メールマガジン39号

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【多文化コミュニティ教育支援室メールマガジン】

       第39号2009年2月5日

        文責:河原・田中
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学生ボランティアのみなさま:
 まだまだ寒い日が続く毎日ですが、2月4日は立春ですね。
みなさんの地元では節分にはどのような風習がありますか??

 さて、多文化コミュニティ教育支援室メールマガジンの第39号を送信いたします。
このメールマガジンは、月に一度のペースで配信し,、支援室の活動内容等を
お伝えするものです。

<注目トピック>

★留学生と日本人学生の楽しい交流会
 日程:1月21日(水)12時半~14時半
 対象:本学の学生(無料・自由参加)
 場所:留学生日本語教育センター1階交流室
 主催:東京外国語大学留学生支援の会 多文化コミュニティ教育支援室
 内容:ベトナム・カンボジア・インドの留学生が発表を行いました。
    ベトナムの留学生は旧正月が近いので今回はそれにちなんだ話を、インドとカンボジアの
    留学生は国、食べ物、宗教などについて話しました。
    その後、 事前に日本人学生と留学生が班になって手作りしたベトナム風ぜんざいのチェー・
    インドのチャイ・カンボジアのボボーといったお茶とお菓子を味わいながら楽しいひとときを
    過ごしました。
    会場は80人を越える参加者で大盛況となりました。

★新宿区立大久保小学校 国際理解教育実践
 日程:1月30日(金)、2月6日(金)
 対象:5、6年生合同(約50名)
 内容:学生と児童がタイ・韓国・中国3つのグループに分かれ、それぞれの国の民話をもとに、
     紙芝居なども取り入れながら「語劇」をつくる企画です。タイ・韓国・中国それぞれの国に
     つながりを持つ児童がクラスにいることで、皆で語劇を創る過程で何かを感じ、発見できたら
     というコンセプトで12人の学生が企画・準備を進めています。
     1月30日(金)に行われた第1回目の実践では学生が各国の物語を動画や紙芝居で説明し、
     皆で役割決めなどを行いました。次回は前半1時間で練習し、後半の1時間で各国の語劇を
     発表する予定で、子どもたちは紙芝居づくりや台詞覚えを進めています。
     参加しているスペイン語専攻の前島くんは「前回は子どもたちに劇に対する照れが
     あったので次回はもっと交流を深めたい」と語ってくれました。

★多文化コミュニティ教育支援室 国際理解教育・学習支援
 ボランティア募集説明会
 「支援室にボランティア登録はしたけれど、活動に参加しづらい・・」
「支援室って自由に出入りしていいところなの??」
 最初の一歩を踏み出すための、支援室スタッフによる気軽な説明会です。
 説明会は国際理解教育編と学習支援編の2つに分かれています。

 ☆国際理解教育編
   日程:2月17日(火)4限(14:50-16:20)
 3月6日(金)4限(14:50-16:20)
   内容:国際理解教育とは/学生が作った教材の紹介/過去の実践の紹介(ビデオ上映)/
今後の活動予定について/質疑応答
       (2回とも内容は同じです。)
   説明者:木下(国際理解教育専門員)他

 ☆学習支援編
   日程:2月17日(火)5限(16:30-18:00)
    3月5日(木)4限(14:50-16:20)
   内容:学習支援活動とは(地域の多言語・多文化化の現状)/学校での児童の様子(ビデオ上映)/
支援室における学習支援活動/学生が作った教材の紹介(子どもたちに必要なことば)/質疑応答
       (2回とも内容は同じです。)
   説明者:河北(学習支援専門員)他

 ※いずれの説明会も事前申込み不要、参加費無料、会場は多文化コミュニティ教育支援室です。
2009年、新たなことを始めるきっかけ作りに足を運んでみてはいかがでしょうか?

