メールマガジン第16号

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【多文化コミュニティ教育支援室メールマガジン】
                        第16号 2006年11月2日
      文責:猪狩伸平
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多文化コミュニティ支援ボランティアのみなさま:
多文化コミュニティ教育支援室メールマガジンの第16号を送信いたします。
このメールマガジンは月に一度のペースで配信し支援室の活動内容等をお伝えす
るものです。多文化コミュニティ教育支援室は、本学の学生が大学で学んでいる各国の言語
や文化に関する知識を活かしながら、日本で暮らしている外国人児童生徒に対す
る学習支援ボランティア活動を大学としてサポートし、多言語多文化化しつつあ
る地域社会が求める人材の育成を、次の4つの活動を通して目指しています。(1)
学生ボランティア活動のサポート、(2)教育研修プログラムの実施、(3)調査研究、
(4)国際理解を深めるための各種講座。

※※※※ これからの活動予定 ※※※※
【11月の活動予定・日付順】
■プレ・学生多文化フォーラム【全6回】
日時:11月6日(月)、7日(火)、14日(火)
活動を通して得た経験を振り返り、それを、これからの学生生活に生かしていくために学生が中心となって企画されました。この成果は12月2日(土)に開催予定の「学生多文化フォーラム」で発表する予定です。

▼第4回 【講演会】「国際理解教育のあり方を考える」
講師:山西優二先生(早稲田大学教授)
日時:11月6日(月)18:10~20:00
場所 本部管理棟中会議室
 講演会では、山西先生の講演に加えて、ワークショップも同時に行う予定です。山西先生は国際理解教育の一分野である開発教育の専門家であり、その開発教育の要素を取り入れたワークショップを行う予定です。

▼第5回 【ディスカッション】「外大生の国際理解教育のカタチ」
日時:11月7日(火)18:10~20:00
場所:研究講義棟313
 「外大生の国際理解のカタチ」というテーマで学生同士のディスカッションを行います。実際に国際理解教育に参加している学生ばかりでなく活動に興味を持ちこれからの参加を考えている学生も含めて、「外語大生だからできること」をキーワードに国際理解教育の授業について考えていきます。

▼第6回 【ワークショップ】「国際理解教育実践現場から」
日時:11月14日(火)18:10~20:00
場所:本部管理棟中会議室
 川崎市の小・中学校の現場の教諭を講師に招いておこない、これまでの実践の中で現場の先生方が感じていることと学生が感じていることをつき合わせ、今後どのような実践を作り上げていったらいいかを話し合う予定です。

■国際理解教育実践
▼大久保小学校実践【連続6回】
日時:11月2日(木)
 連続六回ある実践の第二回目です。教室にあるものの名前を韓国語で紹介しながら、児童同士の間でのコミュニケーションを深めることを目指す実践です。韓国からの留学生金智恩さんと日本人学生がペアになって参加します。大久保小学校には外国をルーツに持つ子どもたちが多く在籍しており、韓国・朝鮮をルーツに持つ子どもも実践に参加しています。

■川崎市国際理解教育研究会議
日時:11月9日(木)、27日(月)
 現在、多文化コミュニティ支援室では、川崎市の多くの小・中学校と提携して国際理解教育の授業を展開しています。今年度は、川崎市立宮前平中学校と川崎市立土橋小学校でおこなわれている国際理解教育の実践を研究対象として、検討を進めています。11月の研究会議では、これまでの蓄積と反省を生かしながら、いったいどのような授業を進めていくことが子どもたちにとって必要になるのかを考えていきます。

■オープンキャンパス
日時:11月23日(木)
 外語祭期間中の祝日である23日に、本学オープンキャンパスが開催されます。当日は本学を志望校とする生徒や外語祭を楽しみに多数のお客さまが多く訪れることから、本学の学生活動の一つであるボランティア活動を紹介する目的で当支援室も開放いたします。

■外語祭
日時:11月22日(水)~11月26日(日)
 本学の伝統的な行事であり、最も盛り上がるイベントです。当支援室では23日のオープンキャンパスにあわせて支援室を開放するほか、支援室で活動を行っている諸団体がガレリアでの展示企画、室内企画を行います。

■多文化多言語劇 [言葉をつなぐ指輪]~共生って大変だよね・多文化多言語劇~
日時 11月23日(木)10時入場開始 10時15分本編開始 11時25分終了
場所:研究講義棟 マルチメディアホール(101教室)
 外語祭期間中の出し物として根強い人気を誇る「語劇」において、当支援室で活動を行っている学生が中心となって劇を披露します。シェークスピアの「真夏の夜の夢」を原作として、新たに作成された脚本では、物語は、日本人の女性とロシア人の男性の恋物語を軸として展開していきます。作中のテーマは2つ。1つ目は、多文化社会で起こりうる問題、特に今回は国際結婚にまつわる問題を劇という形で伝えること。2つ目は、外語大の特徴を生かして、多言語を用いて劇をするということです。学生たちの熱い演技にご期待ください。

