2011年11月6日 2011年度FINDAS WORKSHOPの報告

掲載日 | 2011年11月10日

11月6日に行われました2011年度FINDAS WORKSHOP「南アジア諸言語による文学の最新事情」の報告です。

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「南アジア諸言語による文学の最新事情」

報告者1.石田英明

タイトル:「80年代以降のヒンディー文学」

報告:
非常事態(75-77)の後、多極化した政治、右派勢力の台頭、世界的な社会主義勢力の後退、経済自由化による社会的変動などを受けて、ヒンディー文学界では文学運動が下火になり、作家は個人の立場から執筆している。90年代後半からはダリト文学も登場し、文学の裾野は広がっている。

報告者2.丹羽京子

タイトル:「バングラデシュの現代小説」

報告:
「なぜ『赤いシャールー』は『国民的文学』となったのか」
東パキスタン時代に確立していった「われわれの文学」としてのバングラデシュ文学を、バングラデシュ小説を代表するものと目されるショイヨド・ワリウッラーの『赤いシャールー』を通して捉え、同時にバングラデシュ小説全体の流れや現況を概観した。

報告者3.萩田博

タイトル:「現代ウルドゥー小説の動向―象徴小説と抽象小説の流れ」

報告:
今回の報告では1950年代末ごろから多く執筆されるようになったウルドゥー語の象徴小説、抽象小説の流れを紹介した。カフカやジェームズ・ジョイスなどの影響を受けたとされるこのジャンルの小説の執筆は1930年代からみられるので、それも含めて説明をした。

報告者4.深尾淳一

タイトル:「タミル現代文学の諸相―その一端を探る」

報告:
タミル語文学における、近代文学の成立過程についてまず概観した上で、さらに、近年の文学状況について紹介した。近代文学の成立過程においては、小説の誕生や自由詩の出現において、西洋文学が大きな影響を及ぼしていることが知られた。また、現代の文学者たちの多くが、文学専門誌だけを活動の場とするのではなく、一般大衆向けの週刊雑誌や、映画のような他のメディアをも作品発表の媒体として利用し、幅広い文学活動を繰り広げていることについて説明した。

報告者5.関口真理、大工原彩

タイトル:「現代英語小説:多様化する作家、空間、視点」

報告:
現代の英語小説では、新しい潮流の出現とされる1980年代後半以来、途切れることなく新しい作家と作品が登場しており、書き手、読み手とも英語能力、表現力
は様々で、テーマも多様化している。海外市場向け、文学性に欠けると批判されていたが、近年は国内の読者の圧倒的支持を集める作品が生まれている。