだと
言っていた。
今は、異性結婚している。

いずれにせよ、僕は、クライアントさんとは、
性的接触はおろか、恋愛ごっこもしないと
強く決めているので、「突然ホモセックスを始めて
しまうなんていうこと」はありえない。

ってか、ゲイばっかりの「ヤリ目の」パーティーじゃ
なかったら、普通しないでしょう。

--

そのムスリム氏がちょっと前に荻上チキ Session-22に
出ていた。

とある歴史事象を説明するのに、
「私の長男と同じ誕生日ですが」と
言っていたが、

荻上氏に
「要らない情報ですね」と
却下されていた。

--

シスジェンダー異性愛者の大多数にとっては、
自分の子供の生まれ年や、誕生日が
何らかの歴史的事象と同じだったりすると、
ポロッと、言えちゃうもんなんでしょうか。

同性カップルの場合、パートナーの
なんかの個人的歴史的イベントと、
世界史的歴史イベントとが符合しても、
「言えない」でしょうね。

また、子供を育てている同性カップルは、
それ自体が少ないでしょうが、
まあ、子供の誕生日が何かと同じ日だとは
言わないでしょうね。

でも、シスジェンダー異性愛者は、
日常の私的な会話のなかでも、
それは話のネタとして使うし、
公共的な放送でも言ってしまう。

荻上氏は、その辺りにも敏感で、
そういうコメントになったのでしょう。

ちなみに、荻上氏は、先日の映画館の
話題のときには、お子さんのことを
言わざるを得なかったので、話題に
していましたが、普段からのべつまくなしに
ごパートナーのこと、子供のことに
言及する人ではないですね。

--

実は、僕は、色々な状況証拠から察するに、
大学時代は交流があったけれど、
一生、僕とは「関わらずに余生を送りたい」と
考えている人が複数名いることを
察知しています。

--

他方、僕は、そのムスリム氏とは、
一生会おうとはしないでしょう。

会っても建設的なことは何一つ
できないでしょうから。

先週末

先週末は、土日が日本アフリカ学会の大会でした。

日曜日に発表をしました。

コメントで、
「マダガスカル手話をTTMと言っているが、
 アメリカ手話をASL、日本手話をJSLと言うように
 MSLとはしないのか?」

というごコメント。

んー、全く近視眼的で、相手にしてさしあげるのも
なんとも違和感。

えーっと、ドイツ手話がDGS、オランダ手話がNGT、
トルコ手話がTİDというのが広まっているのに、
なぜTTMだけはダメなんでしょうか?
全く理解できません。

他は、K氏から、
私が使役だと言った

「ラスア 呼ぶ 招く ラベ 座る」
(ラスアがラベを座らせた)

という構文は、もしかして、複数の節が
連なっている、causalなjunctureじゃないですか?

というご指摘。

それ、正しいと思います。

これは、使役マーカーを持った単節文ではなく、
複数のpredicateが連なった構文な可能性が高いです。

ただ、日本語の「-テ」形のような、
節を連ねていくマーカーは恐らく無いので、
何か別な説明が必要かも知れません。

--

日曜日は、自分の発表と、言語学の発表、
I氏の発表を聞いたあと、
大阪に向かって、
神虎で、赤虎ラーメンを食べました。

--

その後、院生時の指導教官先生と
お会いできました。

清瀬の派生文法に似た分析が
特に理論言語学界隈では花盛りですが、
そうではない解釈ができるという話で、
年初来宿題が出ていたのですが、
それには、上首尾に答えられて、
美味しいお酒が飲めました。

新幹線の終電で帰京しました。

実家のご近所

日本の常識としては、
人は、大人になったら異性結婚して、
親に孫の顔を見せて親孝行
というのがある。

でも、我が実家の界隈は
結構そのステレオタイプに沿っていない。

隣のウチは、兄、妹の2人キョウダイだが、
それぞれ異性結婚して、子供がいない。

別な隣は、お1人で結婚していない。

向かいは、姉氏は結婚しているが
子供の話は聞かない。

弟氏は、結婚していない。

その隣は、確か5人キョウダイぐらいだったが、
その内、自死者がいたりして、
皆が結婚し、子をなしているわけではない。

そして、内は、シスジェンダー、ホモセクシュアルの
1人っ子で、今の社会的環境、政治的環境では、
子は成しにくい。

ってな具合で、親をマゴマゴさせられない
こどもばっかりが揃いも揃った地帯なのである。

偶然でしかないだろうけどね。

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