一味違う英語の授業を提案!~府中市立住吉小学校国際理解教育実践~
平成23年度より全国小学校で導入される外国語活動の時間。
移行期間の現在、多くの小学校が英語の授業を開始しています。
多文化コミュニティ教育支援室でも創設以来初の試みとなる、
英語教育と国際理解教育の要素を取り入れた実践を4名の学生が行ってきました!
日時:10月21日(水)
3時間目及び 5時間目
*時間はそれぞれ45分。5時間目は研究授業枠のため、約30名の先生方も見学しました。
場所:府中市立住吉小学校
対象:5年2組(28名)
「タスク」(課題解決型活動)をキーワードに、3時間目に「茶番劇」、5時間目には「難破船ゲーム」という学生ボランティアによるオリジナルのワークショップを実施しました。
茶番劇は、与えられた3つの単語だけでお題のシチュエーションを班ごとに寸劇にし、観客に伝えるというもの。学生たちが意図した以上に、子どもたちは創造性に富み、言葉と体全体を使ってユーモアたっぷりに演じてくれました。わずかな単語だけでも、表情やイントネーションを工夫することで、「伝わる」ということを感じてもらうことができました。
一方、難破船ゲームは船が難破してしまい、気づけば地図にも載っていない未知の島(カオス島)へと漂着してしまったという状況設定の想像から始まりました。それぞれ異なる言語を話す島民に扮した3人の学生から、日本の住吉小に帰るための船に付けるマストを手に入れようとする子どもたち。子どもたちに与えられたのは、日本語・英語を含む5言語で、「こんにちは」「ありがとう」「おねがい」が書かれた「辞書」だけ。
身振り手振り、イントネーション、アイコンタクトを工夫し、子どもたちは苦戦しつつも交渉し、コミュニケーションの本質とは何かを実感する授業となりました。
「中学校に入る前に英語に対して苦手意識を持ってしまっている子どもがいる。言葉がないとコミュニケーションできないと思っている子どもたちを変えてあげたい!」との現場の先生の願いから実現した今回の実践。
授業後の先生方との意見交換では、「いきなり英語教育が始まって、文法重視の英語教育しか受けていない自分自身不安だらけで授業をやっている。そんな中今日の授業を見て、まずは『人とどう関わるか」』が第一に必要だと改めて思った。」との声を頂くことが出来ました。
小学校における英語教育は保護者からも賛否両論、現場の先生方も暗中模索というのが現状です。言葉を学ぶとはどういうことか、コミュニケーションとは何かという原点に立ち返り、夏休み中から話し合いを重ねてきた学生たち。住吉小学校の先生方にとっても、支援室の新たな活動分野としても、新しい可能性を見出せた実践になりました。
茶番劇のお手本を見せる学生たち
マストをゲットして住吉小学校に帰ろう!