メールマガジン 創刊号

※このメールマガジンは学内者を対象に配信しているものです。
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 【多文化コミュニティ教育支援室メールマガジン】
                       創刊号
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教職員各位:多文化コミュニティ教育支援室メールマガジンの第一号を送信いたしま
す。今後、月に一度のペースで配信し、支援室の活動内容等をお伝えします。今回は
今後の活動予定及びメールマガジン第一号ということで、支援室が発足した2004年10
月から2005年3月までの活動をご報告いたします。

※※※※※ニュース目次※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※
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4月の予定
1.4月4日(月)午後1時~3時 総合文化研究所(研究講義棟422)
 ボランティアのための国際理解講座 入門編「小学生にどうやって教えるの?国際
理解」
2.4月11日(月)~28日(木)午前9時~午後6時 多文化コミュニティ教育支援室
(研究講義棟206)
 新学期フェア:専攻語を活かしたボランティアをやってみませんか?支援室ボラン
ティア新募集
3.4月14日(木)午後4時30分~6時 本部管理棟2階中会議室
講演会「ここまで来ている日本の多言語多文化化-新大久保の今-」
4.4月23日(土)午後5時現地集合 JR新大久保駅周辺
スタディー・ツアー「多文化のまち -大久保・百人町を歩く-」
以上のような活動を予定しております。

2004年10月~2005年3月までの活動報告
1. 多文化コミュニティ教育支援室開設記念手塚和彰氏講演会
 「国際化する日本であなたは何ができますか」
2. 愛知県豊田市での訪問調査及び愛知県豊田市「外国人集住都市会議」への出席
3. オープニングワークショップ開催
4. 静岡県大東町・東京外国語大学共催「日本・ブラジル交流の集い」
5. 小貫大輔氏による講演会:「日本の学校ってどこか変? 多文化社会に求めら
れる教育とは」
6. 川崎市菅小学校にて学生ボランティアによる国際理解講座
7. 府中市内小中学校アンケート調査
8. 学生取材員によるシンポジウムレポート
9. 第1回ボランティアコーディネート研究会開催
10. 第2回ワークショップ開催

継続的活動
1.川崎市京町・殿町小学校での学習支援活動
2.府中国際交流サロンでのボランティア活動

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※※※※ 四月の予定 ※※※※

 多文化コミュニティ教育支援室は、本学の学生が大学で学んでいる各国の言語や文
化に関する知識を活かしながら、日本で暮らしている外国人児童生徒に対する学習支
援ボランティア活動を、大学としてサポートし、多言語多文化化しつつある地域社会
が求める人材の育成を目指しています。
 新学期の始まりにあわせて興味深いプログラムを用意しました。学習支援・国際理
解教育に関心のある学生はふるって参加してください。

1.4月4日(月)午後1時~3時 総合文化研究所(研究講義棟422)
 ボランティアのための国際理解講座 入門編「小学生にどうやって教えるの?国際
理解」
講師:湯本浩之氏(開発教育協会DEAR) 小学校での国際理解教育に関心のある学生
に最適の講座です。簡単なグループ・ワークを予定しています。

2.4月11日(月)~28日(木)全日 多文化コミュニティ教育支援室(研究講義棟
206)
 新学期フェア:専攻語を活かしたボランティアをやってみませんか?支援室ボラン
ティア新募集 支援室(研究講義棟206)で資料の配布とボランティアの登録受付を
行います。
活動の例:府中市、川崎市における外国人児童生徒のための学習支援(府中国際交流
サロン)ならびに国際理解教育(川崎市内小学校)□期間中、毎週木曜日(4月14
日、21日、28日)の昼休みに、学生ボランティア団体、東京外大在日外国人交流ネッ
トワーク、CCS(Club of Children and Students Working Together)、エデュディ
アン・アン・フランセなどによるボランティア募集合同説明会を支援室で行います。

3.4月14日(木)午後4時30分~6時00分 本部管理棟2階中会議室
講演会「ここまで来ている日本の多言語多文化化-新大久保の今-」 講師:山本重
幸氏(共住懇きょうじゅうこん) 多言語多文化社会は私たちの身近にもあります。
外国人と共に住むまちづくりを提案する共住懇の山本重幸氏に新宿区大久保の多文化
状況を語っていただきます。23日には現地でのスタディー・ツアーを開催します。

