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2013年3-4月 月次レポート(柴田瑞枝 イタリア)

月次レポート  2013年3・4月

博士後期課程 柴田 瑞枝
派遣先:ボローニャ大学 (イタリア)

 3月末より、ITP-EUROPAのご支援を受けて、ボローニャ大学で近現代イタリア文学の研究をさせて頂くことになりました。これから、東京外国語大学とボローニャ大学における共同学位の取得を目指し、気を引き締めて博士論文の執筆に取り組んで参ります。
 この約1ヶ月は、予想以上に事務手続きに時間を取られ、ボローニャへ到着後最初の数日は、大学への再登録や、移民局への滞在許可書の申請などに奔走しました。間もなくイースター(復活祭)の連休に入り、大学も閉鎖されたので、その間は自宅で資料を読むことに専念しましたが、休み明けすぐに、派遣先大学指導教官のマルコ・アントニオ・バッゾッキ先生とも面会し、研究の進捗状況などについて報告しました。
 出発前に、本学で和田忠彦先生をはじめとする3人の指導教官のご指導を受けることができたので、その際に先生方からご指摘頂いた、作家(アルベルト・モラヴィア)の作品受容の問題などを視野に入れながら、目下博士論文の細かな構成について再検討している次第です。報告者の研究テーマは「20世紀イタリアにおける女性像の変遷」で、主に男性作家による女性一人称作品を通してこの問題を考察する予定ですが、女性という存在の社会における歴史的変遷と、20世紀イタリア文学における女性像をどのような立場で関連づけるのか、まずはその明確化が必要であると、面接後改めて考えさせられました。さらに、「語る女性」と「語られる女性」をどのように定義づけるのかについても、以前の論文構想の時点では考慮が足りなかったように思われるので、こうした点を修正し、一日も早く具体的な論文執筆作業に取りかかりたいと思います。

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