※※※※ これからの活動予定と報告 ※※※※

■学習支援活動


!募集中!
▼江戸川区立葛西中学校
場所:江戸川区立葛西中学校 日本語学級
   (地下鉄東西線葛西駅から徒歩15分ほど)
日時:2月16日(月)、17日(火) 16:00-17:00
      18日(水) 15:00-17:00
      19日(木)、20日(金)、23日(月) 16:00-17:00
      24日(火)、25日(水) 14:00-17:00
内容:学年末試験に向けての勉強のお手伝い
備考:タガログ語(英語)、中国語、韓国語母語の生徒が多い
    ※その他の専攻語でも大丈夫です。
問い合わせ:担当 和田 t-shien@tufs.ac.jp

NEW!
▼川崎市での学習支援
 川崎市内小中学校で、中国語を母語とする生徒3名に対し、学生4名がマンツーマンで
 学習支援を行っています。
 
NEW!
▼足立区での学習支援
 足立区の2つの小学校で1月より、ビルマ語を母語とする児童1名に対し、ビルマ語学生1名が、
 ウルドゥー語を母語とする児童2名に対してウルドゥー語専攻の学生2名が学習支援を行って
 います。

▼府中市学習支援ボランティア
 学生たちが府中市の小中学校に出向き、外国につながる子どもたちに日本語を教えたり、
 学校の勉強をサポートしたりしています。
 現在、小学校3校計3名に学習支援を行っています。

▼府中国際交流サロン
 毎週金曜の放課後、府中国際交流サロンにて学習支援活動を学生たちが行っています。
 8名の児童生徒に対して、15名の学生がサポートをしています。
 1月30日(金)には、学生が鬼に扮して豆まきをしたり、皆で歳の数だけ豆を食べたりして
 節分を楽しみました。

▼川崎市ふれあい館
 現在、3名の学生が地域のボランティアの方々と一緒に多くの児童生徒に対して学習支援を
 行っています。「DAGATクラブ」では、日本で生まれ育ちフィリピンを背景に持つ子どもたちが、
 フィリピンのことばや文化を学んでいます。

■国際理解教育活動


!募集中!
▼府中市立第四小学校
 日程:3月11日(水)13日(金)※変更の可能性あり
 対象:小学2年生
 内容:国語の教科書に載っている『スーホの白い馬』(モンゴルの民話)を手がかりに、モンゴル
    の生活文化を学び、国際理解を進める授業を行います。
    ※専攻語問わず参加して下さる方を募集しています。
    ※学校のホームページ http://www.fuchu04s.fuchu-tokyo.ed.jp/

!募集中!
▼府中市立第五小学校
 日程:3月6日(金)(予定)
 対象:小学6年生
 内容:卒業を直前に控えた児童たちに「夢」をテーマにした授業をしてほしい、というリクエストです。
  一般的な「国際理解」のイメージを超えた大きなテーマですが、何ができるか一緒に考えて
    みませんか?
  
●上記2つの企画に関する問い合わせ・参加応募先:
担当 木下・岡崎 t-shien@tufs.ac.jp

▼武蔵村山市立第八小学校
 日程:9月8日(月)  2回目の実践日については調整中です。
 内容:フレンドシップ校であるラオス・パチュドン校との交流とラオスについての文化理解を目的に
    行われます。

■その他の活動
 
▼うりぬり
 朝鮮語専攻の学生と、韓国の留学生が中心となって活動している団体で、主に小中学校での文化
 交流や日韓の学生間交流を行っています。

▼Amigos
 ポルトガル語専攻の学生が中心となって活動している団体で、地域の外国人児童生徒に対して、
 日本語による学習支援とブラジルに関する文化交流などを行っています。 


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■支援室インタビュー

▼今月は、支援室で活躍している学生にインタビューをしました。
 今回インタビューに答えてくれたのは、朝鮮語専攻田口くんです。

田中:まず始めに、支援室に関わるようになったきっかけを教えてください。

田口さん:Add-on Programの河北先生の授業で、フィリピン人とのハーフである小杉さんというゲスト
      スピーカーの方がいらした時、「アメラジアン」(アメリカ軍兵士とアジアの現地の人の子ども
      の意)という言葉を初めて知りました。その言葉は、祖父がアメリカ人である自分とも関わり
      があり、自分はマイノリティなのだとういうことに気づき「何か自分にできることは?」と思った
      のがきっかけです。

田中:今まで具体的にどんな活動をしてきたのですか?

