メールマガジン33号

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【多文化コミュニティ教育支援室メールマガジン】

                        第33号2008年6月26日

        文責:河原新
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多文化コミュニティ支援ボランティアのみなさま:
多文化コミュニティ教育支援室メールマガジンの第33号を送信いたします。
このメールマガジンは、月に一度のペースで配信し支援室の活動内容等を
お伝えするものです。

<今月の注目トピック>

★多言語多文化共生学講座
 日時:6月7日(土)~6月8日(日) 10時40分~18時
 内容:小中学校などで「国際理解教育」や外国人児童生徒を対象とした「学習
     支援」 の活動を行う際に必要となる知識や技能を学ぶことをねらいとして、
     2日間の講座を行いました。
     1年生を中心とした延べ15名の学生が参加し、そのうちの数名は早速高
     校生の ための国際理解セミナーなどの企画運営に関わるようになりました。

★多文化フィルムフォーラム
 この企画は、単に映画を鑑賞するのではなく、テーマについて議論することで、より深く
 多文化社会や国際理解について考えるという趣旨で、活動を行っています。

 「名もなきアフリカの地で」 
 日時:6月4日(水) 14時50分~16時20分 場所:108教室 終了 
     6月10日(火) 18時~19時半 場所:109教室 終了
 内容:「『違う』ことこそが価値。私はアフリカで、それを学んだ―」とある
    一家の異国の地での生活から、異文化とは何か、「違い」とは何かを学びます。

 「パッチギ」
 日時:6月19日(木)、23日(月) 18時~19時半 場所:109教室 終了
 内容:舞台は1960年代の日本、在日朝鮮人と日本人の心の葛藤が描かれた映画です。
    これを機会に、在日朝鮮人について深く考えてみませんか。

 「裸足の1500マイル」
 日時:7月3日(金)、7日(火) 18時~20時 場所:109教室 
 内容:お母さんに会いたい―。母の待つ故郷まで1500マイル。自分たちを信じて90日間
     歩き続けた少女たちの壮大な真実の物語で、アボリジニーの問題を題材とした
     実話に基づいています。是非、お越し下さい。

★高校生のための国際理解セミナー
 日時:7月27日(日) 10時~17時
 内容:高校生を対象に、本学の学生が国際理解をテーマにワークショップを行います。

     内容は、映像などを活用し、高校生たちが興味を持ちやすくできるようなものを
     予定しています。現在、本番に向けて10名以上の学生が毎週ミーティングを行い
     準備をしています。前半はお互いをもっと知ることのできるようなアイスブレイ
     キング、後半は映画「パッチギ」と、新宿区大久保で暮らす外国につながる子ども
     たちのドキュメンタリーを見ることによって、議論をし理解を深めます。

※※※※ これからの活動予定と報告 ※※※※

■学習支援活動

▼府中市学習支援ボランティア
 学生たちが府中市の小中学校に出向き、外国につながる子どもたちに日本語を教えたり、
 学校の勉強をサポートしたりしています。
 現在、小学校4校計5名に学習支援を行っています。

▼府中国際交流サロン
 毎週金曜の放課後、府中国際交流サロンにて学習支援活動を学生たちが行っています。
 11名の児童生徒に対して、14名の学生たちがほぼマンツーマンでのサポートをしています。

■国際理解教育活動

▼町田市立真光寺中学校「国際交流の日」
 日時:6月20日(金)
 対象:中学2年生
 内容:多文化共生をテーマに、外国語による授業の疑似体験や、日本語で書かれた体育祭の
     プログラムを、外国から転校してきた生徒のために書き直すプログラムなどを行いました。

■多文化コミュニティを訪ねるスタディ・ツアー
 外国人が多く暮らす町〝多文化コミュニティ″を訪ね、その町で起こっている課題や、外国人と
 日本人が〝共に生きる″ための取り組みを知るため、以下のスタディ・ツアーを行いました。
 Aコースでは神奈川県川崎市の韓国・朝鮮籍の人が多く住む桜本地区を、Bコースでは韓国や
 中国をはじめインドやマレーシアなど、様々な国の料理店・雑貨屋の建ち並ぶ新宿区大久保を
 訪ねました。
 ①事前研修会  AB共通
  5月23日(金)、28日(水) 14時50分~16時20分
 ②現地訪問
  Aコース 川崎市桜本 5月31日(土)
  Bコース 新宿区大久保 6月14日(土)
 ③座談会            
  6月18日(水) 14時50分~16時20分 

