メールマガジン第55号

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【多文化コミュニティ教育支援室メールマガジン】
                       第55号2010年10月29日
      文責:田中
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支援室HP:/blog/ts/g/cemmer_mclsc/ja/

 学生ボランティアの皆さん
夏休みが明けて早1ヶ月近くが経ち、
キャンパス内はすっかり外語祭モードですね。
料理店に、語劇に、野外ステージに・・
みなさんの語科やサークルはどんな出し物を準備していますか。
「なかなか授業に身が入らない」なんて方もいると思いますが、
バランスを取りつつ準備を進めていきたいですね。

今回の支援室メルマガでは、夏休み中に開催された日本語指導教室や
ジュニアスポーツアジア交流大会の様子をお届けします。

★☆******お知らせ************************★☆
9月より奈良部さん(日本語・学習支援専門員)の勤務日が、毎週火・水・
木曜日に変更になりました。
連絡や相談がある方は、曜日変更にご注意ください。

★☆******注目トピック************************★☆
▼調布国際交流協会 調布市立学校 日本語指導教室【夏休み活動報告】
調布国際交流協会が週2日運営する子どものための日本語教室にて、11名の
学生ボランティアらが支援に取り組んでいます。
夏休み中も8月17日~31日のうち7日間、平常活動している学生ボランティア
に加え他教室の学生ボランティア7名を助っ人に迎え、子ども
たちと学習に励みました。

教室の詳細はこちら:
http://www.city.chofu.tokyo.jp/www/contents/1220323788521/index.html

普段、府中国際交流サロンの児童日本語教室にて活動している菅野さん
(カンボジア語専攻)に体験談を伺いました。

田中:サロンの児童日本語教室と調布の日本語指導教室では、どのような点が違
   いましたか。
菅野さん:小中学生中心という年齢層では変わらないのですが、サロンの児童日
     本語教室が中国出身の子が圧倒的多数なのに対し、調布は中国、イン
     ドネシア、南米の方からの子も多く様々でしたね。

田中:サロンの児童日本語教室は学生が運営していますが、調布の方は教育委
   員会が国際交流協会に委託して開かれている教室ですよね。
菅野さん:調布の方は学校を通じて教室への参加手続きをとるため、子どもたちの
     学校での様子も分かるのが良いですね。サロンの児童日本語教室でも
     保護者会を開いてその点をカバーしようと試みています。

田中:調布には元教師のボランティアの方もいらっしゃるとか。
菅野さん:勉強を始める際に挨拶をしたり、学校っぽい雰囲気やサロンにはない
     静けさがあるのに驚きました。

田中:ぜひサロンにも取り入れたいポイントは何ですか。
菅野さん:調布の教室のコーディネーターの方のように、教室全体を見ている人が
     一人いるのは大きいですね。普段担当しているのとは違う子を見る際の
     フォローもできますし。サロンでも情報共有を密にしたり、教材をより効果
     的に活用していきたいです。

―日ごろ通う教室と違う現場を見ることは「まさにカルチャーショックだった」という
菅野さん。同時に、自分の教室への愛着も再確認したそうです。今度は調布の日
本語指導教室から府中国際交流サロンに学生ボランティアが見学に来るなど交流
が活発化するきっかけになりました。

*関連記事:下記募集中コーナーにて、学習ボランティアを募集しています。

■□■学習支援活動■□■
子どもたちと交流しながら勉強をサポートする学習支援活動。
新たなボランティアを随時募集しています。

======!募集中!===============
▼ 江戸川区立葛西中学校 
学校:江戸川区立葛西中学校(地下鉄東西線 葛西駅より徒歩12分)
日時:11月9日(火)13:30~15:30
12日(金)14:16~16:15
学年・性別:中2男子(ブラジル出身)1名 ※9日(火)
      中3女子(ペルー出身)1名 ※12日(金)
      中3男子(中国出身)2名 ※12日(金)
交通費:1回2,000円
*ゆっくりと丁寧なサポートができれば専攻語は問いません。

▼府中市立第六小学校
学校:府中市立第六小学校(府中市天神町4-4)
学年・性別:5年生 男子
母語:中国語
日本語レベル:日常会話はOK。問題文の日本語の理解が困難なため、
       算数にも課題が残っている。
日時:相談の上決定
交通費支給:実費(多磨~支援先最寄り駅)

