事前準備編

1.ビザ(査証)
観光目的でパキスタンへ行く場合、出発前に必ず有効なビザを取得しておく必要があります。観光ビザ申請は、このウェブサイトからのみ可能です。
書類に不備がなければ、数日で電子メールの添付ファイルとしてビザが送られてきます。不備がある場合も、メールで連絡があるので、申請時に登録したメールのチェックをしてください。

2.入国の手段と経路
日本からパキスタンへ向かう場合、直行する方法と、第3国を経由する方法があります。
2024年1月時点で成田空港からのパキスタン国際航空(Pakistan International Airlines)は、運行されていません。
比較的計画が立てやすいのは、タイ国際航空(Thai International Airways)を利用する方法です。日本では、成田空港以外に、羽田、関西、中部などに乗り入れており、バンコクからパキスタンへは、カラーチー、イスラーマーバード、ラーホールの3都市への便があります。

基本情報

時差:4時間(日本の正午は、パキスタンでは朝8時です)

気候
日本と大きく異なります。国土が広いので、北部と南部、北方の山岳部で異なりますが、平野部では、おおよそ以下のとおりです。
4~6月:酷暑期(首都イスラーマーバードや、パンジャーブ州の州都ラーホールなどでは、最高気温が45℃くらいになります。湿度は低く、乾燥しています。)
7~9月:雨期(2010年、2011年、2022年にはスィンド州を中心に大洪水に見舞われ、大きな被害が出ました。)
10~3月:乾期(比較的活動がしやすい時期です。首都イスラーマーバードでは、最低気温が0℃以下になることもあります。)

言語
パキスタンの国語(national language)はウルドゥー語、公用語(official language)は英語です。都市部では英語が通用すると考えて差し支えありませんが、ウルドゥー語で話す方が、いろいろなことがスムーズに運びます。
上記とは別に、各州には州の公用語が決められています。パンジャーブ州、ハイバル・パフトゥーンハー州、バローチスターン州ではウルドゥー語が、スィンド州ではウルドゥー語とスィンディー語が州の公用語と定められています。
また、それぞれの州では、民族ごとに異なる言語が話されています。パンジャーブ州では、パンジャービー語やサラーエキー語、ハイバル・パフトゥーンハー州では、パシュトー語やバローチー語、ハザーラギー語、バローチスターン州では、バローチー語やブラーフィ語、スィンド州では、スィンディー語というぐあいです。ヒマーラヤー山脈、カラーコルム山脈が連なる北方地域では、カシュミーリー語やシナー語、ブルーシャスキー語、コワール語などの言語が話されており、『言語のるつぼ』とも言える状況です。
このように言語を取り巻く状況が複雑なパキスタンでは、ウルドゥー語が、国民をつなぐ連接言語(link language)としての重要な役割を果たしています。

宗教
パキスタン憲法で定められた国教はイスラームです。同時に、信仰の自由が憲法で保障されています。全人口の約97%がムスリム(イスラーム教徒)です。残りの約3%は、ヒンドゥー教徒、キリスト教徒、仏教徒などです。
ムスリムのうち、約80%がスンナ派、約20%がシーア派です。旅行中、1日5回の礼拝(ナマーズ)や、断食(ラマザーン)などの宗教行事に遭遇した場合は、それを敬うべきです。

食事
ムスリムの食事は、ハラール(浄)とハラーム(不浄)という概念に基づいています。敬虔なムスリムが口にできるのは、ハラールに分類されるものだけです。
インダス河の東側、すなわちパンジャーブ州やスィンド州では、北インドの料理とよく似ています。
一方、インダス河の西側、ハイバル・パフトゥーンハー州やバローチスターン州では、イランやアフガニスタンに近い味付け、つまり香辛料を使わず、塩と胡椒による味付けとなります。
インドに比べると、マトン、チキンをはじめとして、肉を多く食べます。
具体的に、どこで何を食べるべきか、レストラン案内は、こちらをご覧下さい。