メールマガジン48号

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【多文化コミュニティ教育支援室メールマガジン】                         第48号2010年2月3日  文責:田中○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○●○
支援室HP:/blog/ts/g/cemmer_mclsc/ja/

学生ボランティアの皆さん
お正月気分もいつのまにか抜け、あっというまに2月ですね。
テストやレポートに追われて皆さん毎日忙しいことと思います。
勉強の合間にはみかんを食べて、ゆず風呂に入って・・
この季節ならではのリラックス方法を見つけて元気に乗り切りたいですね。

さて、支援室メールマガジン49号をお届けします。
入賞のニュースから交流会の様子、座談会のお知らせまで今月も内容もりだくさんでお届けします。

★☆******注目トピック*******************************★☆
★☆「あなたと出会う国当てゲーム」 グローバル教育コンクール2009入賞!★☆

12月末に発表された「グローバル教育コンクール2009」(外務省主催)にて、柴本さん(カンボジア語専攻)らが制作した教材「あなたと出会う国当てゲーム」が素材部門の佳作を受賞しました。このコンクールは、地球や世界が抱える様々な問題を子どもたちに身近に理解させ、望ましい開発のあり方を考えさせ、行動できる人材を育成するための教材や活動報告を募集したものです。

今回受賞した「あなたと出会う国当てゲーム」は、画用紙に描かれた世界地図の上に、子ども時代の思い出などヒントをもとにその国の出身だと思う学生の写真を置き、彼らのインタビュー映像をもとに答え合わせするというもの。
ゲームに込めた柴本さんの思いは支援室インタビューにて。

関連記事:支援室インタビュー


★☆日本人学生と留学生の交流会が行われました☆★
三カ国のお菓子を味わい、留学生たちとの交流を楽しむ、留学生・日本人学生交流会が1月22日(金)に国際交流会館2号館の交流ホールにて開かれました。
留学生支援の会と多文化コミュニティ教育支援室が共催するこの交流会。7月に続き、今年度2回目となる今回の交流会では支援室の11名の学生と共にグアテマラ共和国、オーストリア共和国、スロバキア共和国の留学生5名が運営に携わりました。
会場を訪れた参加者は、留学生と日本人学生が手作りした各国の伝統的なお菓子やお茶を味わいながら、歴史や文化を紹介するプレゼンテーションに聞き入りました。

グアテマラ出身の留学生、レオネルさんらが用意したのは、とうもろこし粉にトマトソースや鶏肉を混ぜ、とうもろこしやバナナの皮に包んで蒸した「タマレス」というお祝いの料理。「グアテマラの特別な日の料理を、日本の皆に知ってもらう良い機会」 と笑顔で語ってくれました。前日22時まで一緒に準備したという田村さん(スペイン語専攻)も「普段ひとくくりにされがちなラテンアメリカですが、こうして一つの国に焦点を当て知ってもらえるのは嬉しいですね」と話してくれました。

★☆支援室座談会を開催します!☆★
毎年2月に行われている支援室の座談会。国際理解教育、学習支援の活動を通して感じたことを他の活動に携わった学生と共有してみませんか。

*学習支援座談会:2月16日(火)4,5限 408教室
*国際理解教育座談会:2月18日(木) 4,5限 210教室


☆★***これからの活動予定と報告 ******★☆
■□■学習支援活動■□■
子どもたちと交流しながら勉強をサポートする学習支援活動。新たなボランティアを随時募集しています。

=====!募集中!=====================
▼府中市立住吉小学校中国語を母語とする男の子を支援してくださる方を現在募集しています。学習支援経験の有無、専攻語は問いません。

▼江戸川区葛西中学校 期末試験前サポート期末試験前に生徒のテスト対策をお手伝いしてくださる方を募集しています。1回だけの参加も受け付けています。

2月17日(水)午後: 2:00~4:00 1名
2月18日(木)午前: 8:40~10:30 2名
2月19日(金)午前: 8:40~10:30 3名 
2月19日(金)午後: 2:00~4:30 3名
2月22日(月)午前: 8:40~10:30 1名
2月23日(火)午前: 8:40~10:30 2名 
*交通費支給あり*上記2つに関してのボランティア希望・問い合わせは氏名、学年と専攻語を明記の上 t-shien@tufs.ac.jp(支援室 和田・河北)まで

