橋本 雄一 (HASHIMOTO Yuichi)

氏名 / Name 橋本 雄一 (HASHIMOTO Yuichi)
所属職名 / Affiliation 大学院総合国際学研究院/准教授
Institute of Global Studies/Associate Professor
電子メール / Email
ウェブページ / Website http://mbk2001hiroba.web.fc2.com/yuhashimo/
学位 /
Degree
  • 修士(文学)(東京都立大学) 1995年
研究分野(e-Rad分野) /
Research Field(s) (by e-Rad)
  • 文学一般
    Literature in general
研究キーワード /
Research Keywords
  • 中国文学
    Faces and Thought in the Colonial society,Modern Chinese Literature
  • 植民地社会の事情・思想・思考
  • 「作品」とは何か
  • 近代植民地と文学社会言語
  • 中国近現代文学

自己紹介 / Biography

 中国近現代文学を専攻しています。そのなかでも特に、広い意味で日本統治下にあった中国東北において中国語ネイティヴの側が花開かせようと苦心した言語・文学・メディア活動・思想・思考を中心に、植民地と中国語社会文化という問題にアプローチしています。
 日本植民地「満洲国」下にあっても懸命に創作し続けた小説家の爵青や石軍、詩人の金音たちの文学作品を敬愛し研究しています。さらに近年は時間を遡って序章スペース大連・旅順(日本側はそこを含む遼東半島南端部を「関東州」と名づけて統治してしまった)の1910年代初頭から思考・活動していく傅立魚たちによる対日本言説、社会思想、社会実践、「移動言語」、さらにメディア活動と中華民国ネットワークをも探索分析。そうした関係から、中国「中央」の様相、また翻って同時代の帝国日本の文学・社会の問題様相も参照することが多いです。
    当代文学ではハルビンや西安に居住する作家の文学ワールド、を敬愛します。
    音楽。とくに中国大陸&西方の激しい琵琶の音 by近代期“大師“。ロックで「漢字」を切り裂いた崔健。竇唯の黒。許巍の藍。鮑家街43号の1st。いくつかの海を渡って、セロニアス・スフィア・モンク=Thelonious Sphere Monk による鍵盤の抑え。Eric Dolphy による宇宙。Don Friedmanによる分裂楽曲。John Zornによる<地域>。The roaring bearことEddie Costa、低音の風 Horace Parlan。最後の宇宙たるFrank Zappaの永遠雷光ギター。海を渡りなおして忌野清志郎のあの心声。を心と生活の糧としています。そのように <ひとり><ひとり> のみですわな。世界は。

最近5年間の研究 /
Recent Research Projects (in the last five years)

  • 中国東北の帝国日本植民地期における文学・メディア・言語・思考ネット
    時間と空間によって営まれた中国文学・社会思想・社会活動のテクスト(とくに「日露戦争」以降の日本植民地期東北)の収集、分析、データベースづくり、論文執筆や口頭発表。
     毎年、中国東北に赴き、現地資料機関の資料所蔵事情の探査と資料収集、体験者である作家や研究者にインタビューや研究交流。
     また現地の植民地都市空間における文化記憶、物質的現状も探っている。

所属学会 / Affiliated Academic Societies

    • 現代中国学会
    • 仲間と共に世話人を務める研究会:「満洲国」文学研究会 ( http://mbk2001hiroba.web.fc2.com/ )
    • 日本社会文学会
    • 植民地文化学会

