メールマガジン第17号

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【多文化コミュニティ教育支援室メールマガジン】
                        第17号 2006年12月8日
      文責:猪狩
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多文化コミュニティ支援ボランティアのみなさま:
多文化コミュニティ教育支援室メールマガジンの第17号を送信いたします。
このメールマガジンは月に一度のペースで配信し支援室の活動内容等をお伝えするものです。多文化コミュニティ教育支援室は、本学の学生が大学で学んでいる各国の言語や文化に関する知識を活かしながら、日本で暮らしている外国人児童生徒に対する学習支援ボランティア活動を大学としてサポートし、多言語多文化化しつつある地域社会が求める人材の育成を、次の4つの活動を通して目指しています。(1)学生ボランティア活動のサポート、(2)教育研修プログラムの実施、(3)調査研究、(4)国際理解を深めるための各種講座。

※※※※ これからの活動予定 ※※※※
【12月の活動予定・日付順】
■新宿区立大久保小学校国際理解教育実践
日時:12月7日(木)、14日(木)、21日(木)
 大久保小学校での国際理解教育の実践の第3回、4回、5回目の実践を行います。韓国からの留学生の金智恩さんが実践を担当し、韓国での文化・風習を紹介しつつ交流をはぐくみます。3回目は韓国茶と韓国のお菓子を実際にたべながら韓国の食事マナーについて紹介します。4回目は韓国のユンノリという遊びについて、5回目は今後の様子を見ながら決めていく予定です。

■府中市立府中第七中学校実践
 今回は、中学校にて中学生のグループプレゼンテーションを聞いてアドバイスを行ないます。生徒はアルゼンチン、グルジア、インドネシア、中国、ブラジルについてそれぞれ調べています。調べた内容をプレゼンテーションとしてまとめ、各国の留学生の前で発表する予定です。

※※※※※ニュース目次※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
◆学生多文化フォーラム
◆プレ・学生多文化フォーラム【全6回】
▼第4回 【講演会】「国際理解教育のあり方を考える」
▼第5回 【ディスカッション】「外大生の国際理解教育のカタチ」
▼第6回 【ワークショップ】「国際理解教育実践現場から」
◆国際理解教育実践
▼大久保小学校実践【連続6回】
◆川崎市国際理解教育研究会議
◆オープンキャンパス
◆多文化多言語劇 [言葉をつなぐ指輪]~共生って大変だよね・多文化多言語劇~
◆府中市教育委員会との学習支援に関する覚書書を取り交わしました
◆継続的な活動の紹介
▼府中国際交流サロン
▼東京外大在日外国人交流ネットワーク(AMIGOS) 
▼うりぬりの活動
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◆学生多文化フォーラム
日時:12月2日(土)
場所:留学生日本語教育センター
第一部 「国際理解教育」を考える
第二部 多様化する学習支援
第二部 特別講演 
キョウコ・ヤナギダ・ナカガワ先生「明日の多文化社会を担う子どもたちのために」
第三部 望ましい多文化社会を求めて ~会場討論~

 これまで、多文化コミュニティ教育支援室が発足してからの実践の成果を発表する場として学生多文化フォーラムが開催されました。東京外国語大学の学生であることを十分に生かしたこれまでの実践を振り返りました。
 第一部では当支援室の大きな活動のひとつに育った国際理解教育について報告しました。これまでの手法を「東外大モデル」と位置づけ、外語大生ならではの視点を盛り込んだ実践方法について紹介しました。学生の中には、いかなる実践を行なうことが国際理解教室の授業で行なうことが適切なのかについて逡巡している者もいました。しかし、このフォーラムやプレ・フォーラムを通じて「ひと」をテーマにした心の通じ合う実践を行なっていくという方向性が明確になりました。
 第二部では、学習支援活動について報告がなされました。学習支援活動していくなかで、「なぜ外国籍の子どもたちに適応困難が多いのか」という問いの答えを求めて学習支援を行なった学校を2校とインド人学校、ブラジル人学校、ペルー人学校にて調査をおこないました。学校訪問を通して示されたのは、問題は多層的に絡み合っており、いかに個々の子どもたちに対応していくのかということでした。その課題をいかに今後の学習支援につなげていくかが問われます。
 第二部特別講演においては日本からブラジルに帰った日系ブラジル人の子たちが母国ブラジルにおいてどのような状況に置かれているのかを詳しく紹介していただきました。
第三部では、全体討論という事で一部、二部で出た質問票をもとに議論を組み立てました。壇上にはコメンテーターの先生方、実践にかかわった学生が上がり、会場との議論を盛り上げました。会場からは、一般の方々から見た外大生であることの利点が示されました。まず、子どもと母語を通じて話し合えることで、その子どもが本当に言いたいことがわかるのと同時に、保護者とも適切に情報の交換ができるということ。そして、その子どもが持つ母語や文化を真剣に学びたい、また、それらが素晴らしいものだと考えている人たちがいるということを子どもに伝える事で、その子どもの自尊心を高める事ができる存在なのだという指摘をいただきました。学生らにとっては自分達の持つ可能性と能力を改めて気づくきっかけとなりました。