======*進行中・報告*============
▼府中国際交流サロン 毎週金曜日夕方に行われている府中サロン。
現在は学生と子どもたち計30名ほどで活動しています。今回は、サロンで支援を始めてもうすぐ4年目になる田向さん(スペイン語専攻)にインタビューしました。
インタビューの内容は別コーナー「学生の視点から」にて。 

▼川崎市ふれあい館
川崎市桜本地区にある、ふれあい館では毎週木曜日の夜と土曜日の昼間に学生たちが 学習支援活動を行っています。
ふれあい館HPはこちら:http://www.seikyu-sha.com/fureai/

▼調布市での学習支援
毎週水曜日と土曜日に、調布市国際交流協会日本語教室にて、小学生と中学生の生徒を、地域ボランティアの方と共に本学学生が支援しています。またこのほかに小中学校1校ずつでも支援活動に取り組んでいます。 

▼武蔵野市での小学校学習支援 
昨年11月より、武蔵野市内小学校にてフランスを母語とする小学6年生の 女の子を週1回ペースで支援しています。

▼武蔵野市第四中学校内 学習センター すてっぷルーム
 武蔵野市第四中学校内学習センターで行われている「すてっぷルーム」。 ここでは、学芸大など複数の大学からの学生ボランティアと日本語の先生が一緒になって、 外国から来た子どもたちや帰国生の学習支援、交流を行っています。

▼府中市学習支援ボランティア 
学生たちが府中市の小中学校に出向き、外国につながる子どもたちに 日本語を教えたり、学校の勉強をサポートしたりしています。

▼足立区での学習支援
足立区の1つの小学校で、ウルドゥー語を母語とする児童1名の支援を昨年から継続しています。

■□■国際理解教育■□■
========!募集中!=============
▼川崎市立橘高校 ワークショップ実践者募集!
川崎市内の高等学校から、3月にワークショップ「貿易ゲーム」をやって欲しいとの依頼が来ており、実践に参加してくれる学生の皆さんを募集しています。

日時:3月11日(木) 16日(火) 10:30~12:30
場所:川崎市立橘高校対象:同高校国際科の1、2年生
内容:「貿易ゲーム」の実践
募集人数:各回5人程度(どちらか1回の参加でも構いません)

学校のホームページhttp://www.keins.city.kawasaki.jp/5/ke500401/

「貿易ゲーム」は、世界の経済の動きを疑似体験し、経済のグローバル化と南北格差や国際協力について考えるワークショップです。国際理解教育の経験有無は問いません。まずは、一度、「貿易ゲーム」を実際に体験してみませんか。「実践には参加できないけれど体験してみたい!」という方も大歓迎です。

*うわさの『貿易ゲーム』を体験する会
 2月18日(木) 3限(13:10~14:40) 110教室


▼府中市立第五小学校 「外国語活動」での授業実践者募集!
小学校での「外国語活動」の枠を使い、コミュニケーションの面白さやどうしたら外国語学習が楽しくなるかを伝える授業をしてみませんか。

日時:3月1日(月) 2日(火)(どちらか片方の参加でも構いません。)
場所:府中市立第五小学校
対象:小学5年生 6年生 それぞれ2クラス 2コマ×4回(クラス)を行う予定です。
募集人数:8人~10人

学校のホームページhttp://www.fuchu05s.fuchu-tokyo.ed.jp/
*第1回ミーティング(予定) 2月5日(金)昼休み210教室にて

*橘高校での実践、「うわさの『貿易ゲーム』を体験する会」、府中市立第五小学校での実践への申し込み、詳細の問い合わせはこちら:t-shien@tufs.ac.jp(支援室 木下)まで

■□■その他の活動■□■
=======!参加者募集!=============
▼支援室全体座談会「注目トピック」でお知らせした、学習支援・国際理解教育それぞれの座談会に加え、 今年は田村さん(スペイン語専攻)の主催により、支援室全体の座談会も開催予定です。Amigos、GIRASOL、多文化語劇など自主活動に取り組む学生も交え、意見を 交換してみませんか。 
日時:2月19日(金)14:00~18:00
場所:参加人数により変更があるため後日連絡となります。
参加を希望される方は田村さんに2月7日(日)までに連絡をお願いします。 