▼府中国際交流サロン 児童日本語教室
毎週金曜日夕方 府中市役所内で行われている府中国際交流サロンの児童日本
語教室。
現在は14名の子どもと18名の学生が一緒に学んでおり、一緒に活動してくれる
仲間を募集中です。

場所:府中国際交流協会(府中駅北第2庁舎3階)
対象:府中市内の外国につながる小・中学生
日時:毎週金曜日 17時~18時半
交通費支給:あり

▼調布国際交流協会 調布市立学校 日本語指導教室
調布市内に在住する日本語を母語としない子どもたちに日本語と教科学習の支援を
してくれる仲間を募集中です。

場所:調布市教育会館(調布駅より徒歩5分)
日時:毎週水曜日15時~17時
    土曜日10時~12時(どちらかのみの参加でもokです)

*以下の「進行中・予定」欄で夏休み中の活動報告を読めます。

参加申し込みや問い合わせはこちら:
多文化コミュニティ教育支援室(206教室)
担当:奈良部、鈴木
042-330-5428
t-shien@tufs.ac.jp


======*進行中・予定*============
▼府中市、調布市学習支援ボランティア
  学生たちが府中市および調布市の小中学校に出向き、フィリピンや中国など
外国につながる子どもたちに日本語を教えたり、学校の勉強のサポートを継続して
います。

▼武蔵野市第四中学校内 学習センター すてっぷルーム 
 武蔵野市帰国外国人教育相談室が主催し、武蔵野市第四中学校内学習セン
ターで 毎週水曜日に行われている「すてっぷルーム」。 ここでは、学芸大学など
複数の大学からの学生ボランティアと日本語の先生が一緒になって、外国から来
た子どもたちや帰国生の学習支援、交流を行っています。

■□■国際理解教育■□■
========!募集中!=============
▼川崎市立はるひ野小学校 【メンバー追加募集】
小学校での「外国語活動」の時間に、「コミュニケーション」をテーマにワークショ
ップをやらせてもらうことになりました。実践に参加してくれる方を募集中です。

場所:川崎市立はるひ野小学校(小田急線「はるひ野」駅より徒歩5分)
交通費支給:あり
実施予定日:12月10日(金)小学校の時間割で1時間目~6時間目に行います。
*当日は部分参加(1日中いられなくても)可能

対象:6年生3クラス (2コマ×3回)
募集人数:5人程度

今のところ、「皆さんは、乗っていた船が嵐に遭って、ある島に流れ着きました。こ
の島に住む人たちには、日本語も英語も通じません。でも、壊れた帆を直して日
本に帰るためには、島の人たちに助けてもらわなければ…」という状況設定で始ま
る、「難破船ゲーム」を予定しています。10月28日(木)昼休みに初回ミーティング
が開かれましたが、まだまだ人数が足りません。興味のある方はぜひご連絡くださ
い。

参加申し込みや問い合わせはこちら:
担当:木下、岡崎(火・木・金)
電話 042-330-5428
メール t-shien@tufs.ac.jp

========*準備進行中*=============
▼はるひ野小中学校 国際理解教育実践
 6月に小学5年生を対象に国際理解教育を実践した川崎市立はるひ野
小中学校で今月末、再び実践を行います。

日時:10月29日(金)
場所:川崎市立はるひ野小中学校
対象:中学校1年生(2クラス65人)
内容:「多文化共生」をテーマにした実践.

当日は、世界の白地図を使った「地図埋めゲーム」や、様々な色のシールを用い
た「仲間探しゲーム」を実施予定です。今回リーダーを務める小山さん(ウ
ルドゥー語専攻)に意気込みを伺いました。

「メンバーは皆それぞれ個性的で色んな意見が出てきますね。リーダーとして、
自分の至らなさや申し訳なさを感じる半面、言葉だけでなく行動を伴わねばと感
じています。今回のテーマは『多文化共生』ではありますが、中学生にはぜひ、
これをきかっけに周りの人間関係も見直して欲しいですね」