※※※※※ニュース目次※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
◆三島市立東小学校 本学訪問
◆プレ・学生多文化フォーラム
▼第1回10月10日(火)学生ディスカッション
▼第2回10月17日(火)講演会 佐藤郡衛先生「国際理解教育とその現状」
▼第3回10月24日(火)学生ディスカッション
◆国際理解教育実践
▼川崎市立宮前平中学校教育実践
▼新宿区立大久保小学校
▼川崎市土橋小学校教育実践
▼川崎市立東柿生小学校教育実践
◆調査・研究
◆川崎市国際理解教育研究会議
◆継続的な活動の紹介
▼府中国際交流サロン
▼東京外大在日外国人交流ネットワーク(AMIGOS) 
▼うりぬりの活動
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◆三島市立東小学校 本学訪問
日時:10月25日(水)
三島市立東小学校の修学旅行で上京する児童20名を迎えて、本学で国際理解教育の授業を行いました。教職員のアドバイスを受けながら学生が授業案を作成し、小学生を受け入れました。午前中には授業の趣旨をパワーポイントで紹介した後、100人村ゲームという、「世界が100人の村だったら」を実際に体験するゲームをおこないました。三島小学校の児童からは三島についての紹介があり、小学生の堂々とした発表振りに大学生も感心していました。午後は、国際理解教育の授業ということで、世界の4つの地域(台湾、大連、吉林、ソウル)について紹介しました。普段来ることのない大学という環境で、自分の知らない世界についての感じることができたということは、大きな財産になることと思います。

◆プレ・学生多文化フォーラム
日時:10月10日(火)、17日(火)、24日(火)、11月6日(月)、7日(火)、14日(火)
 活動実施日、内容は以下の通りです。

▼第1回10月10日(火)18時10分~20時 講義棟313教室
学生ディスカッション「国際理解教育で何を伝えるか」
 ディスカッションには10名ほどの参加がありました。実際に国際理解教育の実践に参加している学生に加えて、これから参加してみたいと思っている学生が集まり国際理解教育について話し合いました。実際におこなった実践のビデオを紹介したあとで、もし実践を受ける側であったときに、何を知りたいと思うか等について話し合いました。

▼第2回10月17日(火)18時10分~20時 留日センター(さくらホール)
講演会 佐藤郡衛先生(東京学芸大教授 異文化間教育)「国際理解教育とその現状」
 今回の講演会では、国際理解教育が生まれてきた背景と現在の状況についてご講演いただきました。学生の活動はとかく実践でどのような活動をおこなうのかという点に傾きがちであり、その理論的背景などについての理解足りないのではないかという学生からの提案により議題が決定しました。歴史的な背景などは直接実践の内容に踏み込んでくる話ではありませんが、今後の実践を構築するうえで、何を目的に実践を行うのかという視線が学生の間でも鮮明になったようにおもわれます。

▼第3回10月24日(火)18時10分~20時 講義棟313教室
学生ディスカッション「国際理解教育の問題点どうしたら解決できるの」
 府中第七中学校で実際に行われている実践について学生から報告してもらいました。その後、第二回目の話し合いを踏まえ、小学校三年生にフランスと中国を紹介するという内容で授業作りを行いました。

◆国際理解教育実践
▼川崎市立宮前平中学校教育実践
日時:10月13日(金)
 宮前平中学校では今回の実践のテーマを「将来こんなふうに生きたい~外語大生との交流を通じて考えてみよう~」に据えて実践をおこないました。生徒はグループにわかれ、学生が用意したプロフィールをもとに留学生、大学生にインタビューを行いました。生徒の感想からは、学生や留学生の生き方だけでなく「考え方」も聞くことができたという意見や、自分のこれまでの経験と大学生や留学生の人生と重ね合わせることで中学校生活がどのような意味をもつものなのかについて考えることができたようでした。

▼新宿区立大久保小学校
日時:10月17日(火)
 第1回目は自己紹介とあらかじめ調べていった児童全員の名前をハングルで書く練習をしました。普段、まったく使わない言葉で自分の名前を書くことに子どもたちは興味を示していたようです。子どもたちの様子はかなりパワフルで、中にはすでに韓国語を知っている子どもたちも在籍しており、今後はいかにすべての子どもたちにとって興味のある実践をすることができるかが課題になりそうです。