========*予定*=============
▼多文化コミュニティ フィールドワーク多言語・多文化教育研究センターの企画により、3月5日(金)~6日(土)に1泊2日で静岡県浜松市を訪ねるフィールドワークを実施予定です。在日外国人の比率が高く、行政も早くからさまざまな取り組みを進めてきた浜松市を訪ね、現地の方や関係者と参加予定の学生が意見交換を行います。次号メルマガにて、参加者のレポートをお届けします。


========*報告*=============
▼うりぬり 
朝鮮語専攻の学生と、韓国の留学生が中心となって活動している団体で、主に小中学校での文化交流や日韓の学生間交流を行っています。今年は外語祭で朝鮮舞踊団とコラボ レーションした舞台を発表するなど、新たな試みを行いました。

▼Amigos 
ポルトガル語専攻の学生が中心となって活動している団体で、地域の外国人児童生徒に対しての日本語による学習支援や、ブラジルに関する文化交流などを行っています。来年度新代表には平田さん(ポルトガル語専攻)が決まりました。
ブラジルでクリスマスとお正月を過ごしてきた、前代表の岩下さんからコメントを頂きました。「新2年生の皆には、僕らはAmigosだよと胸を張って言えるように活動を引っ張っていって欲しいですね。僕自身は春から留学に行ってしまうのですが、今年度6月に円形食堂で行ったお祭り『フェスタジュニーナ』を来年度も開催するなどして欲しいです。」次号メルマガでは、新代表の平田さんへのインタビューを予定しています。

○AmigosのHPで写真入りブログを見れます:http://www.tufs.ac.jp/st/club/amigos06/

▼GIRASOL
 2007年、スペイン語専攻の学生で立ち上げた国際協力系サークル、ラテンアメリカの会GIRASOL(ヒラソル)。現在は毎週土曜日、町田でAJAPE(アハペ:日本ペルー共生協会)にて学習支援の手伝いや川崎市内中学校にてペルーから来た女子生徒の高校受験対策を行っています。また、他団体と協力し、ハイチ地震支援のためのパネル展示を現在計画中です。

○GIRASOLのオフィシャルブログはこちら:http://ameblo.jp/latinoamerica-girasol 

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■支援室インタビュー
今回は「グローバル教育コンクール2009」にて、「あなたと出会う国あてゲーム」で佳作を受賞した、柴本さん(カンボジア語専攻)のインタビューです。
「もよさん」の愛称で皆から親しまれる柴本さん。4年間を通して向き合った柴本さんの支援室への思いがつづられます。

-まずは受賞、おめでとうございます。受賞を知ったとき、どんな気持ちでしたか。 ありがとうございます。支援室スタッフの方は「もっと良い賞が取れたのでは」という反応でしたが、私としては「えー!そんな」と驚きと恐縮が大きかったですね。

-「国あてゲーム」は元々2年前に、小学6年生向けの社会科での授業実践のために作成したそうですね。
当時一緒に作成していた先輩方が卒業されて、私が3年生になるとき、支援室の仲間の手を借りて新たな留学生を加えるなどして更新版を作りました。

-「あなたと出会う」というタイトルにはどんな想いが込められているのでしょう。 実践やこの教材を作る過程で感じた、誰かと出会い、話し、つながりを持つことの大切さと温かさを込めました。

-この4年間、たくさんの学習支援や実践に関わってきたもよさん。その過程で自身の支援室との付き合い方は変わりましたか。 
一、二年生のときはとにかく興味・関心や楽しさで突き進んでいました。三年の夏に関わった 高校生のための国際理解セミナーが一歩立ち止まるきかっけに。自分のやってきたことの意味、進路、 人との関わりについてとても悩みましたね。 

-いつも笑顔の「もよさん」からは想像もつかないです。悩みから抜けたきっかけは。ここ(支援室)での出会いが、自分にたくさんの影響を与えてきたことに気づいたんです。それから、一つ一つのことや人とのつながりを大切にしよう、と。

-最近では、天気の良い日は、お散歩をするようになたそうですね。
そのときに草花の写真を撮るのも好きです。若さがなくなったみたい(笑)

-その写真をベースに、よく支援室に携わる学生に誕生カードを作っていますね。
 自分が大切に思う人だからこそ、何かしてあげたくなる。そうすることで自分自身もとても嬉しくなれ るんです。それがエネルギーになる。

-自分を大切にできるからこそ、周りを大切にできる? 