▼高校生のための国際理解セミナー
毎年夏と冬に行われている高校生のための国際理解セミナー(通称グローバルセ
ミナー;グロセミ)が今期もやってきます!「多文化共生」をテーマに、外大キャンパ
スを舞台にして、全国から参加する高校生約40名を対象とした2日間のセミナー
を企画しています。

実施予定日:12月25日(土) 26日(日)
場所:東京外国語大学内
対象:高校生約40名
10月26日(火)に初回ミーティングが開かれました。毎回熱い話し合いが繰り広げ
られているグロセミ。次号メールマガジンではメンバーの意気込みをお届けしま
す。



 ■□■その他の活動■□■
========*報告*=============
▼ CEMLA夏期集中講座
相模原女子大学高等部を中心とする神奈川県内3つの高校が参加するプロジェ
クトCEMLA(Center for Multicultural Leaning&Activities)。本学国際理解
教育専門員木下さんが講師を務める、夏期集中講座「多文化フィールドワー
ク」(8月10日~12日)にて支援室登録学生4名もボランティアとして補佐を担当
しました。

当日は、相模女子大学高等部と神奈川県立青陵高校から20名が参加しました。
韓国・朝鮮の文化や、そこにルーツをもつ人々の生活に目を向けることを狙いに
3日間を通して、映画を題材にしたディスカッションや、川崎市桜本地区での朝鮮
学校見学や街歩きをしました。

高校生のサポートを務めた柴田さん(ドイツ語専攻)、柳川さん(朝
鮮語専攻)に感想を伺いました。

田中:対象は高校生でしたが、2人にとって印象に残ったこともありますか。
柴田さん:2日目に伺った川崎市のふれあい館の館長さんから、公立高校に通っ
     た在日韓国・朝鮮人の子がいじめにあい、その後どんな大人になったか
     という話はふれあい館の長年の歴史を感じました。
柳川さん:僕も同じふれあい館のスタッフの方から聞いた「自分の疑問の井戸を深
     めていって欲しい。そしたら水がきっと沸いてくる」という言葉が印象に残
     りました。 

田中:3日目になると、高校生の顔付きが変わった、なんていうことはありましたか。
柴田さん:「いじめられるのに、なんで日本に留まるのか」ということを悶々と考えて
      いる子たちがいて。答えを求められたこともありましたが、それは自分た
      ちで考える必要があるんですよね。最終的には、そのことに気づいてもら
      えたと感じています。
柳川さん:3日間だけの付き合いと思えないほど、他校同士ながら意気投合してい
     るグループも。彼らの先生方が「普段見ている生徒たちがこんなに真剣
     に考えるとは思わなかった」と驚いた感想も最後に頂くことができました。

―充実したプログラム内容はもちろんですが、柳川さんや柴田さんも真剣に向き
合ったからこそ高校生もそれに応えてくれたのではないでしょうか。来年のプログ
ラムも今から楽しみですね。

関連記事:「学生の声」にて参加した高校生の感想を読めます。

▼MIA(武蔵野市国際交流協会)分科会
 7月30日(金)に開催された第9会MIA夏期教員ワークショップの分科会にて
昨年度外語祭で多文化語劇「WA-月餅on theせんべい-」の上演に携わった
学生ボランティア3名が、体験談を伝え、小中学校教員約10名と意見交換を行い
ました。

関連記事:「支援室インタビュー」にて参加した林さん(中国語専攻)

▼2010ジュニアスポーツアジア交流大会
 8月27日~29日に開催された2010ジュニアスポーツアジア交流大会(東京都等主催)
にて本学から9名7言語の学生が語学ボランティアを務めました。
バンコク、デリー、ジャカルタなどアジア16都市の子どもたちが集まり、バドミントン
と柔道で交流試合を行いました。学生らは大会開催前の浅草などの都内観光、茶
道体験など文化交流も含めたサポートをしました。デリー(インド)チームのサポー
トを務めた小澤さん(ヒンディー語専攻)に感想を伺いました。

田中:大会全日程でボランティアを務めましたが、特に大変だったことは何ですか。
小澤さん:16歳~18歳の柔道選手男女10名のチームを担当していました。ほと
     んどの子が、敬虔なヒンズー教徒で、ベジタリアンなんですね。天ぷらも
     汁のだしに動物性のものが入っていたらダメだったりして。肉の入ってい
     ないカレーを買いに走ったことも何度か・・。