▼川崎市土橋小学校教育実践
日時:10月26日(木)
 土橋小学校では今回「何が作れるかな?力を合わせて~留学生・日本人学生との交流を通して~」という単元で授業作りを行っています。2回目になった本実践では、本学の留学生や学生と児童が、共同作業でビデオレターを作成、それを通してさまざまな意見交換し、交流を深めました。

▼川崎市立東柿生小学校教育実践
 川崎市立東柿生小学校での実践の第二回目が10月から11月にかけて行われます。年間三回行われる実践の第二回目です。昨年度実践に参加した学生の多くが引き続き今年度も活動しているため子どもたちとはすでになじみがあり、実践の対象となる子どもたちとも親密な関係にあります。実践に向けた準備も子どもたちの顔を思い浮かべながら取り組んでいます。
実施日
日時:10月23日(月) 2年生
 2年生の実践は、ブラジルからの留学生であるファウストさんの故郷についてのクイズ、ブラジルの遊び、ファウストさんへの質問の3つのブースを設け、子どもたちがそれらを巡回する形式で行いました。2年生という学年を考慮して、わかりやすくかつ面白い実践をすることをコンセプトに授業を展開しました。その効果がでたのか、子どもたちも楽しさと驚きが組み合わされた実践に興味津々でした。

日時:10月25日(水) 4年生
 4年生の実践では、タイの民族舞踊を紹介しました。現在、4年生は授業の単元でもタイについて調べており、当日は模造紙にタイについて調べたことなども学生に紹介してくれました。学生が民族舞踊の踊りの動きには一つ一つ意味があることを紹介し、実際に全員が踊れるようにアレンジした短い踊りを披露した後、みなで踊りました。
日時:10月27日(金) 3年生
 インドネシアからの留学生であるタリさんが、実際に小学校3年生だったときにどのような学校生活をおくっていたかを紹介しました。児童は、日本とは異なったインドネシアの学校生活に驚きながらも、「なぜそのような違いがあるのか」という学生からの投げかけにしっかりと考えて活発な意見を発表してくれました。「違い」を単なる「違い」で終わらせず、その背景にまで踏み込んで考えることができました。

日時:10月30日(月) 5年生
 留学生の持ち物と学生の持ち物の写真をそれぞれ撮影し、それがどちらの所有物かを考える実践を行いました。子どもたちにとっては、学生や留学生の普段の生活を推測することを通して、留学生が日本で暮らすなかで、ある時は日本の習慣に従い、またある時は母国の習慣を守り続けている姿をみて、「文化の着脱」について考えさせられたようです。

日時:10月31日(火) 6年生
 移民について考える単元の第2回目です。フランスの移民について前回紹介した内容を踏まえて第2回目の実践を行いました。また、今回から新しく中国からの留学生である周首能さんが参加してくれたことで、中国の移民についての紹介もあらたに加えることで、移民という現象がまさしく地球規模で展開することだということを紹介できたものと思います。

日時:11月1日(水) 1年生
 実践ではフランスからの留学生のフィリップさんと日本人の学生がグループで小学校を訪問します。各国の有名な建物をしたり、フランス語でじゃんけんをしたりしました。留学生と一緒に遊ぶことを通して、異文化に対する垣根を低くすることを目的としています。

◆調査・研究
12月上旬に、当支援室主催で現代的教育ニーズ取組支援プログラムを総括するための学生多文化フォーラムを行います。それにあわせて、これまでの活動の現場であった学校に学生が訪問し、調査を行っています。
10月13日(金)インディア・インターナショナルスクール・イン・ジャパン訪問
10月19日(木)大泉ピタゴラス校訪問
10月25日(水)ムンドデアレグリア校訪問

◆川崎市国際理解教育研究会議
日時:10月13日(金)26日(木)
 今回の研究会議は、実際に宮前平中学校と土橋小学校との実践の終了直後に行われました。実践を終えての学生からの感想、反省に始まり、今後の実践に課題を生かしていくための話し合いがおこなわれました。

◆継続的な活動の紹介
▼府中国際交流サロン
日時:毎週金曜日
 府中市国際交流サロンの活動がでは8名の担当者が小学校5年生から中学3年生の子どもたちを対象に学習支援を行っています。

▼東京外大在日外国人交流ネットワーク(AMIGOS) 
日時:毎週火・木曜
 現在、東京外大在日外国人交流ネットワークでは新宿区立大久保小学校で学習支援ボランティアをおこなっています。10月も学習支援を継続しておこないました。
 
▼うりぬりの活動
日時:9月2日(土)から毎週土曜日
 品川区立立杜松小学校の学童保育である「すまいるスクール」で韓国紹介を行いました。言葉については挨拶の仕方から始まって動物の名前と泣き声を紹介しながら韓国語にふれ、韓国の伝統的な衣装であるチマチョゴリを小さなカードで作りながら交流を深めました。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)