多文化コミュニティ フィールドワーク 静岡県浜松市

多文化コミュニティ フィールドワーク 静岡県浜松市

 7月2日(金)・3日(土)の2日間、ブラジル出身の方を中心とする、外国につながりを持つ方が
多く暮らす静岡県浜松市にてフィールドワークを実施し、学部2年生~4年生まで計6名の学生が
参加しました。青山亨教授(多言語・多文化研究センター 副センター長)らと共に、外国人学習
支援センター、南米系外国人学校、NPO法人主催の母語教育支援教室、日本語・学習支援に
携わる学生サークルなど訪ねました。行政、NPO、学生など様々な立場からの多文化共生の街
づくりを見ることで、参加学生にとって濃い2日間になりました。

 参加した小俣さん(ポーランド専攻)に感想を伺いました。

―今回、この活動に参加しようと思ったきっかけは何ですか。
小俣さん:今年5月に、上野動物園で外国につながりを持つ子どもたちとの写生会に
      参加したんです。そこで日系ブラジル人の子と出会って、見た目は日本人
      なのに日本語が分からず、目を合わせてくれないことが私にとって衝撃的でした。
      写生会自体は楽しかったのですが、子どもたちの無邪気な笑顔の裏にある問題を
      知りたいと思っていました。

―そしたらちょうど、フィールドワークがあることを知った。
小俣さん:これは行かねば!と(笑)

―NPOや国際交流協会など様々な団体を訪ねましたが、一番印象に残っているのは。
小俣さん:南米系外国人学校の校長先生のお話です。学校を創設するまで、地域住民の
      反対や資金難など色んな困難があって。「誰にでも批判をするのは簡単なんです」
      とキッパリ仰った先生の姿が印象的でした。私財を投げ打ってまで学校を守って
      きた方だからこそ、言葉に重みがある。今まで人の批判をしがちだった自分を
      反省しました。

―一緒に参加した学生の印象はいかがでしたか。
小俣さん:秋田と新潟出身の「将来は地方行政に携わりたい」というお二人がいて。
      浜松での経験を活かし、将来地元でパイオニア的な存在になる勢いを感じました。
      他にも、実際にAmigosで在日ブラジル人児童の支援をしている方は、ブラジル料理店
      で店員さんとポルトガル語で話すなど、自分とは違った面を見れていると感じました。

―今後、こういうフィールドワークに参加してみたいと思っている学生の方にメッセージ
    をお願いします。
小俣さん:学校での勉強ももちろん大事ですが、それ以上に自分自身が経験したことというのは
      真実味があります。同じものを見ても違う捉え方がある、そんな当たり前のことに
      今回私は気づきました。新しいことにチャレンジすると、そこから広がるものがありますよ!

―小俣さんは「今回のフィールドワークに参加しなければ、メンバーにも出会わなかった」と、現地はもちろん
外大生との出会いについても語ってくれました。
今後、参加学生で11月の外語祭やAdd-on授業内での報告会実施を検討しています。


2010年1月に開館した浜松市外国人学習支援センターで
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前回3月のフィールドワークで外大生が体験した講座の掲示物も完成していました

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南米系外国人学校 ムンド・デ・アレグリアを見学
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学生ボランティア団体CSN浜松との意見交換会
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在日ブラジル人の方を中心とするカポエラサークルが商店街で披露してくれました
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カポエラに使う楽器も見せてくれました
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NPO法人 浜松外国人子ども教育支援協会TOMO2(ともに)の母国語教室を見学
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浜松国際交流協会(HICE)にて。担当して下さった職員さんは外語大の卒業生でした
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多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)