4.4月23日(土)午後5時現地集合 JR新大久保駅周辺
スタディー・ツアー「多文化のまち 大久保・百人町を歩く」 山本重幸氏のガイド
で実際に大久保を紹介していただく「ここまで来ている日本の多言語多文化化―新宿
区大久保の今」の実践編です。午後5時から8時ごろまで。スタディー・ツアーの後に
夕食(自己負担)を予定しています。詳細は後日発表します。定員25名。応募方法は
4月14日の講演会および多文化コミュニティ教育支援室の掲示板で発表します。

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※※※※ 2004年10月~2005年3月までの活動報告 ※※※※
<1> 多文化コミュニティ教育支援室開設記念 手塚和彰氏 講演会
   「国際化する日本であなたは何ができますか」
 2004年10月22日(金)研究講義棟115教室にて、ドイツにおける外国人労働者問題
の第一人者であり、日本の外国人労働にもお詳しい千葉大学法経学部 手塚和彰教授
の講演会を企画しました。日本とドイツの例を比較しながら、問題の全体像を説明し
ていただきました。「国際化する社会であなたは何を出来ますか」という講演題目通
り、最後には東京外語大の学生であるからこそ出来ることがあるというメッセージを
いただきました。

<2> 愛知県豊田市での「訪問調査」及び「外国人集住都市会議」への出席
 2004年10月28日(木)に学生4名が愛知県豊田市の市役所、教育委員会、豊田市立
西保見小学校、豊田市保見が岡団地内にあるNPO法人トルシーダへの訪問を行いまし
た。また、29日(金)には豊田市にて行われた「外国人集住都市会議」に参加しまし
た。外国人集住都市会議においては午前中の教育部会、労働者部会、コミュニティ部
会、午後の全体会に参加しました。

<3> オープニングワークショップ
2004年11月30日(火)本学 本部管理棟大会議室にてオープニングワークショップが
行われました。このワークショップではこれまでの学生の活動報告とその活動に対す
る地域からの応答、学生・大学としての今後の課題を明確にするという視点からの講
演がありました。支援室としての最初のワークショップでもありましたので、多くの
学生が興味をもってつめかけました。また、支援室開設に多大なご尽力をいただきま
した先生方、千葉大学 手塚和彰教授、サンパウロ大学 二宮正人教授、大泉日伯セ
ンター 高野祥子代表、大阪外国語大学 林田雅至教授もかけつけてくださりまし
た。
 ワークショップの第一部では、これまでの学生側の取り組みとして、東京外大在日
外国人交流ネットワークの代表 渡辺桃子さん、同副代表 宮下えりかさんに報告し
ていただきました。学生が活動を行っている地域からは川崎市総合教育センター 佐
藤裕之氏、川崎市立殿町小学校校長 佐藤悠子氏、川崎市立京町小学校 第一学年主
任 下重えみ子氏から学生の活動へのコメントをいただきました。
 第二部では「在日外国人とコミュニティ:学生・大学は何ができるか」という趣旨
のもと、多文化共生センター理事 田村太郎氏に基調講演「多様な地域住民と多様な
担い手が多様なコミュニティをつくる!」をお願いいたしました。講演に関するコメ
ントは武蔵大学社会学部メディア社会学科専任講師 アンジェロ・イシ氏からいただ
きました。
 第三部では「オープン・ディスカッション」ということで、今後どのような活動を
本学の学生がおこなっていけるのかということを、パネリストの方々と学生が話し合
い議論が盛り上がりました。

