支援室活動紹介

多文化コミュニティ教育支援室では、以下の活動を通じ、学生によるボランティア活動を支援しつつ、さまざまな言語や文化をもつ人々が共生する現代社会の求める人材を育成しています。

学生ボランティア活動のフォローアップ

学生たち個人やグループ内では調整不可能な問題の解決にあたります。例えば、グループ内では対応不可能な言語ボランティアを紹介します。また、ボランティア活動にどうしても必要な経費の一部を支給します。活動に関する相談窓口を設け、活動を進めていく上で生じたトラブルに対処します。

また、現場の人々や学生から寄せられる要望を聞き、適宜対応します。学生に対する広報活動に協力し、ボランティア活動に対する学生の意欲を高めます。

現在活動している学生ボランティアの取り組みは、次のとおりです。

(1)在日外国人児童生徒への学習支援活動
府中国際交流サロン
・府中市内の小中学校(府中市教育委員会からの依頼で実施)
・その他(川崎市の小中学校など)
(2)小中学校での国際理解教育活動の実施
・川崎市内の小中学校(川崎市総合教育センターの仲介で実施)
・府中市内の小中学校(府中市教育委員会の仲介で実施)
・品川区立杜松小学校「すまいるスクール」
・大泉ブラジル青少年フェスティバルへの参加
・その他(新宿区立大久保小学校など)

教育研修プログラムの実施

教育研修プログラムは、外国人児童生徒の学習支援等のボランティア活動を行なうことを教育の一環として捉え、多言語多文化化する現代社会に求められる人材を育成しようとするものです。

2005年度・2006年度には、夏季に、「多言語多文化共生学講座――外国人児童生徒の学習支援ボランティア入門――」を実施しました。

この入門講座では、外国人児童生徒の学習支援ボランティア活動に携わる、あるいは将来携わりたいと考える学生に対して、ボランティア活動に必要な知識や技能を修得するための教育研修を行っています。年に2回、1日4コマ×1週間の集中プログラムとして開講しました。

現在、日本でニーズがとくに高い外国語は、ポルトガル語、スペイン語、中国語、朝鮮語、フィリピン語、ベトナム語、英語などですが、本学はこの言語のすべてを主専攻としてカバーしています。また、外国人児童生徒のための日本語指導についてもかねてから研究に取り組んでいます。教育研修プログラムでは、こうした本学の強みを生かした外国語や異文化理解のほか、カウンセリングや日本の小中学校の教科教育についての知識なども身に付けられるようにします。

プログラムはそれぞれの専門家による授業と、実践的なワークショップ型の授業などで構成されます。全プログラムを受講した学生には、受講修了証が授与されます。

国際理解を深めるための各種講座

外国人児童生徒の問題は多くの場合、地域社会の無理解によって引き起こされます。外国人児童生徒が疎外感を味わうことなく周りから温かく受け入れられ、地域社会にも自然に溶け込める環境を作り出すためには、日本人児童生徒や保護者、教師など、外国人児童生徒を取り巻く人々にも働きかけていく必要があります。

そこで支援室では、地域社会において国際理解を深めるためのさまざまな講座を開講します。日本人に対しては、児童生徒や地域住民対象の国際理解講座や、教師や自治体職員対象の諸外国語講座を開きます。国際理解講座では、本学の外国人留学生と日本人学生がペアとなって、留学生の出身地域の言語・文化・社会について紹介します。外国人に対しては、児童生徒の保護者や地域住民を対象に、日本社会になじむことに役立つ日本語講座や日本文化・社会講座を開きます。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)