随分前に、アチャパチャノチャ考という記事を
書いたのですが。
アチャパチャノチャ考
http://www.tufs.ac.jp/blog/ts/p/tanana/2012/05/post_326.html
アチャパチャノチャ
https://www.youtube.com/watch?v=PSvhCRURGrY
そこでは、日本で、よく歌本に
「ラップランド民謡」として紹介されている
アチャパチャノチャ(アチャパチャノーチャ)は、
別にサーミ民謡ではないんでは
ないか?とこの歌だけの「証拠から論じたものですが、
その後、サーミ関係者のSさんに聞いて、
スウェーデンの歌、Gubben Noakと、
Björnen Soverと旋律が同じだと
いうことが分かりました。
Gubben Noak
https://www.youtube.com/watch?v=bGzDRNgi20o
Björnen Sover
https://www.youtube.com/watch?v=oehZtupL8I0
これらの歌の旋律だけ借りてきて、
日本語の音素配列論に従った
無意味語を並べただけのものであると
今は考えています。
つまり、旋律は借りてきたけど、
詞は、特に意味は無く、デタラメだと
いうことです。
で、今マダガスカルにいるのですが、
現地の楽器、Valiha(バリーハ)の土産物を
路上で売っている人がこの旋律を奏でているのを
聞いたりとか、
まだ言葉もあまり出てこない子供が
鼻歌で旋律を歌っているのを聞いたりして、
あ、ここでもローカライズされているんだなと
理解しました。
でも、Björnen SoverあるいはGubben Noak
のフランス語版、あるいはマダガスカル語版を
検索しても出てこないのです。
そこで、Rさんに聞いたところ、
ご本人は分からなかったのですが、
周りの人に聞いてくださって、
辿り着きました!
Tia Zaza
https://www.youtube.com/watch?v=RiZmDpnI-MQ
「われらがイエス様は子供たちを愛している」
っていう、こどもさんびかになっていますね。
旋律だけが借りられて、ここでも全く歌詞は関係ない
ものになっています。
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ところで、別件ですが、マダガスカル語の「音論」の説明で、
zは摩擦音の[z]、jは破擦音の[dz]って書かれているのが
ほとんどだと思うのですが、どうも、前者が後者に
合流しかけているようなのです。
jは常に[dz]なのですが、zは[dz]だったり、[z]だったり、
母方言の影響だったり、年齢層なんかでも違うと
思います。
いろんな流行歌のビデオクリップを見ていても
完全に合流している人と、そうでない人といますね。
で、このTia ZazaのZazaは、この音源では、
[dzadza]になっちゃってますね。
[z]と[dz]は、マダガスカル語の学習者は、
ポーランド語や、マケドニア語のときのようには、
注意深く区別しなくて、構わなそうです。