田中:予想外の出来事でしたね!日本では日頃あまり体験しない感覚というか・・
小澤さん:感覚と言えば、時間の感覚も大分ずれていました。バスの出発時間に
      デリーチームはいつも遅れて、他チームに「すみません・・」というパターンがしばしば。

田中:色々と大変なことも多かったようですが、最終日は見送りにまで行ったとか。
小澤さん:確かに困らされることは多かったのですが、なんていうか人なつっこくて
      にくめない人柄なんですよね、みんな。今も国際電話やインターネットを
      通じて連絡を取り合ってますよ。

-語学ボランティアにチャレンジしたことで、ヒンディー語へのモチベーションも
上がったという小澤さん。専攻語を使う機会以上に素晴らしい思い出を得たようですね!

 大会ホームページはこちら:
http://www.jsa2010.jp/index.html

========*報告*=============
▼うりぬり
朝鮮語専攻の学生と、韓国の留学生が中心となって活動している団体で、主に小
中学校での文化交流や勉強会、日韓の学生間交流を行っています。興味のある方は、
まずはミーティングを覗いてみてくださいね。
 
 ミーティング:毎週金曜日昼休み 講義棟209教室にて
☆うりぬりのHPで写真入りブログを見れます:
http://blogs.yahoo.co.jp/gaidai_urinuri


▼Amigos  
 ポルトガル語専攻の学生が中心となり地域の外国人児童生徒に対しての日本語
による学習支援や、ブラジルに関する文化交流などに取り組んでいる団体です。
夏休み中は、 ブラジル人学校訪問や静岡県浜松市での合宿中に小学校での学
習支援などを行いました。
合宿でフィリピンの小学1年生の男の子を担当した望月さん(ポルトガル語
専攻)に感想を伺いました。

「担当した子はほぼ英語しか話せないため、先生の指示を通訳し、他の子どもと
同じように学校生活を送れるようにお手伝いをしました。まだ来日して2週間し
か経っていないため、勉強はもちろん学校生活そのものにもまだ適応出来てい
ないようでした。2日間限りの短い活動でしたが、担任の先生から『この子いつも
帰りの支度が遅くて苦労するんだけど、今日はとても早いです、ありがとうござい
ます。』と声を掛けて頂けたときは、自分のつたない語学でも人の役に立つこと
が出来たのだと嬉しく感じました」。

来月の外語祭では、ポルトガル語圏文化をテーマとすると武田千香教授と合同で
展示並びに、出稼ぎとして来日し、歌手として活動しているブラジルの方もお招き
する予定だそうです。

Amigosの活動に興味のある方はぜひ、ミーティングを覗いてみてくださいね。
ミーティング: 毎週月曜日昼休み 講義棟207教室にて

☆AmigosのHPで写真入りブログを見れます:
http://www.tufs.ac.jp/st/club/amigos06/

▼GIRASOL
 2007年、スペイン語専攻の学生で立ち上げた国際協力系サークル、ラテンアメ
リカの会GIRASOL(ヒラソル)。夏休み中は、日本ペルー共生協会が行っている
子どもたちへの学習サポートに取り組みました。今月16日(土)17日(日)に象の
鼻パーク(横浜市)で開催された横浜国際フェスティバルでもパネルを展示してきました。
さらに後期、外語祭では学習支援活動の報告やフェアトレード商品、メキシコの
先住民が作った民芸品の販売を行います。また、今年はワールドカップが開催された
ことにちなみ、中南米地域とサッカーの関係について展示する予定です。

「今年は1年生がたくさん入ったので、展示もパワーアップすること間違いなしなの
でぜひたくさんの人に足を運んでいただけたらと思います!」(代表の工藤さん:
スペイン語専攻)

昨年度はフェアトレードの毛糸のマスコットが人気だったGIRASOL。来月の外語
祭での活動もますます楽しみですね!

☆GIRASOLのオフィシャルブログはこちら:
 http://ameblo.jp/latinoamerica-girasol


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■学生の声 (特別編)
今回は、CEMLA夏期集中講座に参加した高校生の声を紹介します。

・私はいつも一つの見方しかできていないんじゃないか、日本人の見方だけでは
なく在日の人達からの見方もしなきゃ、いつまでも在日の人の気持ちは分からない
んじゃないかと思った。(中略)差別をしちゃだめだと常々考え思ってはいるが本
当の差別は相手の考えを理解しないできめつけることなのではないか・・?

