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来週の講義
1月28日(月) 102教室まとめ〜グローバリゼーションと文化の位置(2)
前回は20世紀において「文化」を考える条件について概観しながら,「多文化主義」に関する補足をしました.「文化相対主義」が,「相対主義」と言いつつ差異を絶対化する思考にもなりうること,また現在の日本社会の変容を徴づける多文化主義的言説が,これまでの「同化/排外主義」に変わる,グローバル化の時代の新しい人種主義のパラダイムになりうることに,注意を喚起しました.
次回は,1年間の講義を通覧するかたちでのまとめをしてみたいと思います.「グローバリゼーション」(2学期)と「文化」(1学期)をキーワードに選びましたが,必ずしもこれらだけではありません.
この講義でぼくが伝えたかったことには,大きく言えば2とおりの方向があります.
ひとつは,「文化」の名において,あたかも「自然」であるかのように了解されている諸概念を,理論的に問い直すための「構え」を体得してもらうこと,そのための「道具」を紹介すること.
もうひとつは,逆に,「文化(カルチャー)」の名のもとに生きられているさまざまな経験を,具体的に理解できる想像力をもち,さまざまな局面で生じている断絶・亀裂・対立を敏感に読み取れるような,リアルで繊細な「文化(カルチャー)的」感受性を養ってもらうこと.
……以上がぼくの一年間の講義で目指していたことですが,そのためにはあまりにもわずかな時間数しかとれなかったと思っています.次回は1年間のまとめをしながら,その都度の講義で話し足りなかった部分を,できるかぎり補足していきたいと思います.
また授業の最後に質疑応答とディスカッションの時間を空けておきますので,これまでの講義を聞きながら質問してみたかったことなど,遠慮なく提起してください.
■レポートについて
レポートの提出は,原則として授業時に限ります.郵送および E-mail での提出は,28日(月)までにお願いします.郵送の場合は,当日消印有効です.詳しくは こちら .
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