<4> 静岡県大東町・東京外国語大学共催「日本・ブラジル交流の集い」
  2004年12月19日(日)に静岡県大東町と東京外国語大学共催で「日本・ブラジル
交流の集い」が開催されました。静岡県の大東町においては住民にしめる外国人比率
が5%ほどで、日本における在日外国人比率が2%弱であることを考えれば、かなり
高い比率となっています。
 その大東町において、さらなる日本人住民とブラジル人住民との交流を広げていく
ためにこの集いが企画されました。この「日本ブラジル交流の集い」においては、大
東町の「そば打ちの会」がまずそば打ちの実演を行ったあと、午後2時から第一部と
してポルトガル語専攻1年生によるポルトガル語劇「桃太郎」の上演が行われ、第二
部では本学音楽サークルであるブラジル研究会によるサンバ演奏がおこなわれまし
た。第三部では、東京外大在日外国人交流ネットワークによる「日本ってどんな国、
ブラジルってどんな国」というクイズ形式で子どもたちに日本とブラジルの交流の歴
史を知ってもらおうという寸劇が行われました。

<5> 小貫大輔氏講演会:「日本の学校ってどこか変? 多文化社会に求められる
教育とは」
 2005年1月24日(月)に本学研究講義棟115教室にて「CRI-チルドレンズ・リソー
ス・インターナショナル」の代表である小貫大輔氏による講演会が行われました。多
文化化が進行している日本において、学校教育はどうあるべきかという問題について
お話いただきました。ブラジルで生まれ、ブラジルの文化を身につけた自分のお子さ
んが日本の中学校の学校文化の違いから学校に行きたくなくなってしまった事を話し
ていただきました。その後、その娘さんと学校との経験から見えてきた、世界の潮流
に反して学校を選ぶ際の選択肢が極端に少ないという日本の学校選択の幅に関するお
話を伺いました。

<6> 川崎市菅小学校にて学生ボランティアによる国際理解講座
2005年1月26日(水)及び2月4日(金)に川崎市総合教育センターより依頼を受け、
川崎市立菅小学校にて学生ボランティアによる国際理解講座を行ないました。ブラジ
ル・韓国の留学生と各国語を専攻する日本人学生とがペアを組み、小学6年生の子供
たちに対してそれぞれの国の紹介し、また質問に回答しました。第一回目は「韓国の
食文化と学校生活について」と「ブラジル紹介~国、学校制度、食文化~」に関して
行い、第二回目は、前回を踏まえて、児童が各国について調べたことから、疑問や考
察をディスカッションし、理解を深めることを目標に行われました。
 終了後に行なったアンケートでは、事前に児童の質問事項をまとめておくべきだっ
たなどの改善点が指摘される一方、「外国の子供たちの生活など、身近な話が中心で
わかりやすかった」「本やインターネットで調べるだけよりも、人を相手として学ぶ
ことのよさが実感できた」などのコメントをいただきました。

<7> 府中市内小中学校アンケート調査 「府中市立小中学校における日本語指導
が必要な外国人児童生徒への日本語指導に関する実態調査」
 この調査は、学生によるボランティア活動を推進するために、本学の学生を対象に
調査員を募集し、学生を主体とした調査研究活動を企画したものです。この調査に
よって以下の4点を明らかにすることを目指しました。①府中市の小中学校における
外国人児童生徒(以下 JSL児童生徒)の在籍状況を把握する。②JSL児童生徒に対す
る学校側の取り組みの理解を深める③JSL児童の適応ならびに学習上の支援の必要性
の把握する④府中の学校における支援活動のあり方の検討し、具体的なプランの作成
を策定することを目指しました。この調査・研究に関する報告は「2004年度支援室報
告書」に記載いたします。
 

<8> 学生取材員によるシンポジウムレポート
 学生取材員がシンポジウムに参加しました。
 2005年 2月9日(水)国連大学ビル3階 ウ・タント国際会議場で行われた外務省
・国際移住機関(IOM)共催シンポジウム「外国人問題にどう対処すべきか-諸外国
の抱える問題とその取り組みの経験を踏まえて-」には2名に取材員を派遣しまし
た。
 2005年2月19日(土) 調布市文化会館たづくりにて行われた「国際化市民フォー
ラム in TOKYO 東京の国際化・国際協力を語る」(午前分科会1~4午後分科会5~
8)に取材員8名を派遣しました。