・日本人は朝鮮に対する深い知識もないまま、朝鮮や朝鮮人、朝鮮学校などに否
定的な立場をとっている人が多いのではないだろうかと思った。だから、日本と朝
鮮の間には過去にどのような経緯があって今のような関係になっているのか、在日
の人にはどのような苦労があるのかというような事情を知り、知識として深める必要
があるように感じた。
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【支援室インタビュー】
 7月30日(金)に開催された第9会MIA夏期教員ワークショップの分科会に参
加した林さん(中国語専攻)にお話を伺いました。学習支援を受けた自
身の経験から見えてくる、よりよいサポートのありかたとは?

田中:林さん自身は中学2年生のとき、中国から来日しました。
林さん:当時は学校に慣れず友達とトラブルになったりして。一人で苦しい思いを
    抱えていました。でも、今になってみると、ひょっとしたらクラスの皆も私と                                                       の接し方に戸惑っていたのかな、と。そんなことをMIAで話しました。

田中:現役の小中学校の先生方10名ほどにお話ししたということですが、先生方
   の印象はどうでしたか。
林さん:自分たちで会を立ち上げて、外国につながりを持つ子どもたちの進路指
    導に取り組んでいる先生方がいたりと興味・関心の高さに驚きました。

田中:確かに、進路指導や受験制度は難しい問題ですよね。
林さん:中国や韓国では、高等学校へ進むのは自然なことなんですよ。その半面
    勉強と将来の結びつきが弱く、進学を重視しない国もあるそうで。でも日本
    では進学しないと仕事も限られてしまい、将来の生活に大きく関わります。
    日本に住んでいる以上は、自立できる進路を選ぶべきだと思います。

田中:林さん自身は、高校、大学と進学しました。
林さん:自分のことは自分で決める、というのが親の方針で。自分の意思で決めて
    きたと思うし、それで良かったと思っています。

田中:とはいえ、ボランティアとしてサポートする側となるとついお節介になってしま
   うことも・・
林さん:確かに、最初から最後まで支援したくなりますよね、きっと。でも、大事なの
    は子どもが自分でできることは自分でやらせることです。私自身も、中学入
    学後、通訳の方が付いて下さったのは最初の一週間のみでした。大変だ
    けど、その分頑張れることもあります。心を殺して、あえて手助けせず精神
    的な面でのサポートをするのも手ですよ。

田中:最後に、支援に取り組む学生ボランティアにメッセージをお願いします。
林さん:子どもが何を考え、求めているか心の声を聞いてあげてください。自分で
    外の世界を、日本をもっと見られるように後押ししてあげてくださいね。それ
    から何より、子ども自身を信じることです。

―自身の経験に基づいて、よりよいサポートのあり方を語ってくれた林さん。私自
身も、つい過保護になっているなと反省したインタビューでした。

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 編集者より

今月11日(月)に、ベトナムから来日して2年が経つ中学3年生
2人に付き添い「日本語を母語としない人たちのための高校進学ガイダンスinか
ながわ」に参加してきました。

普段私たちは日本語で話し、一緒に勉強しているのですがその日は話が込み入
るということで、ベトナム語通訳の方が付いてくださりました。
会場に着くなり、女の子の方が何かこそこそと通訳さんに耳打ちしました。
「いつも一生懸命、私たちのためにありがとうございます、だそうです」と通訳さん。
「日本語で直接『ありがとう』って言ってくれれば良いのに~」と思わず照れ隠しに

いってしまいましたが、もしかしたら彼女は日本語できちんと伝えられるか不安だ
ったのかもしれません。

自分の心からの気持ちを伝えるのにベトナム語を選んだ彼女。
私が日本語で返した「どういたしまして」はちゃんと伝わっているかなぁ。
そんなことを考えた休日の夜でした。

 ロシア語専攻 田中
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このメールマガジンに関する御意見、もしくは支援室の活動に関連して、学生にと
って有益な情報がございましたら、t-shien@tufs.ac.jp(支援室代表)までメール
にてご連絡いただければ幸いです。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)