denkenとglaubenの違い                       早川 まゆ

 

1)はじめに

「私は、〜と思う。」という文章をドイツ語に訳す時、

Ich denke …Ich glaube …“のどちらを使えばいいのかわからなかった。

辞書では、denken  @考える、思う    A意図する

glauben  @本当だと思う、信じる A思う、〜と考える

(クラウン独和辞典 第2版)

となっているが、どちらの動詞を使う方が多いのか、また、目的語の種類や、

自動詞、他動詞によって使われ方の違いがあるのかを、調べていきたいと思う。

 

2)方法

IDScosmasを使って集めた資料は以下の4種類で、それぞれ25例を分析。

@Korpora geschriebener Sprache  ich &denken   ich denken1.htm

ich &glauben  ich glauben1.htm

AKorpora geschprochner Sprache  ich &denken   ich denken4.htm

ich &glauben  ich glauben4.htm

 

3)分析

3.1 頻度

@geschriebener Sprache       Ageschprochner Sprache

              

denken / glauben

 

    文語でも口語でも、glaubenの方がよく使われている。

    英語のthinkから推測しがちな(!?)denkenを使うような気がしていたが、

口語でもglaubenが圧倒的に多く用いられている。

 

3.2 動詞の種類

@geschriebener Sprache       

      

他動詞の内訳

denkenは自動詞として前置詞anと一緒に用いられている例が多いのに対して、

 glaubenは『,』の後に内容を置く他動詞として使われることが多かった。

・接続法U式を用いて、「〜した場合、〜だと思う。」という仮定の表現のときは、

denkenではなくglaubenが使われていた。

 

Ageschprochner Sprache     

       他動詞の内訳

      

    denkenは、口語では分離動詞はさすがに使われていなかったが、

自動詞の方がわずかに多いだけだった.

    glaubenは他動詞しか用いられず、『,』を用いる文語と違って直接目的語をとるものがほとんどだった。

 

3.3 目的語

   @geschriebener Sprache

 

       Ageschprochner Sprache

    あまり顕著な違いは見られなかったが、どちらかというとdenkenの方が

いろんな目的語に使われ、glaubenは文を目的語とすることが多かった。

    また、「〜と思わない、考えない。」といった否定文は、

denkenの文語で1例、口語で8例あっただけで、glaubenは否定文が全くなかった。

 

 

4)まとめ

    「私は、〜と思う。」という表現をしたいとき、まずはglaubenを使ってみよう。

    文章に書くときはdenken anを使ってみるのもよい。

    仮定を表現するときはglaubenを使えばいいが、口語では仮定法は使わない。

    目的語に相当するものは単語のみではなく、コンマやdassを使って文を作った方が本物のドイツ語らしいかもしれない。

    「私は、〜と思わない。」というときは、nicht denkenを使おう。