<9> 第1回ボランティアコーディネート研究会開催
 よりよいボランティア活動を行っていくための研究会を支援室では企画していま
す。
 2005年2月11日(金)本部管理棟に多文化共生センター 田村太郎氏を講師にお呼
びして第一回研究会を開催しました。大学がボランティアの拠点として機能するため
にいかなるコーディネートが必要か、大学が拠点となることで学生にどのような影響
が期待できるのかについてのお話をうかがいました。

<10> 第2回ワークショップ 「国際理解教育に取り組む先駆的地域・学校・NPO
から学ぶ -東京外国語大学に何が出来るのか-」
 2004年3月4日(金) 本部管理棟大会議室にて第2回ワークショップ 「国際理解
教育に取り組む先駆的地域・学校・NPOから学ぶ -東京外国語大学に何が出来るの
か-」が開かれました。日本における多文化コミュニティ社会の形成のためには、外
国人児童生徒の教育支援だけではなく、地域社会は学校関係者の国際理解の浸透が不
可欠との考えから、支援室としては本学内のリソースを掘り起こして活用していくこ
とを考えています。しかし、現在学内的連携が十分でないために貴重なリソースが生
かされておらず、地域社会や外部のNGO,NPOとの連携が十分でないことから、支援室
では第2回のワークショップとして先駆的な活動を行う地域や団体の取り組みを知
り、ネットワーキングを図ること目的として開催しました。
 ワークショップでは第一部ではパネル報告として「多様な先駆的事例」を開発教育
協会理事 湯本浩之氏、えひめグローバルネットワーク代表 竹内よし子氏、久留米
海外ボランティアサークル代表 野嶋さよえ氏、多文化共生センター・東京21事務
局長 関口耕一郎氏、東京都武蔵野市立第一中学校教務主任 辻本昭彦氏に報告して
いただきました。
 第二部では学生の活動報告として東京外国語大学フィリピン民族舞踊団の取り組み
を本学学生 磯野壽子さん、本学大学院生 野村 愛さんに発表していただきまし
た。その後、オープン・ディスカッションが行われ、「東京外国語大学に何ができる
のか?」というテーマの下パネリスト、学生の意見交換がおこなわれました。

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※※※※ 継続的な活動 ※※※※

<1>川崎市立京町・殿町小学校での学習支援活動
 この活動は東京外大在日外国人交流ネットワークのメンバーが支援室発足以前から
行っていた活動を支援室としてバックアップしていくものです。現在東京外大在日外
国人交流ネットワークのメンバーは川崎市立京町小学校及び殿町小学校にて日系ブラ
ジル人児童への学習支援活動を行っています。来年度も東京外大在日外国人交流ネッ
トワークのメンバーは川崎を拠点に活動を続けていく予定です。

<2>府中国際交流サロンでのボランティア活動
 支援室では、2005年2月に府中国際交流サロンと提携し、サロンでの本学学生
による学習支援ボランティア活動を行なうことになりました。2月18日より、公募
による12名の学生が、サロンに通う外国人児童生徒に対する日本語学習支援ボラン
ティア活動を始めています。

日時 毎週金曜日 16:30~18:30(2時間)
場所 府中国際交流サロン(府中市役所第2庁舎3階)

 学生たちは、大学で専攻している外国語や日本語教育の知識を活かして活動を行
なっています。現在は、中国語・朝鮮語を母語とする子供たち5人に対し、12名の
学生が各言語別にチームを組み、対応していますが、支援室では学生ボランティアが
より多くの子供たちにサロンで出会えるよう、今後も積極的にサロンと協力していく
予定です。
また、学生たちは、ボランティア活動を開始する前に、活動に参加する目的や関心、
問題意識をまとめます。一定期間の活動のあと、ボランティア活動を通してその目的
が達成されたか、問題意識が深められたか、関心がどのように変化したかをレポート
する予定です。

このメールマガジンに関する御意見、もしくは支援室の活動に関連して、学生
にとって有益な情報がございましたら、t-shien@tufs.ac.jp(支援室代表)まで
メールにてご連絡いただければ幸いです。

多文化コミュニティ教育支援室は2012年の東京外国語大学の改組にあわせ、 より広いボランティア活動をサポートするためのボランティア活動スペースとなりました。
(本サイトはアーカイブとして公開を続けています)