献血後に新型判明で製剤回収
http://mainichi.jp/select/science/news/20090915ddm041040087000c.html
「献血後に新型インフルエンザの感染が判明した献血から作られた血液製剤を日本赤十字社(本社・東京都)が回収していたことが14日、分かった。」
インフルエンザや、献血が問題なのではなく、
言語学の話。
1つ目の「献血(後)」は、「血を献ずること」という
動詞句的な意味。
2つめの「献血」は、「献ぜられた血」という
名詞句的な意味。
日本語の、VN型複合語(動詞的要素が先に来て、
次に名詞的要素が来る複合語)は、
このように、動詞句的解釈と、名詞句的解釈が
できるものがあります。
これは、動詞と名詞の区別が曖昧という
手話諸言語や、北アメリカのいくつかの
言語に連なる現象だと考えます。
ただ、日本語の場合は、日本語の文法全体に
関わる問題ではなく、ごく一部の問題と
なっています。
同様に、焼肉は、「肉を焼くこと」という
動詞句的意味と、「焼かれた肉」という
名詞句的意味を持ちえます。
前者は、「今日は、焼肉しよう!」の
ような文に見られますし、
後者は、「この焼肉美味しいね」の
ような文に見られます。
私は、これは、そもそも、中国語から
動詞プラス名詞という語順の複合語の
タイプが入ったゆえ存在するものと
考えていますが、その歴史的検証は
していないので、それは、日本語史の
専門家の手に委ねなければなりません。