■その他の活動 

▼うりぬり
 朝鮮語専攻の学生と、韓国の留学生が中心となって活動している団体で、主に小中学校での
 文化交流や日韓の学生間交流を行っています。

▼Amigos
 ポルトガル語専攻の学生が中心となって活動している団体で、地域の外国人児童生徒に対して、
 日本語による学習支援とブラジルに関する文化交流などを行っています。

 ★FESTA JUNINA
 日時:6月18日(水) 16~20時頃
 場所:東京外国語大学 大学会館ホールダイニング
 内容:今年は日伯移民100周年記念の年です。今年はブラジル音楽研究会とプロの音楽家を
     招待し、後半にはダンスパーティを行いました。新入生にとって最後の新歓だったので
     多くの学生が集いました。

▼多言語・多文化教育研究センター プロモーションビデオ 
完成に向けて現在準備中です。
 

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■支援室Q&A

▼ここでは、毎月、支援室に関わる素朴な疑問にお答えします。

今月は、特集で「支援室に関わったきっかけ」ということで学生にインタビューをしました。
今回は、フィリピン語専攻3年の濱嶌奈保子さんです。

河原:濱嶌さんよろしくお願いします。支援室に関わるきっかけは何でしたか?

濱嶌:もともとフィリピン語専攻に入ったきっかけが、在日フィリピン人の支援をしたかった
    ので、それが理由で入りました。

河原:具体的にどのような支援をしたいと思いましたか?

濱嶌:日本語ができなくて困っているフィリピンの子どもたちに支援をしたかったんですが、
    最初はどうしたらよいかわからず、国際理解教育をしました。
    でも、支援室の河北さん(学習支援専門員)が声をかけてくださって学習支援を始め、
    自分がやりたかったことができ今は充実しています。

河原:具体的に行っている支援の内容を教えてください。

濱嶌:府中市内の小学校での学習支援で、現在フィリピン人の男の子を支援しています。

    その子は学習に対して意欲的ではないので、今後そのような子どもがどのようにして
    勉強をしてくれるか、工夫するのが目下の課題です。

河原:本日はお忙しいところありがとうございました。

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■学生の視点から

▼支援室の活動体験者の声
 ここでは、毎月、活動を行った人たちの感想や意見を紹介していく予定です。

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多言語多文化共生学講座を受けて           朝鮮語専攻 長田


私は2日目のみの参加でしたが、ひとつひとつの話題がわかりやすく、多文化共生が
自分のことのように落とし込めました。もし自分だったらどうしようという当事者の視点
に立てたことが大きかったと思います。まだ1年生なので、これからいろいろなことを
貪欲に吸収していこうと思いました。

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スタディ・ツアーの感想                  アラビア語専攻 原田

私が参加してもっとも印象を受けたのは、川﨑の池上町を隔ていた道路が、裕福な
日本人の住宅街と質素な在日朝鮮人の住宅街を象徴していたことに、ショックを受け
ました。また、ツアーに向けての事前研修を受けた上で参加したので、ただ歩いて
いたら気づかないことにも気づくことができて、良かったと思います。

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町田市立真光寺中学校「国際交流の日」での実践を通して 
                                朝鮮語専攻 浜崎

実践の中で、外国語で授業を行い、生徒のみんなに『自分の知らない言語環境に置か
れるとはどういうことか』を体験してもらいました。イライラした、きつかった、どうしようも
なかったなどの意見が出て、日頃日本で暮らす、日本人が感じ難い外国人の立場を
少しでも感じてもらえたのではないかと思います。その後の体育祭のプログラムを書き
直す作業では、各班絵を描いたり、説明を増やしたり、いつもの自分とは違う目線で
物事を考えている姿が見られて良かったと思います。

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編集者より                          ロシア語専攻 河原 

梅雨のじめじめした時期になってきました。週末は雨が降らないことを願う毎日です。
というのも、編集者である私自身も大久保や川崎のスタディ・ツアーに参加したりして
いるからです。この時期が、授業にも慣れて、前期試験の前のしばしの楽しい時期
なのです。週末には代々木公園などでさまざまな国のお祭りをやっています。
家でじっとしていないで、いろんな体験をしてみませんか。
 
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このメールマガジンに関する御意見、もしくは支援室の活動に関連して、学生にとって
有益な情報がございましたら、t-shien@tufs.ac.jp(支援室代表)までメールにてご連絡
いただければ幸いです。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)