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お知らせ

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【参加者募集】研究会:ソーシャルロボットを用いた英会話学習支援(1/19 (月)13:00-)

学際研究共創センターでは、電気通信大学の柏原昭博教授をお招きしてロボットを活用した言語の学数支援についての研究会を開催します。


柏原教授は情報技術を用いた言語コミュニケーション支援についてご研究されており、今年の夏には英会話コミュニケーションロボットを用いた実験に本学学生が協力しました。

自由に意見交換・議論をおこなう場といたしますので、ご興味のある方はぜひお気軽にご参加ください。


ソーシャルロボットを用いた英会話学習支援の研究会

日時2025年1月19日(月) 13:00-14:30
場所東京外国語大学 研究講義棟4階401H(学際研究共創センター)/Zoom
対象:本学の教職員・研究員・学生
参加方法:こちらから事前登録をお願いします。(対面のみ当日の飛び込み参加可)
     *オンライン参加者には事前にZoom URLをお知らせします。

発表タイトル:ソーシャルロボットを用いた英会話学習支援

要旨
:私たちの研究室では,ここ数年ソーシャル(コミュニケーション型)ロボットを用いた学習支援として,ロボット講義システムや英会話支援システムの研究開発を進めてきました.ロボットは他の学習メディア(PC/Tablet/VR/SmartPhone/etc.)とは異なり,擬人化傾向と物理的身体性を有しており,人と対峙しての学びと等価な環境を実現できる可能性があります.今回は,英会話学習支援システムを用いたいくつかの試みを紹介させていただきます.
 まず,英語学習(総じて第二言語学習)では,日本人初学者の場合,話すことへの心理的抵抗感が強く,うまく話せないことへの恥ずかしさを感じてしまう傾向があります.特に,Native speaker相手では,能力差を感じ,ますますコミュニケーションへの抵抗感は高まります.この問題に対して,ロボットを会話相手とするシステムを開発し,対人と比較して(加えて,英会話アプリと比較して)学習者の心理的抵抗感や学習効果がどう変わるかを検証しました.その結果,ロボットは学習者の心理的抵抗感を有意に減少させることが分かりました,また,ロボットが意図的に下手なしゃべりをする(誤りを含む英文を話すことを含む)ことで,学習者の聞こうとする姿勢を促し,誤りを正すようなやりとり(向社会的行為)を引き出すことができました.
 次に,人間同士の英会話では話し相手がNon-nativeかNativeか,あるいは教師かピア学習者かによって,学習者の学ぶ姿勢や学習効果に違いが出ることが予想されます.これは,学び相手のロールによって学習者の思考や情動に何らかのバイアスがかかることによって起こる現象で,正の学習効果だけでなく負の効果を生み出す可能性があります.さらに,言語習得だけでなく様々な学習の文脈で生起することから,学び相手のロールが及ぼす影響を明らかにすることは学習支援上極めて重要といえます.
 そこで,現在,英会話相手としてのロボットのロールをいくつかデザインし,かつロールを顕在化するようにロボットのアピアランスや非言語動作(流暢さ,トーン等)を制御するシステムを開発して,学習者の学ぶ姿勢や学習効果がどう変わるかの検証を進めています.具体的には,「英語を話す」アメリカ人教師・アメリカ人ピア・日本人教師・日本人ピアの4つのロールを設定しています.今回,東京外国語大学の学生さんに協力をいただき,4つのロボットロールに対する学ぶ姿勢や学習効果をアンケート調査し,英会話を得意としない本学学生から得られた結果との比較を通してロボットロールが学習姿勢・効果に与える影響を分析しました.その結果,両大学間で異なる学習姿勢・効果を生み出す可能性が示唆されています.
 今回の発表では,以上のような研究成果についてお話させていただくとともに,英語をはじめ第二言語習得を妨げる要因・促す要因や教育のあり方,高い言語運用能力を有する学習者の能力維持・更なる向上における問題点などについて,幅広く意見交換させていただければ幸いです.

柏原教授のご関心

第二言語の習得、学習中の言語(特に英語)の上達を妨げる要因、すでに高い英語運用能力を有する学習者がさらなるブラッシュアップを図る際に直面する困難など

主催:東京外国語大学 学際研究共創センター
お問い合わせ:学際研究共創センターURA特任研究員 2-trend[@]tufs.ac.jp