「女と男の間」
先日、件の会食のとき、
手話についてよく出す例で、
「母」を、日本手話と、アメリカ手話と、
マダガスカル手話でやって見せて、
「違うでしょう?」ってのやるんだけど、
その流れで、「アメリカ手話では、
顔の上半分が男で、下半分が女なんですよ」
って話をしたら、とある商社の方が、
「今みたいに、男と女の境界が曖昧になってきたら、
どう表現するんでしょうかねえ?」
と。
酒の席の冗談のつもりだったんだろうけど、
まあ、ど直球で来たな、と。
まあ、真面目なことを言うと、
音声・書記英語で、she, heの代わりに
theyを使うことが出てきているように、
それは、アメリカ手話の母語話者が
工夫していくことだと思うんです。
それを、外野の我々が作るわけにはいかないし、
ネイティブサイナーのコミュニティーで、
どう作っていくのかを見守るしかないでしょう。
その酒の席で、アメリカ手話の「将来」のことは
わからないので、答えなかっったと思うんだけど、
ちょっと、この国にいるサリンバービ(おかま)
のことを話題にしたら、隊員さんも
ほとんどご存じなかった。
サリンバービっていうのは、
異性装・女装をする人で、
中には、街角に立って
主に白人の旅行者などを相手に
体を売ることを生業としている人もいる。
ってか、田舎は別にして、
都会だと、サリンバービ以外の
性的少数者って、
可視化されていないんですよ。
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「この国の性的少数者はどこにいるか」
その昔、世界G旅行ガイドブック的なもので、
まだ冷戦時代の、旧東欧だと、
Gバーなど無く、
掲載されているのは首都の鉄道の
主要駅前の「8点音入れ」だけだったりした。
あるいは、どこどこの浴場、
サウナが8点場になっている
っていう情報があったぐらいでした。
翻って、今のマ国では、
そんなのも無いです。
以前はどうだったのかわからないけど、
今は、割とネット上の出会い系で、
異性の出会いのついでに、
同性の出会いもできるようになっていて、
それで、旅人と出会う人が多い
感じですね。
ローカル同士はあまり出会わない。
あ、でも、とある仏人の手芸家の
お店では、とびっきり可愛い
マ人の男の子が店番してるんだよね。
この国では、まだ当分は同性婚は
できないだろうけど、
まあ、「そういう関係なんだろうな」とは
思いました。
ネットの出会い系については、
僕も出版物に書いているんですけど、
もうそんなもの、あまり読まれなく
なっているんでしょうかね。
出てから数年は、
結構、どう扱ったらいいか
わからない感じの振る舞いの人が
多かったです。<笑>
ある隊員のお父上は、
プロテスタントの教会員で、
「同性愛者もいていいと思います!」
っていうメールをくださいました。
まあ、精一杯だったんでしょうね。<笑>
ご自分の中のホモフォビア、
教会で醸成されたホモフォビアと
目の前のGを比べて、
それが妥協点だったんでしょう。
ってか、多数派に「認めてもらわなくても」
存在しているんです。
存在が先であって、権利とか人権とかは
それに付随してくるもの。
認める、認めないって話じゃあ、
元々ないんです。