田口さん:以前は友人のボランティアサークルで活動していましたが、支援室では下布田小学校の音楽
      を使った国際理解教育実践に始まり、冬のグローバルセミナー、今回の大久保小学校での
      語劇準備などに携わってきました。また、河北先生の紹介で学習支援も行っています。

田中:短期間ながら、密度が濃いですね。今までで特に印象に残った活動や出来事はありますか?
 
田口さん:毎回、その場その場でたくさんの「人との出会い」がありますね。それは実践や支援先だけでなく
      支援室の中でもあります。河北先生や学生ボランティアを始め、同じ境遇の人や本音で話せる人
      と出会えたり・・。普段はうち解けるのに時間がかかる方なのですが、ここ(支援室)ではそうじゃ
      ないんです。「一人じゃできないことの多さ」に気付いたのもありますね。
      僕自身が支援室に支援されてるみたいな(笑)

田中:支援室でも実践先でも、そのフレンドリーなキャラクターで親しまれていますが、活動する中で心がけて
    いることは?

田口さん:まず相手を「喜ばせよう」っていう気持ちは強くありますね。ギャグはしょっちゅう滑ってますけど(笑)
      高校生と話し合う時なんかは、自分の考えを押し通すのでなく、自分も分からないから一緒に考えて
      いこうっていう姿勢で。

田中:勉強、支援室、バイト・・と多忙な毎日を乗り切る秘訣は?

田口さん:どれも別々のことをしてるっていう感覚はないですね。全部同じことですね。一生懸命やっていれば
      報われたり、嬉しいことがあると思うんです。

田中:これから支援室での活動が2年目を迎えますが、意気込みを教えてください。

田口さん:支援室の活動って企画ごとにメンツが異なりますよね。それが新鮮でもあり、寂しいと感じる時も
      あります。そうやって多くの人と活動する中で、本気で話せる、一生続く友だちを作りたいです。
      あと、2年生になるので、将来の夢を真剣に考えたり語劇も頑張りたいです!

田中:そのポジティブさがみんなを惹きつける魅力なんでしょうね!最後に一言お願いします。

田口さん:僕、物忘れが激しいんで、抜けているときは皆さんよろしくお願いします。

-普段は物静かで、みんなの話に真剣に耳を傾けてくれるイメージのある田口さんでしたが、インタビューでは
 生き生きと語ってくれいつもとは違う彼を発見した気がしました。冷静そうで実は熱く、みんなをギャグで楽し
 ませてくれる田口さんの活躍が来年度も楽しみですね。
  
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■学生の視点から

▼支援室の活動体験者の声
 ここでは、毎月、活動を行った人たちの感想や意見を紹介していく予定です。

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留学生と日本人学生の交流会で苦労したこと   ポルトガル語専攻 高野

一番苦労したことは、留学生とのコミュニケーションでした。留学生は「自分の国を知って
もらいたい」という気持ちが強く、予定より多く料理を作ったり、スピーチの時間を倍にしたり
してしまい、これは双方の意思疎通が不十分だったものと思われるので、今回の反省を
活かしてリハーサルをやるべきだと思いました。留学生と共同で行う機会はなかなかない
ので、次回もぜひやってみたいです。

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高校生のためのグローバルセミナーに参加して 
 -高校生の声  
                                       
