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2013年3月 月次レポート(横田さやか イタリア)

月次レポート 2013年3月 
博士後期課程 横田さやか 
派遣先:イタリア、ボローニャ大学


 今月も引き続き、「イタリア未来派のダンス」をテーマにした博士論文執筆作業に専念した。3月とはいえ、ボローニャは凍てつく寒さと降雪が続き、春の訪れまでもうひと辛抱である。冬の寒さはほんとうに骨身に応え、自宅でも図書館でも暖房設備が良くないためか、ほっとできる場がもてないのはつらいが、あらかじめ寒さ対策を徹底し、体調管理に気を配ったおかげで風邪をひくこともなくひと月を無事に終えることができた。
 博士論文執筆作業の進捗状況としては、時間的に遅れをとっている不安と焦りは強いが、内容に関しては順調に執筆を進めている。ボローニャ大学指導教員による面接指導では、今回も報告者の論考の長所を指摘していただき、大きな励みとなった。同時に、修正や加筆の必要があるところを細やかにご指導していただき、その後、即加筆修正作業に取りかかり、論文の質を高めることができたといえる。今月ご指導を仰いだふたつの節は、20世紀初頭のヨーロッパにおけるモダン・ダンスの隆盛に焦点をあて、そこに、二重の潮流を分析することを目的としている。ひとつは、身体の目覚め、自然との調和といった、イサドラ・ダンカンを例に挙げられるような、自由ダンスであり、もう一方は、演劇におけるクレイグのマリオネット理論やバウハウスでのシュレンマーの作品の流れといえる、機械との融合、あるいは身体の機械化がキー・ワードになる未来派的概念と考えられうる潮流である。あくまでも、その二極性を土台に未来派の舞踊概念を考察することが目的であり、そうして舞踊研究の視点で未来派を考察することが、報告者の論文を通しての特徴のひとつであるといえる。
 今月は第二章の執筆を進めたが、この章についても、さまざまに不安は尽きないものの、執筆作業を楽しみながら集中して取り組むことができた。来月も引き続き、健康に留意しながら博士論文執筆作業に専心する。

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