主要研究業績 / Main Research Publications

論文 / Papers

  • (短文)空を飛ぶ者には空を飛ばせ、地を走る者には地を走らす, pieria 2024年春号 特集「気候変動と人の営み」, 通算16号, pp.22-23, 2024年
  • (短文)自分が今日ゆく道の上の岩石を見るべく立ち止まれ, pieria 2023年春号 特集「ジェンダーから聞こえる世界」, 通算15号, pp.12-13, 2023年
  • 中国 ハルビンのストリートと大河に声を 〜中国人ハーモニカの“声音”が響く〜, 『地球の音楽』(山口裕之・橋本雄一編), 86-90, 2022年
  • 清志郎、原発、お月さま  (かつての短文の論文版), 『国際日本研究への誘い 日本をたどりなおす29の方法』東京外国語大学出版会, 2022年
  • 幸徳秋水と現代世界 ―戦争、庶民、アジア―  (かつての短文の論文版), 『国際日本研究への誘い 日本をたどりなおす29の方法』東京外国語大学出版会, 2022年
  • 〈外〉に向かって奏で踏み出した人。〈共〉演の予感を聴く者。 〜Eric Dolphy, Thelonious Monk 違いながら人と音が繋がる〜, 『ブラック・ライヴズ・マターから学ぶ 〜アメリカからグローバル世界へ〜』, 187-209, 2022年
  • (短文)だがまだ遅くはない。<色彩>を旅するのはいったい誰なのだ?, pieria 東京外国語大学 2021年春号(*本号特集「色彩を旅するのは誰か」は本大学の研究者たちによる世界一周の旅エッセイが集合しています。現在の地球と<ひと>を知るための出版会企画です:http://repository.tufs.ac.jp/citation-home?citation_id=221 ), 13号, 2-3頁, 2021年
  • (短文)セロニアス・モンクは一つの音が重い扉を開けて外へ生まれ出ようとするその音を弾いた。, 『pieria』2020年春号(東京外国語大学出版会), 12巻, 16-17頁, 2020年
  • 移動という生存、抗い、円環 ーー植民地空間をめぐる文学テクストたちを辿って, 『「満洲」に渡った朝鮮人たち 〜写真でたどる記憶と痕跡〜』(世織書房), 160-165頁, 2019年
  • (コラム)石沢英太郎『さらば大連』ーー都市の時間と地理, 『大連・旅順歴史ガイドマップ』(大修館書店), 121-122頁, 2019年
  • (コラム)傅立魚という都市空間 ーー大連の海と道を航ったひと, 『大連・旅順歴史ガイドマップ』(大修館書店), 125-126頁, 2019年
  • (短文)<樹じたい>、フランク・ザッパ、李白 〜覚醒と美のフロー、やがて抗熱のち哄笑(続)〜, 『pieria』2019年春号(東京外国語大学出版会), 1巻11号, 30-31頁, 2019年
  • “眼線”と“声音”はハルビンをどう体験したか──中国人作家爵青あるいは音楽団体口琴(ハーモニカ)社の作法 , 『総合文化研究』(東京外国語大学総合文化研究所), 1巻22号, 92-103頁, 2019年
    Eyes and Voices in Haerbin: The Methodology of Chinese Writer Jueqing and Haerbin Harmonica Association, Trans-cultural Studies, 1(22), 92-103頁, 2019
  • (短文)覚醒と美のフロー、やがて抗熱のち哄笑 ~フランク・ザッパのレコードを抱えて走る~, 『pieria』2018年春号(東京外国語大学出版会), 10号, 36-37頁, 2018年
  • 中国という言語空間から考える ~アウターな言語のいのちのなかで<他者>になる自分へ~, 『多文化社会読本 ~多様なる世界、多様なる日本~』(東京外国語大学出版会), 80-98頁, 2016年
  • (短文)清志郎、原発、お月さま, 『日本をたどりなおす29の方法 国際日本研究入門』(東京外国語大学出版会), 80-82頁, 2016年
  • (短文)幸徳秋水と現代世界 ー戦争、庶民、アジアー, 『日本をたどりなおす29の方法 国際日本研究入門』(東京外国語大学出版会), 130-132頁, 2016年
