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2013年7月 月次レポート(近藤野里 フランス)

ITP-EUROPA
月次レポート2013年7月

近藤野里(パリ第8大学)

 フランス人が異常気象だと嘆くほどに寒い日々が続いた6月が終わり、7月は30度を超える猛暑日が続きました。フランス国立図書館は冷房が効いて涼しいということもあり、今月は避暑も兼ねての図書館通いでした。
 今月は先月に引き続き、博論の一部となる先行研究をまとめる章を書くことに専念し、特に理論的アプローチおよび社会言語学的アプローチの要約を行うことに時間を割きました。理論アプローチについては、統語的分析についての先行研究を読み直す作業に当たりました。社会言語学的アプローチについては、特にフランスにおける社会言語学の受容についての文献を読みました。アメリカの言語学者Labovが社会言語学を言語学の一分野として確立させて以降、フランスでもLabovの変種主義理論の受容が徐々に行われる一方で、フランスには規範を好む体質が根付いていたせいか、フランス語についての社会言語学的研究は当初、フランス国外で行われる傾向が強かったようです。この点についてはGadet, F. (2003). Is there a French theory of variation ?, International Journal of the Sociology of Language, n°160, p.17-40. で細かく扱われています。
 パリ第8大学に提出予定の博士論文については、「1930年代フランス映画の話し言葉における母音体系の社会言語学的分析」というテーマで研究を行う予定です。今月は、先行研究であるAbecassis, M. (2005). The representation of Parisian Speech in the cinema of the 1930s.を通読しました。この博士論文は1930年代の映画において、俳優が演じる役柄の社会階級の違いに表れる言語学的特徴(リエゾン、否定詞neの脱落、統語的特徴など)を研究したものです。この先行研究を読むことで、コーパスとして使用する映画の選択方法についてのヒントを得ることができました。

 

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