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2013年7月 月次レポート(蔦原亮 スペイン)

2013年7月 月次レポート
蔦原亮

 七月の二週目以降からここマドリードでは気温が急激に上昇。日陰で38度、日向では40度を超える日が続いた。「マドリードの夏はすごい」と聞いてはいたが、予想以上に厳しい気候であり、体調を崩すのも時間の問題かと思われたが、警戒の甲斐あってか七月は特に健康上の問題もなく無事に過ごすことができた。八月以降も体調に十分に気を付け、体調不良のせいで研究が滞るということのないようにしたい。
 研究の進捗であるが、9、10月の学会発表の準備をしつつ、今後の研究の基礎となる動詞の名詞化に関わる文献を読み進めていった。この分野は語彙アスペクト、項構造、語彙的概念構造といった近年の語彙意味論における重要なキーワードと密接に関連している。八月は引き続き重要文献を読み進めつつ、並行して問題意識を整頓したい。そして整頓した問題について、九月にはマドリード自治大学における語彙意味論の専門家であり本派遣の受け入れ教員の一人でもあるElena de Miguel先生に具体的な相談をするという手順を踏みたい。
 また、今月は派遣者が所属するマドリード自治大学情報言語学研究室のポスドク、および一名の大学院生がイギリス・ランカスター大学で学会発表を行った。それに先立ち、彼らから、渡英前に彼らの発表のリハーサルに付き合うよう依頼された。派遣者の専門は彼らの専門と重なる部分が少ないので、彼らの発表について門外漢の視点から、発表における説明のやや煩雑と思われた個所を数か所指摘した。
 特に学会発表のようなアウトプットの場では極力専門用語の使用を避け、論旨と結論を明確に述べることが鉄則であると思われるが、今回のリハーサルを通じ、この意識を高めることができた。派遣者も来月以降、自分の学会発表を彼らに聴いてもらい、同様に問題点を指摘してもらえるよう依頼する予定である。
 また、やはり同じような立場の若い研究者の発表を聴くことはそれだけで非常に良い刺激ともなる。この高まったモチベーションの勢いを殺さずに、来月以降も意欲的に研究を進めていきたい。

 

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