スーザン・ジョージと
反グローバリゼーション運動を考える集い



NHKスペシャル「シリーズ変革の世紀」《国家を超える市民パワー――国際政治に挑むNGO》 が話題を呼んでおりますが、あの番組に紹介されましたように、いま世界では、国際的NGO「ATTAK」を中心とした 反グローバリゼーション・反WTO の運動が空前の世界的な盛り上がりをみせております。

あの『なぜ世界の半分が飢えるのか』の著者であるスーザン・ジョージは、一貫して南側の民衆の立場に立って、多国籍企業・第一世界の暴力を暴きつづけてきましたが、現在、このATTAKの副代表として、反グローバリゼーション運動の先頭に立っています。 このスーザン・ジョージがグローバリゼーションの暴力性を余すことなく摘出したテキスト『WTO (世界貿易機関)徹底批判!』を、この度、作品社より出版いたしました。ぜひ、ご一読をお願いたします。

また、出版にあわせ、反グローバリゼーション運動を考える集いを催しますので、ご参加いただけますとありがたく存じます。


『WTO (世界貿易機関)徹底批判!』
スーザン・ジョージ著 杉村昌昭訳
A5判、定価1300円(税別)、2002年4月24日、作品社刊

【推薦 : 内橋克人――誰のためのWTOなのか!?】
いまや「WTO批判」の声が、澎湃として世界にわき起こっている。多国籍企業の利益代弁者と化し、世界の貧富拡大に拍車をかけ、地球環境破壊の先頭に立つWTO! WTOの仕組みと正体を徹底的に知り尽くしたスーザン・ジョージにして、はじめて暴くことができた現実。グローバリゼーションの暴力的な側面を余すところなく描出した本書こそ、21世紀に生きる日本人にとって必読の書といわねばならない。一人でも多くの日本人に熟読いただくことを熱望する。


《スーザン・ジョージ著『WTO徹底批判』出版記念》
■□スーザン・ジョージと 反グローバリゼーション運動を考える集い□■

日時:2002年4月26日(金)午後6時〜
会場:渋谷区勤労福祉会館
(JR・地下鉄「渋谷駅」下車7分/渋谷区神南1-19-8 
 公園通り沿い/Tel:03-3462-2511)
資料代:500円
主催:ATTAC(アタック)Japan
後援:作品社

【連絡先】
Tel:03‐3813‐6492 (ATTAC Japan)
Tel:03-3262-9753(内田眞人@作品社編集部) 

【呼びかけ人】
内橋克人(経済評論家)、増田一夫(東京大学)、塩川喜信(大学教員)、 稲葉奈々子(茨城大学)、山崎カヲル(東京経済大学)、金子文夫(横浜市立大学)、 平川均(名古屋大学)、武藤一羊(ピープルズ・プラン研究所)、太田昌国(現代企画室)、 池上善彦(「現代思想」編集長)、 小笠原公子(移住連全国ネット)、 大野和興(アジア農民交流センター事務局長)、松井やより(ジャーナリスト)、 古田睦美(長野大学)、平井玄(音楽批評)、深田卓(「インパクション」編集長)、 矢部史郎 《敬称略》

【当日の予定】 1、第2回「世界社会フォーラム」(atポルトアレグレ、参加6万人)報告&ビデオ上映
2、ATTAC Japan からの挨拶…田中徹二(首都圏事務局長)
3、講演
 ・「アタックの運動とスーザン・ジョージ」…杉村昌昭(龍谷大学)
 ・「WTO批判とスーザン・ジョージ」…佐久間智子(元市民フォーラム2001)
4、討論

 グローバリゼーションがキーワードとなったのは、1996年の主要国首脳会議(リヨン・サミット)からだと言われています。新自由主義的な経済のグローバル化は、一方で地球上の貧困地域を拡大し、富める国々と貧しい国々との途方もない格差を生み出しました。他方で97年のアジア通貨危機をもたらしたヘッジファンドに代表される巨額な金融資本が、地球を食いつぶす怪物のように世界経済をかく乱し危機に落しこむまでに成長してきました。

 このような弱肉強食の経済社会に対して、99年末のシアトルでのWTO(世界貿易機関)第3回閣僚会議に抗議する運動を皮切りとして、反グローバリゼーション運動が世界的に強まってきました。前年には、ATTAC(アタック:市民を支援するために金融取引への課税を求めるアソシエーション)がフランスで設立されています。そしてこの運動は、昨年7月のジェノバでの闘いで頂点を迎えました。しかし、9.11テロ事件という反動を経験しましたが、今年1月末からブラジル・ポルトアレグレでの世界社会フォーラムには全世界から8万人も結集するなど、再び大きな盛り上がりを示しつつあります。

 このような状況の中で、この間多国籍企業や経済のグローバル化の問題に警鐘を乱打してきたスーザン・ジョージが、著書『WTO徹底批判』を作品社より出版することになりました。彼女はまた、ATTACフランスの副代表でもあり、今日著作活動のみならず運動面でも活躍しております。 

 さて、スーザン・ジョージのこの本は単に理念的なWTO批判にとどまらず、グローバリゼーションという流行語になった言葉の裏で、世界で現実にどのような事態が進行しているのかを分析しております。それは、一言で言えば世界中のいたるところで市民社会と民主主義がとてつもない危機に陥っているということです。そしていうまでもなく、こうした世界共通の問題にどう立ち向かい、取り組んでいくのかが、いまや国際運動としての「もうひとつのグローバル化」のための運動に鋭く問われています。

 ATTAC は創設されて以来、金融市場ならびに世界貿易を市民の立場からどう規制していくかという課題を追求し、様々な抵抗運動を展開してきました。しかし、金融と貿易を基軸としたグローバル化の勢いはとどまることなく、9.11テロ以降米国を軸に戦争という手段を用いて世界を巻き込みつつ、地球全体をひとつの「帝国」として支配しようとしています。

 このような時期にあって、昨年末大阪と東京で同時に結成されたATTAC Japan を中心として、スーザン・ジョージの本の出版を記念しつつ、世界の反グローバリゼーション運動の実態を参照にしながら、今後日本においてどのような取り組みを行うべきかを考える集いをもちたいと思います。新自由主義的グローバリゼーションによる世界の一大「帝国」化に対して、それぞれの立場から「もうひとつのグローバル化・もうひとつの世界は可能だ」と考える多くの人の参加を呼びかけます。



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