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2013年10月 月次レポート(柴田瑞枝 イタリア)

月次レポート  2013年10月

博士後期課程 柴田 瑞枝
派遣先:ボローニャ大学 (イタリア)

 大学の年度の変わり目である今月は、私には思いがけず忙しいひと月となりました。少し前までは、特別聴講生のような立場で(Visiting PhD studentの名目で)大学へ通い、専ら自分のペースで研究をしていましたが、共同学位制度に基づいた協定が結ばれた現在は、ボローニャ大学の他の博士課程の学生たちと同様に、ゼミやその他の学内活動に参加することを求められるようになりました。ある人は古典、ある人は現代文学と、研究分野はそれぞれ違っても、興味関心を分かち合える仲間と知り合えて、とても嬉しく思っています。まだ新2年生でも、すでに博士論文の第1章を書き終えているという学生もいるので、こちらも負けていられないという気持ちになり、良い刺激をもらっています。
 共同学位制度については、まだ大学側でも不慣れな面もあり、私自身、ときに戸惑うこともありますが、迷ったときには、すでに同制度のもとで卒業された先輩方が親切にアドバイスをくださるので、大変心強いです。
 月末には、ドクターの学生たちを対象とした進級審査会議に出席してきました。研究の進捗状況を前もってレポートの形で提出することを義務づけられ、審査当日はそれぞれ簡単な研究報告をし、それについて先生方からコメントをもらうというような形式でした。私は、アルベルト・モラヴィアの女性一人称作品を研究対象にしていること、前年度、ボローニャ滞在中にイタリア学会誌に論文を送った旨などを報告しましたが、それは飽くまで日本語による論文なので、12月の帰国日までにある程度まとまった量のイタリア語の論文を提出するようにとの指示を指導教員から受けました。
 さて、ボローニャ滞在も残すところ2ヶ月弱となりました。ひと月が過ぎるのがますますあっという間のことに感じられ、焦る気持ちがないと言えば嘘になりますが、滞在期間中に満足のいく結果が残せるよう、引き続き、時間を最大限に活用して博士論文執筆に励みたいと思います。

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