ブタペスト便り
2015.09.04 ハンガリー
皆さん、こんにちは。研究交流プログラムで滞在中の、ハンガリーの首都ブダペストからレポートします。
ハンガリーは、その言葉が周辺地域の諸言語とほとんど共通点を持たないことで有名です。言葉以外にも、この国にしかないものがいろいろあります。たとえば、ハンガリー原産の牧畜犬「プーリー」。まるでモップのようですが、はたして前が見えているのでしょうか??
19世紀後半、ブダペストがオーストリア=ハンガリー帝国の首都となった時代には、民族の独自性を誇りに思う意識が特に強まりました。今も残る工芸美術館の建物は、当時の代表的な建築家レヒネル・エデンがハンガリーならではの美的表現を追求した、独特の装飾で知られています。
たとえば美術館の屋根のあちこちを、この迫力あるトリ頭が飾っているそうです。
しかし同時に、ハンガリーは様々な民族が交錯する場所でもあります。ブダペストには、ヨーロッパ最大のシナゴーグを持つユダヤ人地区がありますし、ウクライナやバルカン地域から移住した人々も数多くいます。また、目下、イラク・シリア難民がEUへの入口であるハンガリーに続々と流入しています。そうした状況は、この国にしばしば緊張を引き起こしてきたのです。
最後の写真は、ブダペストを貫くドナウ川。この街が「真珠」と称えられるのがよくわかる風景です。