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お知らせ

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キッコーマンおいしさ未来研究センターと「おいしさの未来協働研究プログラム」に関する協働研究協定を締結

2026年2月9日(月)、本学府中キャンパスの本部管理棟において、キッコーマン株式会社おいしさ未来研究センターとの「おいしさの未来協働研究プログラム」の推進に向けた協働研究協定の締結式を挙行しました。
学際研究共創センター(以下、TReND)は、本協定に基づき、産学連携事業を推進します。

キッコーマンとの協働から始まった問い

TReNDでは、産学連携を単なる成果還元の枠組みとして捉えるのではなく、 人文学が社会のなかでどのように実践され得るのかを検証する場として位置づけています。 キッコーマン株式会社おいしさ未来研究センターとの協働研究プログラムは、 そうした考え方を具体的なかたちで示す取り組みです。

「おいしさ」というテーマは、味覚という個人的な感覚にとどまらず、 言語、文化、記憶、身体、社会的経験が重なり合う、極めて複合的な概念です。
この複雑さを前提として世界中の多様な文化背景をもつ人々に「おいしさ」を届けるため、 さまざまな取り組みを行ってきたキッコーマンの姿勢に共鳴し、本協働は生まれました。

協定締結式の様子(左:中山俊秀 学際研究共創センター長)

企業の知と人文学の知が出会った場所

この協働において、人文学は「おいしさの正解を示す役割」を担っているわけではありません。 東京外国語大学が培ってきた多言語・多文化研究の蓄積を背景に、 研究者や学生がもつ世界各地の食文化の豊かさに関する知が、 それを人々に届けてきたキッコーマンの実践と結びついていきます。
そのなかで、多様な感じ方や価値観を大切にした「おいしさ」を社会に届けていく可能性を、 ともに探っていく取り組みです。

成分分析やマーケティングなどの科学的手法に基づくキッコーマンの実践と、 人や社会の豊かさに目を向けてきた人文学の知が交わることで、 これまで当たり前とされてきた枠組みを、あらためて見直すきっかけが生まれつつあります。

TReNDが生み出す「問いを共に育てる協働」

本協働研究プログラムには、教員だけでなく大学院生も研究活動に加わります。 研究者、学生、企業が同じ問いの前に立ち、 対話を重ねながら思考を深めていく過程そのものを重視しています。 その環境を整え、支えていくことが、TReNDの役割です。

連携企業側にとっても、本プログラムは学生の成果を受け取る場ではなく、 自らの思考や価値観が揺さぶられる場となっています。 答えを急がず、問いが変化し続けることを引き受ける姿勢こそが、 人文学と企業が協働することの本質的な意味だと考えています。

J-PEAKS事業を推進し社会実装を支えるTReNDの役割

TReNDは、JSPS地域中核・特色ある研究大学強化促進事業(J-PEAKS)事業を通じて、 技術の社会実装において不可欠となる「信頼」が、どのように形成され、どのように持続してきたのかを、人文学の視点から明らかにする研究を推進しています。 技術そのものの開発や成果の社会実装を直接のゴールとするのではなく、 技術が社会に受け入れられるまでの過程で、人と人との関係性や理解がどのように築かれてきたのかに着目しています。 こうしたプロセスに光を当てることが、社会実装に対する東京外国語大学の役割であると考えています。

キッコーマンとの協働は、人文学が社会を批判し説明するための知として関与するだけではなく、 社会の思考を更新する当事者として関わり得ることを示しました。 TReNDは今後も、こうした関係性を起点に、 大学を人と人、知と知が交差する場として再構築していきます。