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2013年6月 月次レポート(杉山香織 フランス)

ITP-EUROPA
6月月次レポート

ボルドー第三大学派遣 杉山香織

 6月は、本派遣期間における活動の成果を形にすることができた1ヶ月でした。まず、6月3日に「フランス語学習者の発話における使用語彙分析」という題目で、東京外国語大学に博士論文を提出しました。本派遣における第一目標である博士論文の完成を達成することができました。
 また、6月6日から8日までフランスのペルピニャンで開催された、Association of French Language Studiesの学会に参加し、初日には«Différence dans l'Utilisation des Marqueurs Discursifs : Analyse Comparative entre Apprenants et Français Natifs»(ディスコースマーカー使用における差異:学習者とフランス語母語話者間の比較分析)というタイトルで発表を行いました。本発表は、学習者による過少使用語のリストには、多くのディスコースマーカーが含まれていることに着眼し、特にenfin, hein, quoi, bon, tu vois, tu sais, quand même, en faitというディスコースマーカーの使用について、個人差が存在するのか、レベルによる使用頻度の差が見られるのかについて分析したものです。分析の結果、これら全てのディスコースマーカーを母語話者の大半が使用しているのに対して、学習者によってほとんど使用されなかったディスコースマーカー(hein, tu sais)や、ごく一部の学習者によってのみ繰り返し使用されたディスコースマーカーが存在することが分かりました(en fait, quand même)。また、その一部の学習者の共通点は、留学経験が1年以上ある上級学習者であることが明らかになりました。本学会で発表を行うことは今回が初めての経験で、実際にお会いしたことのある先生があまりいない中での発表でした。しかし、フランス語ディスコースマーカー研究の第一人者の先生であるKate Beeching先生をはじめ、多くの先生方に大変興味を持って頂くことができ、好意的な意見をたくさん得ることができました。また、フランス語学の専門家の先生方や博士課程の学生と意見交換をすることができ、大変実り多い学会となりました。
 そして、6月後半にはボルドー第三大学の指導教員であるLaurence Labrune先生と、ボルドー第三大学の博士論文の構成について話し合う機会を得ました。構成案について先生からは肯定的な意見を頂くことができました。
 ボルドー第三大学への派遣期間も残すところあと1ヶ月となりましたが、引き続き充実した留学生活を送れるよう、気を引き締めて精進したいと思います。

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