
取り組み
人文知で紡ぐ地域社会:渋谷センター街の路上飲酒問題
関係機関
東京外国語⼤学 学際研究共創センター(TReNDセンター)
一般社団法人LeaL
株式会社ディレクションズ
一般社団法人渋谷未来デザイン
キーワード
⼈材育成
⾃治体との連携
スタディツアー
ワークショップ
企業との連携
社会課題
最終更新 2024.07.22
開催終了
概要
社会活動を通じて人文・社会科学系の教育研究の価値と役割を深化させるための手法を学び、地域や企業の人々と協働した課題解決を目指します。社会の現状や課題を深く理解するために現場に赴き、問題の本質を見極め、多様な視点から解決策を探る力を培うとともに、多様な視点を包摂しよりよい解決策に導くためのプロセスの構築を実践します。
これから社会に飛び立つ学生には、トランスファラブルスキルの向上に有効です。多様な人々との関係を築き、協働するプロセスに積極的に参加することで、実践的なスキルを身につけることができます。また、この体験を通じて、本学で身につけた多文化共生への深い理解や汎用的な研究力を実際の社会で活用する手法を学びます。こうした実践を重ねることで、学生は自身の強みを社会において効果的に発揮する力を一層高めることができます。
多文化共生の観点から社会課題解決への糸口を探すスタディツアー
渋谷駅前は、一部の来街者による迷惑行為が近隣住民や周辺店舗への被害として社会問題化しています。こうした状況から渋谷区では、だれもが快適・安全・安心に滞在を楽しめる街として「迷惑路上飲酒ゼロ宣言」を行いました。その宣言を受けて発足したのが「Shibuyaグッドマナープロジェクト」です。2023年度、TReNDセンターは協力機関と共に、このプロジェクトに参加しました。その目的は、本学学生に、実際に起こっている社会課題に対して、言語や文化的な違いから生じる問題を切り口とした課題設定・解決の視座を身につけてもらうことです。フィールドワークや関係者への聞き取りワークショップを経て、最終的には渋谷で行われる「Social Innovation Week 2023」(https://social-innovation-week-shibuya.jp/)(以降「SIW」)にて報告を行います。
第1回:センター街での外国人観光客への聞き取りフィールドワーク
2023年10月14日(土)
実際に渋谷センター街にはどのような社会課題の現実があるのかを確認するため、協力機関のファシリテートのもと、本学学生6名が外国人観光客への聞き取りフィールドワークを行います。フィールドワークを行う前に、協力機関である株式会社ディレクションズへ集まってオリエンテーションを実施し、当プログラムの趣旨・目的の説明、聞き取りの際に質問してみたいことについて簡単な打ち合わせを行った後、センター街へ向かいます。非日本語話者へのインタビューの際には外語大生ならではの語学力が役立ちます。
第2回:Shibuya QWSでの関係者ヒアリング
2023年10月22日(日)
渋谷スクランブルスクエアにある共創施設「SHIBUYA QWS」にて、渋谷の路上飲酒・ゴミ問題という社会課題と日々向き合っていらっしゃる渋谷センター商店街振興組合常務理事の鈴木氏、渋谷区役所危機管理対策部の斎藤氏・東浦氏をゲストとしてお招きし、ヒアリングを行った後、本学学生4名と協力機関の方々、本学TReNDセンターでブレインストーミングのワークショップを行います。
第3回:SpongeでのSIW発表に向けたブレインストーミング
2023年11月4日(土)
第2回までに行った内容を総括して、渋谷センター街のスペース・Spongeにて、SIWでの発表に向けたブレインストーミングを、本学学生5名、協力機関の方々、Spongeを利用中の学生、本学TReNDセンターというメンバーで行います。
【イベントを終えて】
全3回のシリーズを通じて学生たちは「問題の根源をどう捉えるか」という視点での議論に重きを置きました。これは、表面的な解決ではなく、持続可能な変化を目指すために不可欠です。振り返れば、2021年に開催された四大学連合ポストコロナ社会コンソーシアムのオンラインワークショップで、本学の学生が持つ多文化共生の視点が議論に生かされましたが、その視点は今回の活動にも活かされ、我々が直面する社会課題に対する新たな解決策を見出すための強力な推進力となりました。