支援室登録学生による外語祭中の自主活動-多文化語劇

支援室では、学生たちの自主的な活動において、学生からの要望や相談に随時対応し、
企画を実現するためのサポートを行っています。
今回はそのうち、多文化語劇団の活動を紹介します。


***多文化語劇「WA-月餅 on the せんべい-」上演大成功!****

 日時:11月21日(土) 18時20分~
 場所:研究講義棟101教室
 
スペイン語専攻4年生中村恵理さんを中心とする企画、多言語・多文化劇「WA-月餅 on the せんべい-」の上演が外語祭3日目の夜、上演を無事終えました。
開演前から会場前には長蛇の列が。出演者の友人や家族はもちろん、ビラや呼びかけを聞いた方も数多く足を止めてくれ、会場はほぼ満席。
主人公の水野月光は中国からやってきた小学6年生の女の子。初めての日本、分けも分からぬままやり過ごす授業、「月餅」とつけられたあだ名・・。ある小学校の教室の中の一人の少女を巡って起こる出来事を通し、多文化共生とは何かを問いかける舞台になりました。中国出身の大学院1年生 周首能さんが翻訳した「翼をください」を中国語で合唱し舞台は無事、幕を閉じました。ミュージカル風の演出、ユーモアのあるセリフ、一人ひとりの個性を活かした配役など、手作り感あふれる温かい雰囲気に会場は始終包まれました。
 
語劇に携わった中村恵理さん、黄海洋子さん(中国語専攻1年) 松島美恵さん(中国 語専攻1年)山内一優さん(ロシア語専攻1年) 周首能さん(大学院1年)にインタビ ューしました。

-脚本・演出を手がけた中村さんは、高校時代演劇部だったそうですが今回はいかがで したか。
中村さん:脚本を含め舞台をゼロからつくるというのは初めてで大変でした。でも、舞台って自分が今まで見聞きして体験してきたことを全て出せる場だと思うんです。今回も、メンバーの経験に基づいた話ですし。いかに観客に楽しみ、考え、そして見た後行動してもらえるかを工夫しました。

-松嶋さんは主役の水野月光を演じましたが、ご自身の経歴とかなり重なる部分がありますよね。
松嶋さん:月光役もそうですし、彼女を途中で突き放す中国出身のリン役がかつての自分と重なる部分もありました。実は劇中で歌った「翼をください」も私が小6のときに歌ったものです。まだ上手く日本語で歌えず劣等感を感じたあの時の思い出と、今まで練習してきたことを思い出しながら歌っていました。

-山内さんは、役者以外にも代表・制作としてメンバーを支えました。
山内さん:語劇局とメンバーとの間のスケジュール調整や物品の貸し出しなど、色々ハプニングはありましたね。他にもファッションショーのモデルを務めたり慌しい5日間でした。外語祭はひと段落着きましたが「これからが始まりだ!」と逆に意気込んでいますよ。

-月光の母親を演じた黄海さんは語劇を終えてどうですか。
黄海さん:間の取り方と照明とのタイミングの合わせ方が難しく本番もハプニングがありましたが、皆がアドリブで助けてくれました。練習の過程でいえば、中村さんが本当に輝いていて。良きリーダーとは何か、中村さんからみんな学んだと思いますね。

-劇中での周さんの観客へのメッセージは印象的でしたね。
周さん:支援室以外でもしゃべれる場を得て、皆さんに伝えてそして共有できた、というのは大きいです。

-最後に大仕事を終えた中村さんから、読者の皆さんにメッセージをお願いします!
中村さん:自分自身で見聞きしたものを大事にして欲しいです。そこで思ったことを、1対1でもどんな形でもよいから発信、アウトプットしてみてくださいね。そこから少しずつ、多文化共生の「WA」が広がっていくはずです。

舞台だけでは伝えきれない溢れるばかりの思いが一人ひとりから伝わってくるインタビューでした。今回の主役は月光でしたが、登場人物の誰をとっても物語が作れる舞台でした。そこが、観客の共感を呼んだのではないでしょうか。ひとつの終わりでなく、これが始まり。語劇メンバー皆の今後の活躍が楽しみです。

キャンパス入り口に飾られたアピール看板
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会場はほぼ満席
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オープニング
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「翼をください」を日本語と中国語で歌いました
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終了後、控え室での記念撮影
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多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)