○今まで私は、「国際理解」というと、「外国の人と出会い、お互いの言語や文化を理解して、
仲良くする・・」というような、甘い考えをもっていた。しかし今回のセミナーに参加して、
「国際理解」の実現には、歴史や価値観のちがいなど、いくつもの難しい問題を越えなけれ
ばいけないということを知り、言語の習得や文化を学ぶなどといった華やかな部分だけでは
真の「国際理解」には辿りつけないのだと知った。

○セミナー終了後、ずっと考えていること。「○○人」。広辞苑で日本人とひくと、「日本国に
国籍を有する人」と出てきた。どこか腑に落ちない感じがする。もっと深いもののような気が
してならない。しかし、その深いものが何であるのか分からずにもどかしい。
このセミナーをきっかけに普段何気なく使っている言葉の意味を考えたり、アイヌ民族や在日
コリアンといった国際面の記事を見るようになったりしたことは成果であると思う。「理解」とまで
はなかなか行きつかないのかも知れないが、簡単には答えが出せないような事を「考える」こと
は続けていきたい。

-外大生の声(スペイン語専攻 前島)
                                   
今回「高校生のためのグローバルセミナー」に学生ボランティアのスタッフてして参加して、
自分が受講する場合とはまた違った視点で関われてとても良い経験をする事ができました。
ワークショップにすごく真剣に取り組む高校生たちを見ていて若いなぁ(笑)と羨ましがりつつ、
皆しっかりしているなぁと大変感心させられました。
また、彼らと一緒に作業をしたり色々な話をすることで、僕自身強い刺激を受けると同時に
2日間大いに楽しめたので個人的にも収穫が大きかったです。

◇◇きっかけトピック◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇

このコーナーでは、日常生活の中の身近な出来事やニュースから、多文化共生を考えるヒント・
きっかけとなりそうなトピックを紹介していきます。

第8回朝日舞台芸術賞が発表、グランプリは日韓共作『焼肉ドラゴン』

先日発表された第8回朝日舞台芸術賞のグランプリに、日韓共作の「焼肉ドラゴン」という
作品が選ばれました。この作品は2008年4月17日~27日、新国立劇場で上演された作品です。

劇場リンク:(予告編が見れます)
http://www.nntt.jac.go.jp/season/updata/20000036_play.html

1960年~70年代の在日コリアンを取り上げた作品といえば映画「パッチギ!」が有名ですね。
「焼肉ドラゴン」の舞台上演は終わってしまっていますが、この作品が今回こういう大きな賞を受賞し、
世間で注目を浴びることにみなさんはどういう意味を感じますか?

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編集者より                            ロシア語専攻 河原


 今月一杯で、私河原は本編集の筆を置くことになりました。次号からは後輩の田中が
仕事を引き継いでくれます。4月から私は社会人として、働くことになります。
しかし、なぜか「もっと大学生でいたい」という未練は微塵もありません。これも大学時代
「走り続けられた」からだと思います。

「色んな経験をしてください」「色んな人と話してください」

大学生でないとできないことが、支援室にはたくさんあります。
長々となりましたが、ありがとうございました。

                                 ロシア語専攻 田中

今月号から河原さんの後を引き継がせて頂くことになりました、田中です。
昨年4月の国際サッカー大会での通訳ボランティアをきっかけに、夏・冬の高校生向け
グローバルセミナーや、下布田小学校での音楽を使った国際理解教育実践などの活動
に携わり、すっかり支援室の「住人」となってしまいました。
まだまだ不慣れなことばかりですが、このメールマガジンを通して支援室で活動するみな
さんの熱意や意欲を伝えたり、お互いの活動を知ったり新たな活動に参加するきっかけを
提供していきたいと思っています。みなさんの「顔」が見えるような活気ある充実したメルマガ
を目指していきますので、これから1年間よろしくお願いします。
 
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このメールマガジンに関する御意見、もしくは支援室の活動に関連して、学生にとって
有益な情報がございましたら、t-shien@tufs.ac.jp(支援室代表)までメールにてご連絡
いただければ幸いです。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)