学生多文化フォーラムを行ないました

学生多文化フォーラム
日時:12月2日(土)
場所:留学生日本語教育センター
第一部 「国際理解教育」を考える
第二部 多様化する学習支援
第二部 特別講演 
キョウコ・ヤナギダ・ナカガワ先生「明日の多文化社会を担う子どもたちのために」
第三部 望ましい多文化社会を求めて ~会場討論~

 これまで、多文化コミュニティ教育支援室が発足してからの実践の成果を発表する場として学生多文化フォーラムが開催されました。東京外国語大学の学生であることを十分に生かしたこれまでの実践を振り返りました。
 第一部では当支援室の大きな活動のひとつに育った国際理解教育について報告しました。これまでの手法を「東外大モデル」と位置づけ、外語大生ならではの視点を盛り込んだ実践方法について紹介しました。学生の中には、いかなる実践を行なうことが国際理解教室の授業で行なうことが適切なのかについて逡巡している者もいました。しかし、このフォーラムやプレ・フォーラムを通じて「ひと」をテーマにした心の通じ合う実践を行なっていくという方向性が明確になりました。
 第二部では、学習支援活動について報告がなされました。学習支援活動していくなかで、「なぜ外国籍の子どもたちに適応困難が多いのか」という問いの答えを求めて学習支援を行なった学校を2校とインド人学校、ブラジル人学校、ペルー人学校にて調査をおこないました。学校訪問を通して示されたのは、問題は多層的に絡み合っており、いかに個々の子どもたちに対応していくのかということでした。その課題をいかに今後の学習支援につなげていくかが問われます。
 第二部特別講演においては日本からブラジルに帰った日系ブラジル人の子たちが母国ブラジルにおいてどのような状況に置かれているのかを詳しく紹介していただきました。
第三部では、全体討論という事で一部、二部で出た質問票をもとに議論を組み立てました。壇上にはコメンテーターの先生方、実践にかかわった学生が上がり、会場との議論を盛り上げました。会場からは、一般の方々から見た外大生であることの利点が示されました。まず、子どもと母語を通じて話し合えることで、その子どもが本当に言いたいことがわかるのと同時に、保護者とも適切に情報の交換ができるということ。そして、その子どもが持つ母語や文化を真剣に学びたい、また、それらが素晴らしいものだと考えている人たちがいるということを子どもに伝える事で、その子どもの自尊心を高める事ができる存在なのだという指摘をいただきました。学生らにとっては自分達の持つ可能性と能力を改めて気づくきっかけとなりました。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)