  • 自分たちの側が始めた戦争と植民地のなかに立つ他者, 韓国誌(タイトル日本語訳)『いま、ここ -それを越えて-』第5号(2015年秋号)、崇実大学出版会、2015年9月, 1巻5号, 49-55頁, 2015年
  • 荒野の始まりと遠東ダイアローグ・テーブル(馮英華との共著), 『世界文学としての村上春樹』(東京外国語大学出版会), 00巻, 201-209頁, 2015年
  • 「大東亜」の時間、ネイティヴの時間 -第二回大東亜文学者大会にある対重慶ディスクール-, 『東京外国語大学論集』 85号, 1-20頁, 2012年
  • 自分の河を渡り、複数の河を下る ~日本の反原発・脱原発の声とデモ~, 韓国誌(タイトル日本語訳)『実践文学』, 2012年
  • 「大東亜」の中の/「大東亜」に対する“他者”――第一回大東亜文学賞と爵青「黄金的窄門」、石軍「沃土」, 『中国東北文化研究の広場』3号(「満洲国」文学研究会紀要論集), 39-55頁, 2012年
  • 「五四」前後の大連における傅立魚の思想と言語--1919年ごろの日本植民地に生きた中国知識人を観察するということ, 『立命館文学』615号(立命館大学。岡田英樹先生退職記念号), 55-67頁, 2010年
  • 遠い記憶をたどるテクストの原郷と異郷――爵青「帰郷」の武田泰淳訳と大内隆雄訳について, 『「北東アジアにおける『記憶』と歴史認識に関する総合的研究」研究成果報告書』(2006~09年度共同科研費。基盤研究A、代表者:三宅明正・千葉大学教授), 107-114頁, 2010年
  • 王秋蛍と爵青の応答から考える植民地の「現実」・空間・時間=差(附翻訳), 『中国東北文化研究の広場』2号(「満洲国」文学研究会紀要論集), 115-135頁, 2009年
  • 「辺境」をめぐる植民地=帝国の言語と文学の言語―「満洲国国境地帯法」と中国人作家、石軍の小説, 『中国東北文化研究の広場』創刊号(「満洲国」文学研究会紀要論集), 41-49頁, 2007年
  • 従“故事”地表上流亡的母語―石軍等人的話語分析 (「物語」の地表から脱出し漂流する母語―石軍らの作家のディスクールを分析する), 『抗日戦争時期淪陥区 史料與研究』第1輯(中国、北京市社会科学院文学研究所編), 202-212頁, 2007年
  • 「松花江のほとり」のほうへ――音のシンタックスを旅する, 『朱夏』21号(「特集 満洲…放送・演劇/中国東北…歌」、せらび書房), 93-102頁, 2006年
  • 日本植民地の近代メディアはどうはたらいたか――1925年、「関東州」にラジオが生まれた, 『戦争の時代と社会――日露戦争と現代』(青木書店), 171-195頁, 2005年
  • 「いま、ここ」からの私的な旅 --石軍、金音、爵青らのテクストを例に, 『満洲国の文化 --中国東北のひとつの時代』(せらび書房), 92-113頁, 2005年
  • 「砂漠」に歌われた痕跡―金音の詩集『塞外夢』における光と闇―, 『人文と教育』創刊号(千葉大学国際教育開発センター), 83-96頁, 2005年
  • 象徴をこえて描写の地平へ――梁山丁による文学テクスト「拓荒者」の多様なコード, 『言語文化論叢』12号(千葉大学外国語センター), 183-198頁, 2003年
  • 満映から“東影”へ――新中国のヒロイン映画「中華女児」と「趙一曼」, 『朱夏』18号(「特集・スパークする視覚宣伝―日本・中国」。せらび書房), 61-70頁, 2003年
  • 植民地文化探究誌『朱夏』第14号(せらび書房)の特集「俳人と歌人のアジア地図」の責任編集, 『朱夏』, 14号2000年
  • 住居と病室の空間原則 -尾崎放哉の朝鮮・「満洲」・台湾-, 『朱夏』14号(せらび書房), 20-35頁, 2000年
  • 二言語のあいだにもたらされた権力――雑誌『満洲国語』における中国人作家たち, 『野草』64号(中国文芸研究会), 17-33頁, 1999年
  • 固有語の力がぶつかりあう境域 -〔満洲国〕の中国人作家の成立過程を追う-, 『人文学報』第292号, 292号, 135-152頁, 1998年
  • 〔満洲〕の日本人作家による「故郷喪失」論, 『越境する視線 ~とらえ直すアジア・太平洋~』:『朱夏』ワークショップ(代表:田中益三先生)編、せらび書房刊, 73-81頁, 1996年
  • 爵青の<憧憬>とその描写 (〜「満洲国」中国人作家の言語と心性を追う〜), 東京都立大学大学院(中国文学専攻)へ提出の修士論文(1994年度), 1995年

