スリークッション


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 ビリヤードの種類 

 ビリヤードのことについてほとんど知らない方のために、以下にビリヤードの種類をごく簡単に紹介する。

種  類

台の大きさ(内径)

説        明

ポケット

254cm×127cm

おそらく日本でいちばんよく目にするもの。台に穴が空いていて、色とりどりの球をその穴に落とすゲーム。「プール」とも呼ばれるが、「プールバー」というのはこのポケット・ビリヤードが置かれている店というわけである。

キャロム

大台(スリークッション):284cm×142cm
中台(四つ球):254cm×127cm

穴の空いていない台を用いるゲームで、球は通常3つあるいは4つ用い、手球(プレーヤーが撞く球)を他の2つあるいは3つの球に当てるゲームである。スリークッションは3つの球を用いて行なうキャロムである。日本では、以前は4つの球を用いた四つ球という競技が盛んに行なわれていた。

スヌーカー

350cm×175cm

「イギリス式ビリヤード」とも呼ばれ、イギリス国内では盛んに行なわれているらしい。広く言えばポケットの一種であるが、通常の台よりもかなり大きい専用の台を用いる。日本では大都市の一部の店などを除いて、なかなかお目にかかれない。



 スリークッションとは? 

スリークッションの当て方の概念図
【スリークッションの当て方の概念図】

 スリークッション(略して「スリー」とか「3c」ともいう)というビリヤードのゲームは、キャロムの1種である。玉は3つ、白球と黄球、そして赤球を用いるのだが、どのように遊ぶかというと、まず左の「概念図」を見てもらいたい。(A)図は、手球(白球)をまず1つ目の的球である赤球に当てる。そして、2つ目の的球(黄球)に当たるまでに、手球をクッション(壁)に3回入れている。(B)図は、手球をまず2回クッションに入れ、1つ目の的球(黄球)に当て、さらにもう1回手球をクッションに入れて、2つ目の的球(赤球)に当てている。
 このようにして2つ目の的球に手球が当たるまでに、手球を3回以上クッションに入れるのが、スリークッションの基本的ルールだ。手球が3回以上クッションに入って、はじめて1点を獲得することができる。クッションに2回しか入らなかったり、直接2つ目の的球に当たったりしても、得点にならない。
 2つの的球を直接ねらうことができないため、必然的に高度な技術を要する。スリークッションはビリヤードのゲームの中で最も難易度の高いゲームである。しかし、難しいぶん面白いのが、このスリークッションの魅力でもある。
 スリークッションの台は、通常目にするビリヤードの台より一回り大きい(なお、スヌーカーの台はさらに大きく、もはや「テーブル」と呼ぶには大きすぎるのでは、という感すらある)。スリークッションの台にはヒーターが埋め込まれており、台の表面を暖めている。これは球とラシャの摩擦を減らし、球がよく走るようにするためである。冬はほどよい暖気が漂って心地よいのだが、夏は台から微妙な熱気がゆらゆらと漂う(笑)。
 スリークッションの台は、どの店も手入れがよく行き届いている。スリークッションは正確さを要するデリケートな競技なので、ラシャも最善の状態に保ち、球もよく磨いている店がほとんどである。そして、ヒーターを入れるので台の維持費が一般のポケットに比べかさむのは当然で、ゆえにゲーム代が高い(通常のポケットの倍くらい)。

 スリークッションは繊細なゲーム 

 スリークッションはひじょうに繊細なゲームだ。緻密な計算で2つの球を当てなくてはならない。
 その「計算」というのは、たとえば手球の撞点(撞く場所)。球を中心を撞く、左上を撞く、右下を撞くなど、その状況ごとに使い分けなくてはならない。撞点が違えば球の進路がまったく違ってくるからである。「球の右を撞く」といった場合でも、中心から何ミリくらい右を撞くのかというような細かい調整が必要なこともある。また、的球に手球をどのくらい重ねて当てるか(厚み)も重要だ。厚みが違えば当然球の進む方向がことなるからだ。その他、手球を撞く強さ、キューを振る速度、手球にキューが触ってからのキューの出し具合など、「計算」すべき事がらは多い。
 このようなことを全て考えて、思い描いたとおりに手球が走ってくれて点が取れると、快感である。この喜びがあるから、スリークッションはやめられない。


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