MIA(武蔵野国際交流協会)分科会に参加しました

MIA(武蔵野市国際交流協会)分科会

 7月30日(金)に開催された第9会MIA夏期教員ワークショップの分科会にて
昨年度外語祭で多文化語劇「WA-月餅on theせんべい-」の上演に携わった
学生ボランティア3名が、体験談を伝え、小中学校教員約10名と意見交換を行い
ました。参加した林さん(中国語専攻)にお話を伺いました。学習支援を受けた自
身の経験から見えてくる、よりよいサポートのありかたとは?

―林さん自身は中学2年生のとき、中国から来日しました。

林さん:当時は学校に慣れず友達とトラブルになったりして。一人で苦しい思いを
    抱えていました。でも、今になってみると、ひょっとしたらクラスの皆も私との
    接し方に戸惑っていたのかな、と。そんなことをMIAで話しました。

―現役の小中学校の先生方10名ほどにお話ししたということですが、先生方
  の印象はどうでしたか。

林さん:自分たちで会を立ち上げて、外国につながりを持つ子どもたちの進路指
    導に取り組んでいる先生方がいたりと興味・関心の高さに驚きました。

―確かに、進路指導や受験制度は難しい問題ですよね。

林さん:中国や韓国では、高等学校へ進むのは自然なことなんですよ。その半面
    勉強と将来の結びつきが弱く、進学を重視しない国もあるそうで。でも日本
    では進学しないと仕事も限られてしまい、将来の生活に大きく関わります。
    日本に住んでいる以上は、自立できる進路を選ぶべきだと思います。

―林さん自身は、高校、大学と進学しました。

林さん:自分のことは自分で決める、というのが親の方針で。自分の意思で決めて
    きたと思うし、それで良かったと思っています。

―とはいえ、ボランティアとしてサポートする側となるとついお節介になってしま
 うことも・・

林さん:確かに、最初から最後まで支援したくなりますよね、きっと。でも、大事なの
    は子どもが自分でできることは自分でやらせることです。私自身も、中学入
    学後、通訳の方が付いて下さったのは最初の一週間のみでした。大変だ
    けど、その分頑張れることもあります。心を殺して、あえて手助けせず精神
    的な面でのサポートをするのも手ですよ。

―最後に、支援に取り組む学生ボランティアにメッセージをお願いします。

林さん:子どもが何を考え、求めているか心の声を聞いてあげてください。自分で
    外の世界を、日本をもっと見られるように後押ししてあげてくださいね。それ
    から何より、子ども自身を信じることです。

―自身の経験に基づいて、よりよいサポートのあり方を語ってくれた林さん。ボランティア                                     に取り組む学生にとって得るものが多いであろう、充実したインタビューでした。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)