書籍等出版物 / Books and Other Publications

MISC / MISC

  • 「5章 東北抗日聯軍との接触」「6章 それぞれの家族と生活」「9章 “光復”後の新しい生活」それぞれの冒頭解説, 『「満洲」に渡った朝鮮人たち 〜写真でたどる記憶と痕跡〜』李光平写真・文、金富子・中野敏男・橋本雄一・飯倉江里衣責任編集, 世織書房, 記事・総説・解説・論説等(その他), 単著, 2019年

講演・口頭発表等 / Presentations

  • 「地球の音楽 〜 世界の姿を聴く旅へ “滄浪吾有曲  寄入櫂歌声” 〜 」, 読売新聞 連続市民講座「世界を学ぶ、世界を生きる」東京東京外国語大学連携 第10回, 国内会議, 読売新聞 立川支局 & 東京外国語大学, 口頭発表(一般), 東京, Japan, 2024年
  • 「近代「アジア」という時間と空間、美術・広告、<中国>、、、 〜ニンゲンの身体、女性、文字、戦争と植民地 を視るのは誰か〜」, 「うるおうアジア -近代アジアの芸術、その多様性-」展示特別レクチャー, 国内会議, 小金井市立はけの森美術館, 公開講演,セミナー,チュートリアル,講習,講義等, 東京, Japan, 2024年
  • 「移動・移住という生存と円環のかたち 〜大陸東北植民地そして「万宝山事件」をめぐる文学作品〜」, 李光平写真展「植民地朝鮮から「満洲」に渡った朝鮮人」歴史講座, 国内会議, 高麗博物館(東京新宿), 口頭発表(一般), 高麗博物館(東京新宿), 2019年
  • 「植民地青島へ越境横断する言語 −時間と地理への往来あるいは中国東北〜山東半島、からみる−」, 日本比較文学会 第81回全国大会 ワークショップ「青島をめぐるドイツ・日本・中国の文化的記憶」, 国内会議, 日本比較文学会, 口頭発表(一般), 北海道大学, 2019年
  • 眼線と声が運動する都市空間 -植民地ハルビンは中国人の文芸や音楽にどうアプローチされたか-, 国際シンポジウム「植民地主義と文学」第10回, 国際会議, 韓国民族文学研究所、国立済州大学, 口頭発表(一般), 韓国、済州大学, 2014年
  • 大連の中国語新聞『泰東日報』と植民地都市のトポス, 租界メディア班研究会(2013年度第2回), 国内会議, 神奈川大学非文字資料研究センター「租界とメディア」研究班, 口頭発表(一般), 神奈川大学非文字文化資料研究センター21号館405会議室, 2013年
  • 1920年、中国人の都市大連の使用法と地図作成, 〔研究交流ワークショップ〕東アジア近代都市の文化マップ制作をめぐって ―大連、ハルビンという歴史空間―, 国内会議, 科研費プロジェクト「旧満洲地域の都市歴史文化地図シリーズ第一分冊『大連、旅順編』の制作」, 口頭発表(一般), 東京外国語大学 本郷サテライト校舎4階セミナー室, 2013年
  • つくられる肖像、ざわめく言語――五四時期の大連にみる中国語新聞の商業広告, 植民地主義と文学 第8回, 国際会議, 韓国民族文学研究所, 口頭発表(一般), 韓国 延世大学、原州キャンパス, 2012年
  • 記憶の「場所」はどのように可能か ~ 九・一八事変と中国近代文学の作家、テクスト ~, 科研合同研究会(代表:岩崎稔東京外国語大学教授), 国内会議, 科研合同研究会(代表:岩崎稔東京外国語大学教授), 口頭発表(一般), 東京外大本郷サテライト校舎, 2012年
  • メディアと建物 ――「関東州」大連市庁舎完成をめぐる傅立魚の評論, ミニ・シンポジウム「植民地都市を掘り起こす ~大連をめぐる記憶学~」, 国内会議, 共同科研プロジェクト「大連歴史地図制作」と「満洲国」文学研究会との共催, 口頭発表(一般), 日本女子大学 目白キャンパス  「百年館高層棟」301会議室, 2011年
  • 植民地都市が宿す記憶の地層 ―ハルビンをめぐる中国側のナラティヴ―, ミニ・シンポジウム 近現代の歴史をめぐる「事実」と記憶‐ハルビンを事例として, 国内会議, 日本大学文理学部人文科学研究所, 口頭発表(一般), 日本大学文理学部, 2011年
  • 「大東亜」の時間感覚 ~第二回大東亜文学者大会にある対重慶ディスクール~, 植民地主義と文学 第7回, 国際会議, 韓国民族文学研究所  大田市, 口頭発表(一般), 忠南大学, 2011年
  • 「大東亜」という場所のゆくえ―第一回大東亜文学賞と爵青「黄金的窄門」、石軍「沃土」―, 植民地主義と文学 第6回, 国際会議, 韓国民族文学研究所, 口頭発表(一般), 韓国 韓国技術研究院(KAIST), 2010年
  • 五四初期の大連における傅立魚-1919年前後の日本植民地にみる中国知識人の思考と言語-, 植民地主義と文学 第5回, 国際会議, 韓国民族文学研究所, 口頭発表(一般), 韓国 韓国技術研究院, 2009年
  • 遠い記憶をたどるテクストの原郷と異郷――爵青「帰郷」の武田泰淳訳と大内隆雄訳, 植民地主義と文学 第4回, 国際会議, 韓国民族文学研究所, 口頭発表(一般), 韓国 延世大学, 2008年
  • 「辺境」をめぐる植民地=帝国の言語と文学の言語――「満洲国国境地帯法」と中国人作家、石軍の小説, 植民地主義と文学, 国際会議, 韓国民族文学研究所, 口頭発表(一般), 韓国 延世大学, 2007年
  • 文本中的流亡―在滿洲國寫作的中國作家的母語走向何方(テクストのなかの漂流――「満洲国」の中国人作家による母語のゆくえ), 「跨文化流動與台灣文學」シリーズ18, 国際会議, 台湾国立大学清華大学, 口頭発表(一般), 台湾国立大学清華大学台湾文学研究所, 2007年
  • 従“故事”地表上流亡的母語――石軍等人的話語分析, 「抗戦時期北平反法西斯文学芸術」, 国際会議, 北京市社会科学院文学研究所, 口頭発表(一般), 北京市社会科学院, 2005年

Last updated on 2024/4/10

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