◆プレ・学生多文化フォーラム【全6回】
日時:11月6日(月)、7日(火)、14日(火)
活動を通して得た経験を振り返り、それを、これからの学生生活に生かしていくために学生が中心となって企画されました。

▼第4回 【講演会】「国際理解教育のあり方を考える」
講師:山西先生(早稲大学教授)
日時:11月6日(月)18:10~20:00
場所 本部管理棟中会議室
 講演会では、山西先生の講演に加えて、ワークショップも同時に行なわれました。ネパールの女性を主人公にした「レヌカの学び」という実践をしました。いかに自分が単なるイメージや偏見で物事を見ているのかを気づかせる実践でした。このレヌカの学びでは、ネパール人の女性であるレヌカから見た日本像とネパール像が映し出されます。学生達は日本という国において、自分達が今現在置かれている状況を客観的に眺めることができました。

▼第5回 【ディスカッション】「外大生の国際理解教育のカタチ」
日時:11月7日(火)18:10~20:00
場所:研究講義棟313
 「外大生の国際理解のカタチ」というテーマで学生同士のディスカッションを行いました。川崎市土橋小学校での実践を振り返り、「東外大モデル」とはいったいどのようなものかについて、定義を考えました。

▼第6回 【ワークショップ】「国際理解教育実践現場から」
日時:11月14日(火)18:10~20:00
場所:本部管理棟中会議室
 川崎市の小・中学校の現場の教諭を講師に招いておこない、これまでの実践の中で現場の先生方が感じていることと学生が感じていることをつき合わせ、現場の教諭と意見交換を行いました。「国際理解教育の目的」や、「国際理解教育において留学生は必要なのか」などの議論を行ないました。

◆国際理解教育実践
▼大久保小学校実践【連続6回】
日時:11月2日(木)
 連続6回ある実践の第2回目です。教室にあるものの名前を韓国語で紹介しながら、児童の間でのコミュニケーションを深めることを目指しました。非常に元気がよい児童が多く、実践に参加していた金智恩さんも戸惑う場面もあったそうですが無事に終了しました。

◆川崎市国際理解教育研究会議
日時:11月9日(木)、27日(月)
 現在、多文化コミュニティ支援室では、川崎市の多くの小・中学校と提携して国際理解教育の授業を展開しています。今年度は、川崎市立宮前平中学校と川崎市立土橋小学校でおこなわれている国際理解教育の実践を研究対象として、検討を進めています。11月の研究会議では、これまでの蓄積と反省を生かしながら、いったいどのような授業を作り上げてゆくのかについて話し合いました。

◆オープンキャンパス
日時:11月23日(木)
 外語祭期間中の祝日である23日に、本学オープンキャンパスが開催されました。当日は支援室を開放して、地域の皆様や本学志望の高校生に活動紹介をおこないました。当支援室で活動している学生も支援室に集って「未来の外語大生」に活動を紹介してくれました。

◆多文化多言語劇 [言葉をつなぐ指輪]~共生って大変だよね・多文化多言語劇~
日時 11月23日(木)10時入場開始 10時15分本編開始 11時25分終了
場所:研究講義棟 マルチメディアホール(101教室)
 外語祭期間中の出し物として根強い人気を誇る「語劇」において、当支援室で活動を行っている学生が中心となって劇を披露しました。異なった文化背景を持つ者たちがいかにわかりあうことが出来るのかということをテーマに150名弱のお客さんが学生の熱演を見守り、最後には盛大な拍手で幕を下ろしました。

◆府中市教育委員会との学習支援に関する覚書書を取り交わしました
 日時:11月1日(水)~
 これまで、当支援室が取り組んできた学習支援活動の幅が広がりました。府中市においては、国際交流サロンにおいて学習支援活動を行なってきましたが、この度サロンの活動に加えて府中市の小・中学校においても学習支援活動を行なうことになりました。府中第九小学校、府中第一小学校、府中第一中学校、府中第三中学校にて行われる予定です。アラビア語、タガログ語、中国語を母語とする5名の外国籍の子どもたちに対する支援要請があり、既に第一中学校では支援活動がスタートしています。

◆継続的な活動の紹介
▼府中国際交流サロン
日時:毎週金曜日
 府中市国際交流サロンの活動がでは8名の担当者が小学校5年生から中学3年生の子どもたちを対象に学習支援を行っています。

▼東京外大在日外国人交流ネットワーク(AMIGOS) 
日時:毎週火・木曜
 現在、東京外大在日外国人交流ネットワークでは新宿区立大久保小学校で学習支援ボランティアをおこなっています。11月も学習支援を継続しておこないました。
 また、外語祭期間中には日本―ブラジル移民スゴロクを作成しまたした。1908年にブラジルへの移民が始まってからの1990年の入管法改正の改正による日系ブラジル人の還流についての歴史がテーマです。子どもたちは楽しそうにスタッフの学生らと一緒にスゴロクで遊び、大人達は壁に張り出された資料を熱心に眺め、学生らと語り合う姿が見られました。

▼うりぬりの活動
日時:11月4日、18日(土)
 品川区立立杜松小学校の学童保育である「すまいるスクール」で韓国紹介を行いました。4日には金さん、18日にはキムさんが活動に参加してくれました。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)