1. ロシアの正月料理
以前、TBSラジオ アシタノカレッジで、「お節」の話題のとき、
ロシア在住の日本人がロシアの正月料理を紹介していて、
「サラダとか野菜ばっかりなんですよ。
ロシアの冬は野菜が少なくて、ビタミンなどが
足りないからだと思います」
ってその特派員さんは言っていたけれど。
いや、それは、降誕祭前のモノイミのせいでしょうと
思ったのだけど、その日の放送のメインの話ではなかったし、
投書も、ツッコミもちゃんとできていませんでした。
そこで、やっと今になって落ち着いて検索してみたんですけど。
やっぱり私が当初思った通りでした。
ロシア人全員ではないだろうけれど、正教徒の人にとっては、
1/7が降誕祭。で、その前の数週間は、モノイミ(齋、fast、露post)
と言って、肉、乳製品、卵などを食べなくなる人がいます。
(他のキリスト教教派の復活祭前のレントのようなものが、
大きなお祭りの前に年に数回あります。)
これは戒律ではなくて、自主的に行うものなので、
モノイミをしないのも全然アリで、
それを他人にとやかく言われることもありません。
ともあれ、モノイミをする人のための1/1からの正月料理の
レシピのページを見つけました。
Постный стол на Новый год 2021 -
(2021新年のモノイミテーブル -)
новогодние рецепты постных блюд
(新年のモノイミ料理レシピ)
http://vegetarianrecept.ru/novogodnie-recepty/postnye-blyuda-stol-na-novyj-god.html
と書かれています。ロシア語だけでごめんなさい。
下の方の、料理のアイコンをクリックすると
レシピが出てきます。(ロシア語ですが。)
このサイトは、正教のモノイミと言うよりは、まず
ベジタリアンのサイトのようですが、
結果として、肉、乳製品、卵等を食べないと言うことは
共通しているので、これらのレシピが紹介されているのでしょう。
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そもそも降誕祭が1/7なのはなぜかというと、
ロシア正教会では、ユリウス暦にしたがっていて、
それが、世界で主流派のグレゴリオ暦に13日遅れているからなのです。
と言うことは、実は、ユリウス暦の元旦は、グレゴリオ暦の1/14なのです。
1/14の新年を祝う人は、おそらく教会にいつも行っているような
人々に限られると思いますが、そのような人たちの、
1/14以降の旧正月のレシピ集も見つけました。
Что приготовить на старый Новый год: идеи меню
(旧正月に何を用意するか: メニューのアイディア)
https://www.1001eda.com/staryj-novyj-god
これもまたロシア語だけでごめんなさい。
旧正月は、もちろん、中国、韓国などの
太陰暦の旧正月(春節)とは関係ありません。
これを見ると、相変わらずサラダも多いですが、
鶏肉や、魚が登場してきています。
アイコンは無いのですが、下の方にコース料理の
設計のし方的なものが並べてあって、
赤い字のところをクリックすると
料理のレシピと写真が出てきます。
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英語のページも探しました。
Russian Christmas Eve Recipes (Sochevnik/Sochelnik)
https://www.thespruceeats.com/russian-christmas-eve-recipes-1135522
基本、モノイミしていますね。
でも、「魚を許容する人は、魚もどうぞ」的に書いてあります。
モノイミをする正教徒でも、「まあ、肉よりは魚ならまだいっか?」的には
考えるので、そういう選択肢も挙がっています。
モノイミでも、肉、乳製品、卵は、「戒律で絶対に食べてはいけないもの」
ではなくて、大きなお祭りの前に、食事等の節制をして、
祭を迎える準備をすると言うもので、
食べたら罪だとか、食べたら地獄に落ちるというような
ものではありません。
もう1つ英語のページを。
https://www.expresstorussia.com/experience-russia/russian-new-year-recipes.html
Russian New Year's Recipes
こちらは、全くモノイミしていませんね。
でもサラダは多いです。
マヨネーズを使っていたり。(笑)
これが、アシタノカレッジの在露日本人の方が描写していたものに
一番近いでしょうか。