うーん、相互作用、ですかね。「もよらしいね」と言われて前は「えっ?」と思うこともありました。 でも、最近は周りのいう「もよ像」と自分で思う自分像がだいぶ重なってきた感じです。

-もうすぐ卒業する柴本さん。将来はどんな道に? 
学習支援や国際理解実践を通し「こういう形で先生として子どもたちと関わりたい」という気持ちが 増しました。小学校の先生を目指し、免許取得の勉強をします。

-最後に、これから皆さんにどんなことを大切にして欲しいか教えてください。
 人それぞれ大切なものも、その仕方も違うので一概に言えません。例えば私は、さぼおるでお茶を 飲むそんなひとときを大切にしています。「あたしはこういうことを大切にしています」と思えるものを、 大事にしてくださいね。

***************インタビューを終えて***********
いつも温かいお日様のような笑顔の柴本さん。大好きなアンパンマンを自分と一体化させた「もよパンマン」を編みぐるみにしてみたり、そんな朗らかさが皆を惹きつける理由かもしれません。一語一語丁寧に話してくれる、柴本さん独特の「もよイズム」溢れるインタビューでした。
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■■■■学生の視点から■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■
今回は、府中サロンで支援を始めてもうすぐ4年目になる田向さん(スペイン語専攻)にインタビューしました。田向さんのサロンの雰囲気作りへの気配りが伝わります。

-現在は、フィリピンから来た中学1年生の男の子を担当しているそうですね。 
毎週金曜日に、中学校で別の学生が佐々木さん(フィリピン語専攻)が支援し、放課後にサロンで僕と勉強する、という二人体制でやっています。友達のような感覚で、楽しくやっていますよ。

-3年間サロンに関わる中で、どんな風に意識が変わりましたか。
 Add-Onの授業をきっかけに支援室を知り、支援を始めました。当初は自分よがりで「勉強してもらうんだ」と型にはまってましたね。でも徐々に「学習支援よりも居場所づくりを」と思うようになって。

-子どもと同じ目線に立てるようになった、と。 
そうですね。一歩離れて見れるようになった気がします。こちらが一生懸命になって ばかりだと、子どもにプレッシャーを与えることがありますよね。全体を眺め、子どもの微妙な変化や些細なことに気づけるようになったかな。

-2年生時にはサロンのまとめ役であるコーディネーターを務めました。
 出欠確認や、市役所のサロン担当の方への報告、ミーティングの進行役などと務めてました。今コーディネーター、大前さん(ビルマ語専攻)と菅野さん(カンボジア語専攻)は保護者会を企画してくれたり、心強いですね。

-現在メーカーを中心に就職活動中の田向さん。忙しい毎日を乗り切るモットーは。 日本のものづくりを支えたいという想いで素材メーカーを希望しています。就職活動は落ち込むこともありますが、大事なのは「くよくよしない」ということ。金曜夜のサロンが息抜きの場になっています。皆さんも、自分の中での楽しみを大切に日々を過ごしてくださいね!

インタビュー中、終始笑顔を絶やさなかった田向さん。そのポジティブさに同じ就活生である筆者も励まされました。  

◆◆編集者より◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

1月末、墨田区にて路上生活者のための医療相談会をお手伝いしてきました。
集まったホームレスの方は30代~60代まで男女合わせて150人ほど。
「最近お体の調子はどうですか」と声を掛けた50代の男性から 「姉ちゃん、俺の娘に似てるな」 と言われはっと気づきました。
この男性にも、夫であり父親であった日々があったのだ。
私は今まで「ホームレス」というレッテルを貼って想像すらしてもみなかった。
ホームレスと一般人ではなくて 日本人と中国人ではなくて一人の人間同士として接する 相手を理解しようとする。
国際理解も路上生活者支援も、意外と似た部分がベースにあるのかもしれません。
帰り道、寒さに耐えかねて買った缶コーヒーの温かささえも贅沢に感じながらそんなことを考えました。

ロシア語専攻 田中
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このメールマガジンに関する御意見、もしくは支援室の活動に関連して、学生にとって 有益な情報がございましたら、t-shien@tufs.ac.jp(支援室代表)までメールにてご連絡いただければ幸いです。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)